煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

聖夜の夜に起きた情事をムード満点は歌詞で紡ぐVOCALOID曲

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 つい最近、ニコニコ動画がいよいよヤバいという話題がネットで騒がれましたね。確かに全盛期に比べれば、勢いは無くなりましたが、あの独特の雰囲気は他では代替えが効かないコンテンツだと思いますので、ここは何とか踏ん張って頂いて、盛り上げてほしい限りです。それでは、323曲目の紹介とちょっとした物語をお送りしたいと思います。

 

 

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

※題名や挿絵にBing Image Creatorを使用しました

 

 曲の紹介は下の方にあります!物語を飛ばしても構いません。

 

 

 俺は志村という者だ、とある事から、人の言葉を操り、人に化ける動物たち、通称化け者たちと関る事になった正真正銘の人だ。俺の今の立場は、化け者で皆からは所長と呼ばれている麗人に雇われていて、興信所の真似事から、化け者たちの困りごとの解決などをし、お給料を頂いて生活をしている。俺は寝ぐらであるワンルームアパートの洗面所で身支度を終え、仕事場である歓楽街の真ん中にある事務所に向かう。電車に乗って数分、歓楽街の最寄り駅に降りると、電飾が消灯してる卑猥な看板が俺を出迎える。昼間の歓楽街は、まるで祭りの後の様に、ごみが散らかり、それらを歓楽街の従業員が掃除をしていた。彼らは皆、夜の営業を終えた後に、掃除をして帰宅するのだが、頭が下がる思いだ。終れはそんな彼らを横目に歓楽街の通りを歩き、事務所がある方へ進む。すると、「志村ちゃん、おはよう」と誰かが俺に挨拶をした。蝶ネクタイに黒いベストに白いワイシャツ、黒いズボンに黒いパンプスのセミロングの髪型で地味系のメイクをした女性が、ゴミ袋とごみ拾いトングを持って立っている。それは、ノスタルジーJKの店長であるカレンだった。彼女は少し前では、キャストとして働いていたが、先代の店長が引退して、今度はお店の経営の方へ回った。「ああ、おはようございます、いつもご苦労様です」と俺は挨拶を返す。「志村ちゃんw、今度うちの店に来てくださいよw、サービスしますからw」と気さくに俺を店に誘う。彼女のキャスト時代を見かけた事が有るが、今の姿とはかなり違う。茶髪でガングロ、わざと崩したネクタイに胸元が見えるようにボタンをはずしたワイシャツに、超ミニスカでルーズソックスを履いた古のJKの姿をしていてまるで別人だ。そのため、今の姿を最初、見かけた時、誰だか分からなかった。「うーん、気が向いた行くよw」と俺は適当に言う。「もう!、志村ちゃんいつもそんなこと言って来ないんだからw」とカレンは怒る振りをして、俺を茶化す。「ごめんね、仕事が忙しいんだよw」と俺はもっともらしい嘘でその場を取り繕う。「絶対だからねw、何だったら、仕事が終わる時間に事務所に迎えに行こうか?」とカレンは俺にいつもよりグイグイ来る。「はは・・それは勘弁してくださいw、所長やミケに白い目で見られるのでw」と俺は丁重にお断りをして、「じゃあ、お掃除を無理せず頑張って!」と手を振り、彼女も手を振り掃除に戻った。

 

 歓楽街の中心地にまでたどり着き、俺の仕事場である古びたテナントビルが現れる。余談だが、このテナントビルは登記上では俺の名前になっていて、その手間賃とういうか、礼金を毎月、貰っているのだ。化け者は人の姿に化けて社会活動が出来るが、法律上は存在していない事になっているので、どうしても不動産などの登記をする時に実在している人間が必要で、俺の様な化け者と関っている人間がしばしば協力している。俺はクラシックなエレベーターの手動扉を開けて、中に入り込み、事務所の階のボタンを押す。目的の階に着くと俺は降りて、通路の奥のガラス扉を開け、「おはようございます!」と挨拶。「あら、あら、志村君、おはよう」と髪を束ねて、燃える様な赤いアイラインが入ったメイクに赤い口紅、胸元を大胆に露出したワイシャツに、白くて美しい太ももが露わに見える大胆なスリットが入っているロングタイトスカートに、黒いハイヒールサンダルを履いた妖艶な雰囲気の、雇人で上司である所長が俺に挨拶を返し、彼女はコーヒーを淹れている所だった。そして、続けて、「おはようさんにゃあ」と三人用のソファーにだらしなく寝ころびながら、メイド服姿に黒髪のツインテール、一見何処かの店のキャストかと思ってしまう姿をした同僚のミケが俺に挨拶。彼女たちは二人は化け者で人でないのだ。所長は恐らくだが狐の類だと思われるが、完全な正体を現したところを目撃した事が無いのではっきりした所は俺も知らない・・というか、名前も知らない、半年以上、行動を共にしているが誰も彼女を名前で呼ばない。ミケは化け猫に属する三毛猫で、ちょくちょくと猫の姿を晒し、時には事務所で猫の姿のまま寛いでいたりする。彼女が何故、黒髪でツインテールのメイド姿を好むのかは謎。俺は一人掛けのソファに座ると、所長がコーヒーを入れたマグカップを俺の前に置く。「ありがとうございますw、所長の淹れたコーヒー美味いっす!」と俺はあるがままに感じた事を言う。「あら、あら、志村君、嬉しい事を言ってくれるわねw」と所長はニコリと笑い、ソファーで寝ていたミケを追い払い、丁度俺の正面に座る。ミケは少し不服そうな顔をして、ソファの端で体躯座りをした。「おほん、今日は志村君に改めて話しておかないと行けに事があるの」と所長はいつになく真剣な表情で話す。俺はいつもはニコニコしてほんわかは感じの所長とは違う雰囲気を感じ取り背筋を伸ばし、「何でしょう・・」と神妙な顔立ちで言う。「もう半年以上、共に過ごしている訳だけど、何回か危ない目に遭っているわよね?」と所長は俺に尋ねた。「はい・・、タイミングが悪かったら命を落としたかもしれない場面が何回かありました」と俺は過去の自分が命を落としそうな場面を思い出す。「ミケの修行が終わり、化け者としての力の底上げが出来たけど、それでも志村君、君を完全に守る事は出来ないわ」と所長は言う。これは・・まさか・・と俺にある事がよぎる。「そうですね・・、何の能力もない只の人間ですから・・、足手まといですよね」と俺はリストラの文字が頭に浮かぶ。あら、あら、志村君、早合点はダメよw」と所長は笑う。「えっ!?、それじゃあ・・、何ですか?」と俺は恐る恐る尋ねた。

 

 所長はニッコリと笑い「志村君、あなたには、神通力を習得して、何らかの身を守る手段を獲得してもらいます」と信じられない事を言う。「じ、神通力?、あの‥俺って普通の人間ですよ?」と俺は所長の意図が分からず困惑。「あら、あら、志村君、言葉足らずでごめんなさいねw、困惑するのは無理も無いわよねw、人ってね、ある種の修行を一生かけてすると、たまに人外の能力を得る事があるのよ」と所長は言った。「修行って、今から一生かけたら間に合いませんよ・・」と俺は所長の意味不明な発言に困惑を深める。「あら、あら、修行はしないわw、お手軽に神通力を得れる場所があるのよw」と所長は俺の様子に笑う。「そんな所あるんですか?」と俺は驚く。「それがあるのよw、でも、確かにお手軽に手に入るけど・・・」と所長は言い淀む。「何です?、もったいぶった言い方は止めて下さいよ!」と俺は前のめりで言う。「うーん・・今風の言い方をすればガチャって感じw」と所長はお茶目ぽくっ赤い舌を出す。「ガチャ?、それって運次第って事ですか?」と俺はきょとんとした顔。「そう!、運次第でSSR級の能力も手に入るのよ!」と所長はドヤ顔をする。「ちょっと待って下さい!、SSR級の能力を手に入るのよって言いますけど、それって万に一つの可能性で、大半は役に立たない能力って事じゃないですか!、何回もチャレンジ出来るんですか?」と俺は興奮しながら訪ねる。「志村君、世の中そんなに甘くないわ、一度っきりのガチャよ」と所長は無慈悲に返した。「もし・・、役立たない能力だったら、俺の待遇はどうなるんです?」と俺は恐る恐る確認。「あら、あら、志村君、心配ご無用よw、待遇は変わらないは、でも、あなたが死ぬ確率が高いってだけよw」所長はとんでもない事を躊躇せず言う。その瞬間、今まで沈黙していたミケが「くすっ」と笑う。ヤバい!!、これは何としてもSSR級の能力を手に入れなければ!。「よしっ!、やりましょう、でっ?、何処に行けばいいんですか?」と俺は半ばヤケクソ気味に所長に尋ねた。「あら、あら、志村君、急いては事をし損ずると言うわ、安心なさい、私が自ら案内するわ」と所長は優しい目で俺をなだめる。「ありがとうございます」と俺は礼を言い、「ミケ、あなたも来るでしょ?」と所長はミケに話を振った。「神通力が手に入る場所ってどこにゃあ?」とミケは少し怪しんだ目で言う。「あら、あら、ミケw、あなたが行った事がある場所よ?」と所長はミケになぞかけを出す。「行った事がある場所?、心当たりが無いにゃあ」とミケはあっさりギブアップ。「もうw、私の姪たちと遊んだ場所よw」と所長が答える。すると、「あ、あたいは用事を思い出したにゃあ」とミケは何かに怯え始め、ソファから立ち上がり事務所から去ろうとした。そんなミケを冷ややか目で見た所長は、「そう、用事があるなら仕方がいないわ、折角、極上のきつねうどんを用意してくれるって話しなのに」と言う。ミケは一瞬ビクッと体を揺らし、数秒硬直した後、「よ、よく考えたらw、そんなに急ぐ用事じゃなかったにゃあ」と複雑な顔をした。「あら、あら、ミケ、あなたのその、食い意地が張ってる所、好きよw」と所長は邪悪な笑みを出す。そして、俺たちは揃って事務所を後にして、歓楽街を歩く。普段はミケとよく一緒に歓楽街を歩いているが、所長とは数回位しかなく、何か新鮮な気分だ。所長を先頭に数分歩くと、風俗店が入っているビルとビルの合間の路地に入る。こんな所に神通力が手に入る場所があるのか?、確かこの先を抜けると反対側の歓楽街に出るだけだが?。俺は困惑しながらも所長の背中を見ながらついて行き、暗い路地を歩き、隣のミケをチラッと見ると、顔が真っ青になり、歯がガチガチと鳴らしていた。「ミケ!?、大丈夫か?」と俺はすかさずミケに声を掛ける。「だ、大丈夫にゃあ・・」とミケは声を震わせながら応える。どう見ても大丈夫じゃない・・。俺は所長に尋常ではないミケの様子を報告しようとした時、「着いたわ」と所長は立ち止まる。俺は目を丸くして、「馬鹿な!、この先は反対側に抜けるだけの筈?神社なんてある筈がない!」と驚く。俺たちの目の前には大きな木々が生い茂り、赤い鳥居がそびえ立ち、石畳を挟んで狐の像がお互いを見つめる様に建っていて、それが一定間隔で神社の本殿まで続いていた。

 

 俺が驚愕の表情をで固まっていると、「あら、あら、志村君、驚くのは無理も無いわねw、ここは狐の化け者の数あるテリトリーの一つよ、部外者には気付けない様に細工をしているのよ」と所長はこの場所を説明。謎が多く、得体の知れない所長だが、今の話しぶりから狐の化け者とようやく俺は確信をした。「そうなんですか・・じゃあ、俺が見ていた歓楽街の雑居ビル群の一部は幻って事ですね」と俺は所長に確かめる。「ご名答!、そうなのよw、でもそれを認識できるのは化け者で狐の一族と、この場所に招待されて一度でも踏み入れた者だけよ、志村君はもうこの神社を外側からでも認識できるはずよ」と所長は俺の推測を肯定して、信頼度が一段階上がった様な、お墨付きを俺にくれた。次に、この通りを通る時は楽しみだなw、どんな風景が拝めるんだろうか?。「それでは、志村君、行きましょうか!」と所長は俺に先を進む事を促し、「はい!」と俺は快諾した。鳥居の前で所長は静かに一礼し。俺もそれに見習い一礼。所長は鳥居の端に寄り潜ると、俺も同じく端により続いて潜る。石畳を数歩歩くと、後ろから「ボフッ」と音がした。俺は反射的に振り向くとミケが猫の姿に戻っている。「ミケ?、どうした?」と俺は尋ねる。しかし、ミケが口を開く前に、「あら、あら、ここは狐のテリトリーだから、私たち以外は人の姿を維持できないのよ」と所長が言い、「そういう事にゃあ」とミケが肯定しジャンプして俺の肩に乗る。「ちょっ、何だミケ?、重いから肩に乗るなよ」と俺はミケの行いに抗議。だが、ミケは俺の言葉を無視して、そのまま辺りを伺い警戒をする。やはり、先程から様子がおかしい。「所長、ミケの様子がおかしいんですが・・」と俺は所長と並び石畳を歩きながらミケの様子を報告。「フフw、あら、あら、ミケ、前回の事が余程トラウマになったのねw」と所長はミケに嘲る(あざける)。「他人事みたいに言わないでにゃあ、あたいは、あの時、双子の小悪魔に蹂躙されたにゃあ!」とミケは珍しく所長に声を荒げ、「一応、聞くけどにゃあ、あの双子は今日は居るのかにゃあ?」と尋ねた。「あら、あら、ミケ、愚問ね、いるに決まっているじゃないw」と所長は不気味な笑顔。「な、何か腹の調子が悪くなったので帰りたくなったにゃあ」とミケは更に怯えた時、俺の肩からミケの重さが無くなった。「あれっ!?、ミケ?」と俺は肩に乗ったミケに視線を移すと忽然と姿が消えている。すると、「あら、あら、姪たちよ、お姉ちゃんになったわね」と所長が誰かに声を掛けた。俺はすかさず前を見て驚く。前方には、何というか、所長をそのまま幼くさせた感じの、小学一年生位で赤と白の巫女装束を着て、黒髪のおさげをした、瓜二つの双子の女の子がいたのだ。そして、双子の片割れの腕にはミケが抱きかかえられて、恐怖で固まっていた。双子の女の子はニッコリ笑い、「おばさま、ごきげんようです!」と所長にハモりながら挨拶をした。「あら、あら、ごきげんよう」と所長は双子に挨拶を返し、「にゃにゃ!、双子の悪魔にゃあ!!、志村、助けてくれにゃあ!」とミケがようやく恐怖の硬直が解けて、慌てふためく。「フフw、三毛猫さんw、前の続きをしましょうw」と双子の片割れが言い、「そうしましょうw」ともう一人の双子が賛成し、双子はくるっと向きを神社の方へ向き走って行く。「誰かー!!、助けてー!!!」とミケはめい一杯叫ぶが、遠ざかるにつれ声が段々と小さくなってくる。その様子を呆気の取られながら見ていた俺は、はっとなり、「あ、あの、ほっといて大丈夫ですか?」とミケの心配をする。「あら、あら、志村君、心配無用よ、我が姪たちは日進月歩、日々成長をしているわ、前の様に無茶をしないわよw」と所長は自身満々で言う。ミケの事が気がかりだったが、俺は所長を信じて神社の本殿へ進む。本殿に行く道すがら、両脇の狐の石像が俺を見ているような感じがして、妙な気配から緊張し、ゴクリと唾を飲み込んだ。ようやく本殿の前にたどり着くと、大きなお賽銭箱に、これまた、大きな油揚げがお供えがされていた。所長は、「皐月!(さつき)、帰ったわよ!」と本殿に声を掛ける。本殿の中からドタドタと床を歩く音が近づき、賽銭箱の前にある戸が開き、黒髪のポニーテールに紫の袴を着た、神主と思われる麗人が出てきて、「まあ、まあ、お姉さま!、お帰りなさいませ!、相変わらずお綺麗だこと!」と所長に親しげに言った。

 

 親しげに所長に話しかける彼女の顔を見て、俺は内心驚く。何故ならその顔は、瓜二つまでとはいかないが、所長に限りなく似ていたからだ。「あら、あら、皐月、これはご丁寧にどうも、そちらこそ御息災かしら?」と所長は親しげに皐月と呼んだ所長似の神主に近況を訪ねる。「変わりはありませんわw、水無月と葉月なんて元気が有り余って手を焼いてますわw」と皐月と呼ばれた神主は答えた。「志村君、紹介するわね、彼女は私の妹の皐月よ」と所長は俺に皐月と呼ばれた神主の素性を明かす。「えっ!?、妹さんですか?、所長に妹さんがいる何てビックリです!、あっ、志村という者です、お姉さんの元で働かさせていただいています」と俺は驚きつつ自己紹介。「まあ、まあ、これはご丁寧に、皐月です、当神社の神主をしています」と皐月も自己紹介をしてきた。「さあ、さあ、二人共、どうぞご遠慮うなさらずにw、お入りください」と皐月は神社の本殿へ入る事を促す。「志村君、それではお邪魔させてもらいましょう」と賽銭箱の裏にある石段にハイヒールを脱いで本殿に入り、靴を外側に向けて置く。俺も所長を見習い同じようにスニーカーを外側に向けて置いた。神社の本殿の中は澄み切った空気が充満していて、凛とした気持ちになる。まるで鏡の様に磨かれた床の先には、ご神体を祀られている神殿があり、その前に緑の座布団が三つ置かれていて、お盆に急須とポット、それから饅頭の様なものがあった。俺は所長の後を歩き、彼女が座布団に太ももを斜めにして、いわゆる女の子座りをする。タイトスカートでは正座はきついから仕方がない。所長の綺麗な太ももが露わになり、俺はそれを横目に隣にある座布団に座る。皐月は俺たちが座った事を確認すると、ポットからお湯を出し、急須に入れると爽やかなお茶の香りが辺りを包み、それから湯飲み茶わんに注ぐ。おもむろに皐月は膝で立ち、「どうぞ」と俺たちに、それぞれ湯飲み茶わんを差し出す。「あら、あら、皐月、ありがとう」と所長は礼を言い、湯飲み茶わんに手に取り一口、俺も少し遅れて「どうも」と言い、お茶を口にした。玉露と言う奴だろうか?、俺の人生の中で間違いなく一番美味しいお茶だ。「では改めて、お尋ねしますが、こちらの志村さんに神通力を授けたく、本神社に参ったのですね?」と皐月はお茶を一口、「ええ、その通りよ、志村君に神通力を獲得してもらい、今後の仕事で起きる危険な場面で、自衛に役に立ててもらいたいのよ」と所長は俺が神通力を必要としている大まかな理由を説明。「まあ、まあ、確かにお姉さまと行動を共にしていると危険がいっぱいですからねw、承知いたしました、それでは儀式の準備に取り掛からせていただきます」と皐月が納得して、準備に取り掛かるために彼女が立ち上がると、本殿の俺たちが入った戸とは別の戸が開き、例の双子がドタドタと入って来た。「こらっ!、水無月!、葉月!、本殿は走らないの!」と皐月が双子の彼女たちに怒る。だが、「ハイです」と返事は良いものの、反省の色は皆無で走り続け、そのまま俺の前まで来た。そして、「反応が無くなって、面白くないのです」と双子の片割れが俺に、赤ちゃんが全身を包んだ様な服、いわゆるカバーオールという、真っ赤な服を着た何かを俺に手渡そうとする。赤ちゃん人形かな?、この年頃の女の子はこういうもんが好きだもんなw。「ごめんね、俺はおもちゃを直せないよw」と双子の彼女たちの申し出を断った。しかし、「おじさんはこれの持ち主でしょ?、返すです」と尚も俺に押し付けようとする。「お、おじ!?」と俺は困惑しながらも、それを受け取り、赤ちゃんを抱きかかえるように仰向けにして顔を覗く。それは、ミケだった。「ミ、ミ、ミ、ミケ!?」と俺は驚愕する。猫に無理やりおしゃぶりをさせ、カバーオールを着させた様だ。ミケの目は光が無く、様子がおかしい。「おい!ミケ!大丈夫か?」と俺はミケの体を揺すり、おしゃぶりを取る。ミケは少し反応して、「・・志村?、ここは何処かにゃあ」と惚けた感じ。「よしっ、今このふざけた服を脱がせてやるからな」と俺はミケの服に手をかけると、硬いものがお腹に数個ある感触がした。

 

 俺は恐る恐る、ボタンをはずして、確認をすると、乳首に洗濯ばさみが挟んでいた。「うわああ!?、酷い事をしやがる!」と俺は懸命に洗濯ばさみを取る。その光景を見ていた所長が「あら、あら、これは一本取られたわねw」と呑気に姪のたちの凶行に感想を呟く。その他人事の仕草に俺の頭に血が上り、「一本じゃねえよ!、ミケの尊厳が根こそぎ持っていかれてんだよ!、見ろよこの目を」と俺は怒鳴りながらミケを所長に見せる。「あら、あら、志村君、それは言い得て妙だわね、その言葉は機会があったら使わせても貰うわ」と所長は尚も態度は変わらず。「あんたの時々出すサイコパス全開はこえーよ!」と俺は所長を非難。「あら、あら、志村君、フフw、どうやらご立腹の様ね」と所長は俺に言う。「当たり前だ!、仲間ですよ?、所長は何も感じないんですか?」と俺は上司として、同僚として、仲間としての振舞を所長がするべき事を問う。「志村君・・私のつらい立場を考えてよ・・、身内通しトラブル、所長、悲しいわ・・」と所長は白くて細い指で顔を覆い、体を震わす。どうやら泣いている様だが・・・。「所長・・ウソ泣きをしても無駄ですよ、あんたはこの状況を楽しんでいる、もうその手は通用しませんよ」と俺はジト目で所長を見据えた。俺はこのウソ泣きで何度もひどい目に遭わされてるのだ。「フフフフw、手強くなったわねw、仕方が無いわねw、姪たちを擁護する訳じゃないけど、最近のおままごとはリアル志向なのよ!、お子様はよく大人の行動を観察しているのよ、微笑ましいじゃないw、だから今回の事は水に流してくれたらありがたいわ」と所長は開き直り、とんでも理論を展開。「あの・・、その方向で行くと、あんたの妹は洗濯ばさみを乳首に挟んでいる事になるんですが・・、嘘の方向、合ってます?」と俺はこの期に及んでまだ楽しもうとするサイコパス女に追撃。すると、「わっ、私は洗濯ばさみを挟んで喜んでいません!」と皐月が真っ赤な顔で俺たちの会話に割って入ってきた。実の妹から背中から撃たれ、嘘の取っ掛かりを失い、「あら、あら、これは私の負けねw、これ以上の戦線を広げるのは得策じゃないわね」と所長は戦略的な撤退。所長との舌戦は辛うじて俺の勝利した訳だが、何気に初勝利だった。「志村、あたいのために怒ってくれてありがとうにゃあ・・」とミケは俺に礼を述べる。「ミケ!?、大丈夫か?」と俺はミケの体調を気にした。「大丈夫にゃあ、ちょっと風に当たって来るにゃあ」とミケはカバーオールを着たまま、双子が入って来た戸の方へトコトコと向かう。「ミケ!、そっちは外じゃないぞ!」と俺はミケを制止させようと言う。しかし、「あら、あら、志村君、大丈夫よ、ミケはこの神社の家猫だった時期があるのよ、だから、勝手知ったる他人の家よ」と所長は俺にミケの事情を説明。「そうなんですか・・」と俺はミケの後ろ姿を見送くり、その姿はまるで赤ちゃんがハイハイしている様だった。

 

 一つの騒動が一応の終わりが見え、「それでは、改めて、儀式の準備をしますので、お姉さまたちはここで寛いでくださいませ」と皐月は言い、本殿から去り、俺たちはお茶を飲みつつ、饅頭を食べて時間を潰す。その間に双子たちがミケにまたちょっかいを出そうとしたが、さすがの所長も、お尻から大きいこげ茶色の尻尾を出し、双子をくるっと巻き付けて拘束して阻止。それから、自分の膝まで手繰り寄せ、座らせ、ぎゅっと抱きしめて耳元で何やらぼそぼそと耳打ちをすると、双子たちは神妙な顔つきになり大人しくなった。10分位経ち、「お待たせしました、どうぞ、儀式の間に案内いたします」と皐月が戻り言う。俺たちは皐月の後に続き、長い廊下を歩くと、地下に降りる階段が現れ、それを降りる。階段を降りると石を積んだ石垣の様な回廊が続いており、ヒンヤリとした空気が流れていた。さらに進むと、重厚な木の扉が出現。皐月は扉に手をかけて押すと、「ギギギギ」と不気味な音を出し開く。扉の向うは正方形の部屋で、四隅にには電球が付いていて、真ん中にはしめ縄が巻かれた、平べったい大きな石ある。皐月は振り返り、「さあ、さあ、お入りください」と俺たちに入室を促す。俺たちは素直に入り、皐月はそれを確認すると、「志村さん、いいですか、これから儀式に移りますが、あなたは真ん中の石の上で座禅を組んで目を閉じてください、そして、ここからが重要なのですが、一度、受け賜った神通力は取り消しが出来ません」と皐月が儀式の説明。「はい、それは所長に聞いてます」と俺は言う。「よろしい、それでは志村さん、石の上へ」と皐月はしめ縄が巻いている石を指す。「はい」と俺は返事をし、石に上がり座禅を組み目を閉じた。「それでは儀式を始めます、志村さん、儀式中は何があっても目を絶対に開けないでくださいね」と皐月は言い、「えっ、あ、はい」と俺は突然の警告に困惑しながら了承。「あら、あら、志村君、頑張って!」と所長の声がして、「ファイトです!」と双子の声援が続く。そして、「姪たちよ、母の神楽舞をよく見るのですよ、いづれあなた達が行う事になるのですから」と所長は姪たちに言い聞かせている。「はいです」とハモッた返事がして、シーンと静かになった。俺は耳を澄ませていると、「ばさっ、ばさっ」と紙が擦れる音がし、「畏み畏み申す(かしこみ、かしこみ、もうす)、八百万の神々よ我が声を聞き入れたまえ」と皐月が言う。その後また、「ばさっ、ばさっ」と紙が擦れる音がし、「願わくばこの者に、神の児戯を授けたまえ、畏み畏み申す」と皐月が言った瞬間、俺の周りの空気が変わり、「シャラシャラ」と金属の音が近づいて来くる。音は俺の鼻先五寸ぐらいで止まり、何やら物凄い近くで見られているような視線を感じた。所長?、皐月さん?、誰だ?。気配は金属音を鳴らせながら周りをグルグルと回り、突然、ふっと耳に息を吹きかけきて、「ひゃっ」と俺は間抜けな声を上げてしまった。儀式の間にいた面子でこの様ないたずらをするのは所長ぐらいだ。「所長ですか?、止めてください」と俺は言う。すると、「フフッ」と知らない女性の声がした。だれだ?、今の声は知らない声だ・・。俺は緊張で冷汗が背中を伝わり、手は汗ばんでいて、何の前触れもなく誰かの手が俺の手を強引に開き、硬い何かを握らせてくる。「あっ!?、えっ!?」と俺は混乱して再び間抜けな声を上げ、「フフッ、小心者よのうw、だがそれがいいw」と女性の声がした時、「志村さん!、儀式は終わりましった、お疲れ様です」と皐月が俺の肩を叩く。「えっ、終わり?」と俺は閉じた目を開け、自身で握られているものを確認。それは駄菓子屋でよく見る半透明でプラスチックの水鉄砲だった。「おわっ!?」と俺は思わず水鉄砲を落とす。皐月と所長はその様子に反応して、近づく。所長はおもむろに俺が落とした水鉄砲を拾い、「あらw、あらw、志村君!、おめでとう!!、これは神器だわ!」と所長は珍しく興奮して顔を高揚させる。「志村さん、凄いですよ!、私、神器を受け賜わったお人を初めて見ました!」と皐月も興奮。「そ、そんなに凄いんですか?」と俺はイマイチ実感が伴わない。「凄いも何も、ガチャで言う、SSR級を超えたものよ!」と所長は興奮冷めやらぬ状況。それを双子の姉妹が見て、「脳汁ドバドバですw」と、どこで覚えたのかハモって所長を茶化す。「あら、あら、姪たちよ、言うわねw」と大人の余裕だろうか、所長は軽くいなし、興奮が冷めて落ち着きを取り戻した。

 

 「はぁ」と所長は一呼吸をし息を整え、「早速、どんな能力があるのか庭で確かめましょう!」と言い、表に出る事を提案し促す。俺はそれに対して、「はい!」と快諾。俺たちのやり取りを見届けた皐月は、「では二人共、私に付いて来て下さい」と俺たちを先導する。俺たちは儀式の間から出て、神社の神主が所有しているプライベートの庭に通された。庭は、苔と紅葉しているモミジが美しく、庭に面している縁側はそれらを鏡の様に映し、古都にある有名なお寺にありそうな庭だった。「すごっ!」と思わず俺は言う。「あら、あら、志村君、我が狐一族は古都からの流れを汲む者たちなのw、庭の風景は我らのルーツを表現しているのよ」と得意げに所長は語る。「まあ、まあ、お姉さま、それは大袈裟すぎですわw」と皐月は満更でもない様子。「それでは、早速、試してみましょうか!」と所長は俺に水鉄砲を使う事を指示。「はいっ」と俺は元気に返事を返し、「はっ」と気合を入れて水鉄砲の引き金を引く。水鉄砲から水が勢いよく出て、二メートル位で勢いが無くなり地面に落ち、苔に吸い込まれて消える。・・・・・・あれっ?、普通の水鉄砲だ・・。俺は気を取り直し、「それっ!」と再び引き金を引く。だが結果は同じで、何の変哲もない水鉄砲。俺はやけくそ気味に水鉄砲の引き金を何度も引くと、一向に水は無くならない。「あの・・これは?」と俺は事態が飲み込めず所長に尋ねる。「あら、あら、志村君、どうやら神器のハズレ枠を引いてしまったようねw」と所長は、まるでゲームで多々あるレアアイテムだけど、まるで役に立たないアイテムの事を言う。「ハズレ枠?、じゃあ、これは水が無限に無くならない水鉄砲という事ですか?」と俺は確認。「その様ね」と所長が肯定し、「まあ、まあ、志村さん、ごめんなさいね、お力になれなくて・・、神様は気まぐれですから、前向きに行きましょう!」と皐月は俺を慰めた。だが、意外と俺の中ではショックが大きく、しょんぼりして、庭に苔むした岩に腰を下ろす。最初は神器と言われ浮かれ、いざ確かめるとハズレ神器だと分かり落ち込む。短時間で起きたこの落差は、結構きつい。俺はおもむろに見上げると紅葉が始まったモミジと青空の見事なコントラストに、「ああ、綺麗だな」と力なく呟く。それを見続けているとモミジの枝が揺れたと思ったら、三毛柄の物体が降って来て俺の膝に着地。ミケだった。「ミケ、こんな所にいたのか」と俺はミケに言う。「風に当たって、気持ちが幾分か晴れたにゃあ、それより、どうしたにゃあ?」とミケは俺に尋ねた。「神器を受け賜わったのは良いけどさ、何か、ハズレだったみたい」と俺は再び空を見る。「そうかにゃあ、それは残念だったにゃあ・・、でも腐っても神器にゃあ、そのありがたいお水であたいの喉を潤して欲しいにゃあ」とミケは俺に向かって口を開けた。「フフっw、分かったよw」と俺は水鉄砲の銃口をミケの口に向けて引き金を引く。「おうっw、霊験あらたかな水は美味にゃあw、出来ればミックスジュースは出てこないかにゃあw」とミケはわざとらしくおどける。俺を元気づけようとしたその仕草に少し鼻がツーンとして、「ははっw、こいつめw、じゃあ、ミックスジュース入りまーすw」とミケの茶番に乗る。そして引き金を引こうをした時、水鉄砲の中身の水が乳白色に変化して、「えっ!?」と俺は驚いたが引き金を引く手は止められず、その液体はミケの口の中に入った。すると、「おおおw、美味にゃあw、フルーティな味が絶妙にゃあw」とミケは驚きつつも、水鉄砲から出た液体を絶賛。「マジか?、じゃあ」と俺は早速、水鉄砲を持ち換えて、自らの口に流し込む。「おおw、紛れもなくミックスジュースだw、美味しい!」と俺は感動して笑顔になる。「あら、あら、志村君、随分と面白い感じになっているじゃないw」と傍観していた所長が傍に来て言い、「私たちも飲みたいです」と双子の姉妹も来て、口をあーんと開けた。だが、「まあ、まあ、娘たちよ、そんなはしたない事は許しません」と皐月は我が子をたしなめる。双子の姉妹はしゅんとし、俺は少し不憫に思い、「あの、コップとかありませんか?、それなら良いですよね?」と皐月に打診。「まあ、まあ、それは名案ですね、少々お待ちを」と皐月は我が子達に気を掛けられたのが嬉しかったのか、笑顔でコップを取りに行った。

 

 俺とミケが交互に水鉄砲から、ミックスジュースを飲んで楽しみ、それを大人しくジーと見続ける姉妹。そんな中、所長は注意深く水鉄砲を見ていて「志村君、水からミックスジュースに変わった時の状況を覚えている?」と俺に尋ねる。「ええ、ミケがミックスジュースを飲みたいなってリクエストされたので、俺がミックスジュースですって宣言した後ですね」と俺は答える。「じゃあ、別の飲み物で再現してくれる?」と所長が俺に再現を要求。「あっ、はい、じゃあ・・コーラでーす!!」と俺は宣言して引き金を引く。しかし、ミックスジュースのままだった。「あれっ!?、ちょっ、何故だ?、コーラ!!」と再び宣言して引き金を引いたが変化は無し。その様子を、「・・・・・・」と無言で見ていて、口を開き、「志村君、確かめたい事があるので、そこに立っていてくれない?」と俺に立つことを指示。「はい」と俺は返事をし、「姪たちよ、ミケを抱っこしてあちらに退避してくれないかしら?」と所長は姪たちとミケを下がらせた。所長は姪たちとは反対方向に下がり、モミジ林の前に立つ。「じゃあ、ちょっと確認するわね」と所長は言う。俺は無言で頷き、少し緊張しながら直立。「あら、あら、神様って、何で人前に出ないのかしらねw、きっと私のような美人と出くわすと、惨めになるぐらいの不細工なのよねw」と所長は芝居がかった調子で独り言のように大きな声で呟く。すると、水鉄砲の中が透明になりボコボコと泡が立ち、引き金に掛けていた人差し指が勝手に握り込み、俺が使った時とは比べ物ない位の威力で水が轟音と共に銃口から噴き出す。その威力は当たった地面が抉れてどんどん穴が深くなる位だ。「ちょっ!?、所長!、手が勝手に!」と俺は左手で右手の人差し指を上げようとした。その時、俺の右手が勝手に所長の方へ横薙ぎ一閃。所長は体制を屈めてかわし、後ろのモミジの幹の真ん中から、ズルズルとスライドする様に動き「ドシン」と土煙を上げて倒れた。「あ、あ、あ、」と俺は言葉を無くし、「あら、あら、これは警告って事かしらw」と所長は呑気に笑う。「どうしたんです!!」と轟音を聞いたのであろう、皐月が血相を欠いて来た。「あら、あら、妹よ、ごめんなさいねw、大切なお庭を壊してしまったわw」と所長は皐月に反省の欠片も感じない謝罪をするも、こんな事はしょっちゅうなのか、皐月は少しも驚かず、「いえ、お庭はまた直せばいいです、それより、あの子達は?」と辺りを見渡し、縁側に座っている姉妹を確認するとホッとした顔。そして、所長は俺の元へ来て、「あら、あら、これは厄介な代物ね」と言う。「あの・・、これはどいう事ですか?」と俺は自分が受け賜わった神器に恐怖しながら尋ねる。「恐らくだけど、この神器を通して、あちらの神様に声が筒抜け何だと思うわ」と所長は推測。「筒抜け?、じゃあ、さっきミックスジュースに変わったのは俺たちの会話を聞いて気まぐれに変えたという事ですか?」と俺は自分なりの解釈を言う。「そうだと思うわ、そうね・・、志村君、その水鉄砲に話しかけてコーラにして貰ってくれる?」と所長は俺の解釈を肯定し、最終確認を指示。「はい・・、神様、俺の上司がとんでもない無礼を働いてしまい、大変申し訳ありませんでした、本当におこがましい事でございますが、コーラに変えてもらえませんでしょうか?、よろしくお願いします!」と俺は慣れない丁寧語を使い神様に要求をした。

 

 数秒の沈黙の後、俺が手にしていた水鉄砲が黒く染まる。俺は恐る恐る水鉄砲の引き金を引き、掌に向けて発射し、それを舐めた。正しくコーラだ。「あら、あら、志村君、これで確定ね、この神器は神様の気まぐれに左右されるみたいね、これからの課題はその神様と何とかコミュニケーションをとって親交を深める事だわ」と所長は言う。「親交って、どうやってするんです?」と俺は困惑しながら尋ねる。「あら、あら、志村君、それはあなたが探すのよ、あなたの神器なのだから」と所長は俺を突き放す。「そんな・・」と俺は途方に暮れる。「まあ、まあ、志村さん、これはある意味、光明が見えて来たって事じゃないですか?」と皐月は途方に暮れている俺に鼓舞をし、「そうですか?、そうですよね!」と俺は気持ちは前を向いた。俺に気持ちがある程度決着が付き、場の空気が和んだ所で、「それでは、お食事の用意をしていますので、会食の間にて我が神社に伝わる極上のきつねうどんを食べて頂きます!」と皐月は皆に向かって宣言。「うおお!!、これを待っていたにゃあ!」とミケの目がらんらんと輝く。「あら、あら、ミケ、お調子者ねw」と所長が言い、「ドン引きー」と双子の姉妹が続いて言う。「うるさいにゃあ!、食べ物に執着をするのは生きるものとしての正義にゃあ!」とミケは己の哲学を皆に主張する。その場にいた皆はその主張に大笑いをし、秋晴れの大空にこだました。

 

 


 今回ご紹介する曲は、作詞作曲、更になんと!、曲中のコーラスなど全てNoz.さんによる、スノウネオンです。

 

 雪の香りが混じった空気が私の鼻孔を刺激する。電車の車窓から見る街の景色は、クリスマスの様相を呈していて、嫌でも意識をしてしまう。今までの私の人生は、縁の無かったクリスマスだが今年は違うのだ。電車から降り、改札口を通過すると、一人の女性が私の手を振っている、今日の彼女は格別に美しい・・。彼女と手を繋ぎ駅を出ると、街はクリスマスソングを奏で、粉雪が舞い、まるでこの世界の全てが私たちをもてなしている様だ。今日と言う日は忘れられない日になりそうな気がした。

 

 本曲は、クリスマスを題材に、その聖なる夜に起きた出来事を彼氏視点で紡ぐ歌を鏡音リン、レンさんが交互に歌います。

 

 本曲の題名、スノウネオンは、恐らくですが、クリスマスシーズンになると街を彩るイルミネーションとそれに付随する飾りを意味していると思われます。本曲での意味合いは、クリスマスを過ごした恋人たちの記憶にはイルミネーションと共に甘い情事が重なっているという意味合いが込められていると思いました。

 

 

 ちょっと早い、クリスマスソングでしたが、どうでしたか?。自分は、ムード満点の歌詞が、凄く良かったと思いましたよ!

 

 本曲、スノウネオンは、クリスマスと言う聖なる夜に起きた情事を、ムード満点で、利き手にその風景が手に取る様に浮かぶ感じがする秀逸な曲だと思いますので、是非!本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

鏡音リン・レン