煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

嘘で踊り狂うVOCALOID曲

 

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 小林製薬の紅麴原料(こうじげんりょう)にから作られたサプリメントを摂取した方々が、体調不良や入院、はたまた死亡するという事態が起きましたね。サプリメントなどの健康食品を買い求める方々は、健康志向が強いと思いますが、まさか、逆に健康を害するとは夢にも思わないですよね。自分は幸いサプリメントなどとは縁遠い自堕落な生活をしていますので、今回の件は高みの見物とお気楽な気分で事態を見守っていました。しかし、紅麹は食品の着色料として様々な食品に使われていていると知って、驚きと共に頻繁に食べている牛丼の上に掛ける紅ショウガは大丈夫か?と思い、調べたところ・・・赤102という合成着色料でホッと安心しましたよ。今回たまたま大丈夫でしたが、事態が落ち着くまで取り敢えず赤い食品は避けよう思います。

 

今回のお品書きです

 

 

煮干しがお送りするちょっとした物語

 

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 人の言葉を理解し操り、人の姿に化ける動物、通称化け者が跋扈し、八百万の神様が気まぐれに騒ぎを起こす国がある。しかし、皮肉にもその国の人々はその現状を知らず、極限られた者たちだけが認識をするに留められていた。そして、今しがた安アパートのドアに鍵を掛けている若者もその極限られた一人。若者の名は志村、化け者との邂逅から始まり、神様との契約により、彼の目には普通の人々とは違う風景が見えていた。爽やかマッシュの髪型に、多少整えてある無精ひげ、パーカーにカーゴパンツにスニーカー姿の志村は、スズメの歌声がこだまする朝を颯爽と歩く。昨日の深夜に振った通り雨で誕生した水たまりに自身の姿が映ると立ち止まり、自身の姿をまじまじと見て、髪型がしっかりすると印象も大分ましになるのだなと感心し、再び歩みを開始した。志村と共に道行く人々は、殆どが出勤の様相呈していて、それに気が付いた志村は少し肩身が狭い気持ちになり、足早に駅に向かう。駅に入るとスマホで改札口をパスして、稲荷歓楽街に行く電車があるホームで待機。ホームではスポーツ新聞を読みふけるサラリーマン風の男、スマホを片手に電車を待つOL、電車が来る方をじっと見つめる制服を着てランドセルを背負っている子供、様々な人が目的地に向かう電車を待っていた。数分もすると電車が到着し、志村を含めた人々は電車に乗り込む。志村はいつも通りドアに寄りかかり景色を眺めた。電車に揺られる事御おおよそ10分、「まもなく稲荷歓楽街、稲荷歓楽街です、お出口は左です」と車内放送が流れ、志村は寄りかかるのを止めてドアが開くのを待つ。ドアが開くと、志村を含めて少数が電車から降りる。稲荷歓楽街駅は歓楽街の最寄り駅という立地から、ピークは午後三時過ぎからであり、午前にこの駅を利用する人は稀であった。駅から数人と共に出て来た志村は迷わず目的地に向けて歩く。歓楽街は夜とは違いシーンと静まり返り静寂に包まれていて、「シャー、シャー」とほうきがアスファルトに擦れる音だけがした。稲荷歓楽街にある風俗店を含めた稲荷商工会に所属している面々は、営業後の朝方に当番制で掃除をする事が義務付けられている。そして、キャストや末端の従業員ではなく店長クラスの管理職がする事になっているのだ。リズムよくほうきを操る男をしり目に志村は突き進み路地の前に止まる。薄暗い路地の先に森が見え、志村は少し緊張しながらゆっくりと進む。志村はこの先にある稲荷神社に用がある。その用とは?、それは彼はひょんな事から稲荷神社で神器を受け賜わった事から始まる。神器を受け賜わって数日後、志村のアパートに送り元不明の荷物が届き、彼宛てのその荷物の中身には妙な家紋が入った風呂敷と、電話番号が記された紙が一通入っていた。志村は困惑しながらも、これは人外の者からだと予感がし、用心のために上司であり雇人である所長立ち合いのもと公衆電話からまず連絡をする。すると、連絡先は志村に授けてくれた神様だと判明。所長から取り敢えず素直に要求に応えた方が良いとアドバイスされた志村は神様からの奇妙な要求に応え続けた。東に絶品炒飯があればそこに行き、西に極上ステーキがあればそこに行き、何とか要求に応えた志村であったが、今回の要求に大苦戦を強いられる。今回所望する品は、極旨コロッケとコロッケマスターなるソース。極旨コロッケの狐コロッケはいとも簡単に発見したが、もう一つのコロッケマスターは皆目見当つかない。暗礁に乗り上げ、今回はペナルティを受けると覚悟を決めた志村であったが、同僚であり化け者で化け猫に属しているミケから思わぬ情報がもたらされる。ミケは稲荷神社の家猫であった時期があった。その時にみけは稲荷神社にいる皐月親子が件のソースを使っている所を目撃したという事らしい。志村は藁をも掴む思いで、ミケからもたらされた情報にすがり、日を改めて稲荷神社にお伺いする事を決めたのだ。

 

 薄暗い路地を歩くとひんやりとした空気と共に凛とした霊験あらたかな神聖な気配を志村は感じ取る。先にある稲荷神社は、彼の上司で雇人である所長の実家で、神社を切り盛りしている皐月は彼女の妹。更に化け者の化け狐に属しているのだ。稲荷神社に近づくにつれ次第に志村の足取りが重くなり遂には立ち止まってしまった。つい最近の事だ、皐月の双子の娘の片割れ、水無月が無断で外出をしてしまう。母親である皐月はとある諸事情により、子供たちに対して過保護に接していた訳だが、娘の突然の失踪に半狂乱になる。そんな矢先、仕事先で水無月を発見した志村とミケは、彼女をすかさず保護した。水無月から事情を聞いた志村たちは、何とか穏便に済ますため画策をする。何とか事は収まったが、感情的に振舞った皐月と、何も考えず生意気な事を言った志村の間に気まずさが残った。それ以来お互いに合う機会は無く、ずるずると今日のその日まで来てしまい、志村はまた今までの様に接する事が出来るのかと不安が胸中に渦巻き、足を止めさせるのだった。行きたくない、出も行かなければならない・・・。そんなジレンマを抱えながら志村は、意を決して足を前に踏み出し歩き始める。路地を抜けると赤い鳥居が現れ、奥には左右に向かい合わせの狐の狛犬が続いて、真ん中の石畳が奥まで伸びていた。明らかに歓楽街とは違う空気を鼻から肺に入れた志村は、「よしっ」と小さく呟き進む。一礼してから鳥居を潜り抜けた志村は、多少の緊張を抱えながら左右に立ち並ぶ狐の狛犬たちの不気味な視線を感じつつ歩く。ようやく神社本殿が見えてると、小さい二人分のシルエットが志村の瞳に映り口元が緩む。志村は歩みを早め距離を詰めるとシルエットが像を結ぶ。現れたのは、黒いスカート身に着けて茂みに頭を突っ込んだ二人。志村はニヤリと笑い、「おはようw」と挨拶をした。二人の背中はビクッと体を震わせ、静かに茂みから頭を出すと、黒髪で三つ編みをした瓜二つの幼い女の子だった。この双子は次世代の稲荷神社を切り盛りする跡継ぎにして所長の姪であり、姉の名は水無月、妹の名は葉月という名である。姉の方の水無月が声を潜めて、「おはようです、志村のおじさん」と妙なデスマス調が語尾に着く挨拶を返し、「おはようです」とワンテンポ遅れて妹の葉月もやはり声を潜めて挨拶。志村は双子の仕草に戸惑い、「何で声を潜めるの?」とヒソヒソ声で尋ねた。水無月はニヤリと笑い、「スズメさん達が朝の砂肝接種をしているのです・・・見るです」と茂みに双子が同時に顔を再び突っ込んだ。志村は恐る恐る双子の礼に習い同じ様に茂みに顔を入れる。すると、茂みの向う側には立派な庭園があって、丁度視界の真ん中に大きな庭石が見えた。志村は注意深く見るとスズメが二三羽で懸命に庭石をくちばしで突いている。志村は思わず、「あれって何を・・・」と声を上げたら、スズメの一羽が驚きながら志村たちが隠れている茂みを見て、「ヂヂヂヂ」と鳴く。その鳴き声に呼応するう様に他のスズメたちは飛び去り、遂には一匹もいなくなる。そして、「おじさん!、ダメです!」と水無月が少し怒りながら志村に言い茂みから顔を出す。志村も茂みから顔を出し、「ご、ごめんなさい」と謝罪し、「あれって何をやっていたの?」と尋ねた。水無月は少し興奮しながら、「だから、砂肝を摂取しているのです!」と答えて、「そうなのです!」と葉月がダメ押しとばかりに言う。志村は面目なさそうに、「あっ、ゴメンw、そうだったのね、あれが砂肝を摂取している所だったんだ、始めて見たww」と最後は感心したような顔。水無月はふぅとため息を付き、「おじさんは相変わらずダメダメなのですw、そんなダメオジサンに良いものを見せてやるのです!」とまるで指導教官の様に言い、「ついて来るのです!」と葉月が続けざまに志村について来ることを促す。双子の先導に志村は茂みをぐるりと回り庭園に入ると、例の大きな庭石まで案内される。志村はその大きな庭石を見て、「あれっ!?、庭石の上部が粉っぽい・・・これは?」と粉状になった石の部分を触りそして摘まむ。志村の人差し指と親指には粉状になった白い粉が付着し、双子たちに見せる、「これが砂肝?」と尋ねた。水無月はエッヘンとばかりの態度で、「そうなのです!、スズメさん達は毎朝それを食べに来るのです」と答えた。志村は感心した様子で、「へーこれが砂肝なんだ・・・、この粉状なのは元から?」と再び尋ねた。水無月はヤレヤレといった態度で、「おじさんは何も知らないのですw、親から子へと数世代で砂肝を取るために石を突くとこの様になるのです!」と説明をし、「雨垂れ石を穿つのです!」と葉月が姉の説明に付け加える。志村は目を丸くして、「えっ!?、じゃあ・・・これは何世代もここでくちばしで突っついて出来た訳だ!」と粉状になった庭石を触り感慨深い表情。思わぬ所で雑学を学んで感動をした志村であったが、ハッと本来の目的を思い出し、「あの、今日はちょっと聞きたい事があって来たんだ・・・、コロッケマスタ―というソースを知ってる?」と神様からの所望をクリアするために双子たちに尋ねた。双子たちは互いの顔を見て、「もちろん知っているのです!」と同時に答えた。志村はその答えに笑顔になり、更にどこで購入できるか聞こうと口を開けた瞬間、「水無月!、葉月!、どこ?、おつかいを頼みたいのだけど!」と女性の大きな声が庭園に響く。三人は声の主がいる方へ向くと、そこには神主の装いに黒髪を一本の三つ編みに束ねた所長と同じような顔をした女性が立っていた。彼女の名前は皐月、双子たちの母親であり所長の妹だ。皐月は子供たちを発見するとニッコリ笑い、志村の姿を確認すると少し笑顔が引きつり、志村の方も同じように顔を引きつらせていた。このふたりは互いに気まずい感情を相手に対して抱いている。先ほど説明した少し前に水無月が行方をくらませた時だ。娘たちに対して皐月は感情的に振舞った己を志村に目撃された。皐月は数度その様な事があったが、いずれも身内だけに留めていて、志村のような赤の他人に晒したのは初めての経験だった。一方志村は事態を解決するために調子に乗って皐月に嘯き(うそぶき)説得に成功をさせた訳だが、後に所長から説得が失敗したら場合どのような事が起きるのか聞かされ、自分の浅はかさに打ちのめされる。この二人は互いに己の恥部を晒してしまい、気まずい感情を相手に抱き、どのような顔をして良いか分からず事件から無意識に会わないような行動を互い無意識にしていのだ。しかし、生活圏が被っているので、いつかは会う事になる。それが今日という日になってしまった。

 

 大人二人の不穏な空気を感じ取った双子は交互に見て、「どうしたです?」と同時に言う。志村は内心ほっとしていた。それは双子がいる分、ほんの僅かだが気まずさが軽減されるからだ。それは皐月の方も同じ事を思っていた。皐月は小走りで三人にがいる場所まで行き、ゴクリと生唾を飲み込むと、「あ、その、志村さんその節はどうも」としどろもどろの挨拶。志村もビクッと反応をして、「あっ、え、こちらこそ、生意気な事を言ってすいませんでした」と自分の至らなさを謝罪をした。そんな大人たちの態度に水無月は、「お母様と志村のおじさん変なのです」と感想を漏らし、「変なのです」と葉月も続いて同じ感想を言う。双子の指摘に皐月がくすっと笑い、「こらっ!、茶化さないのw、最近、うちの子は減らず口が多くて…」と双子の頭を撫でた。母親に撫でられ目を細めている双子の光景を見ながら志村は、「お気になさらず、元気で良いじゃないですかw」と微笑んだ。皐月は口元を押えて笑い、「まあw、そうですか?」と以前と同じように会話が出来て内心ほっとしていた。気まずさは杞憂だと互いに確信をした二人は会話が弾む。そして、双子たちが待機に飽きてきた頃、「全くw、ミケは相変わらずですねw、それより今日は当神社にどの様なご用件で来られたのですか?」と志村が訪ねて来た理由を皐月が聞いた。すると、志村でなく双子たちが、「コロッケマスターなのです」と会話に割って入る。皐月はキョトンとした表情になり、「コロッケマスター?、えっ・・・ソースのためにわざわざ?」と戸惑う。志村は慌てて、「いや、違うんです、神様に所望されまして、ミケから見たと聞いたものですから来ました」と説明。神様と言うワードを聞いた皐月は全て合点が行き、「まあ、それは大変ですね、神器絡みなら当神社は協力を惜しみません」と協力する事を志村に伝えた。志村は笑顔になり、「ありがとうございます!、早速ですがどこ行けば購入できますか?」と皐月に尋ねる、皐月はニコリと笑い、「そうですね・・・、うちの子供たちにおつかいがてら案内させます、いいわよね?」と双子たちに念を押す。双子たちは、「了解なのです!、志村のおじさんを案内するのです!」と張り切る。皐月は笑顔で、「よろしいw、志村さん、この子達のおつかい先がソースを売っている店なので一緒に行ってみて下さい」と言う。志村は頷き「了解しました!、この子たちの安全は自分が守りますのでどうぞご安心を!」と胸を張る。皐月は深々とお辞儀をして、「よろしくお願いします」と我が子達のおつかいの補助を頼んだ。このごくありふれた、母親が我が子に対して食材の調達をお願いする光景は、つい最近まで絶対見られなかった。愛する夫を失った事から始まった皐月の過保護は苛烈を極めて、子供たちを神社の敷地から一歩も出さない異常な事態になり、姉である所長も苦慮をし、ようやく双子たちを外に連れ出せたのは最近の事だった。皐月の変化に志村は大いに安堵し、「じゃあ行ってきます」と双子たちと手を繋ぎ稲荷神社の鳥居に向う。三人は遠くにいる皐月に手を振った後、鳥居を潜ると先程通った路地を進む。薄暗い路地を抜けると、歓楽街の通りには午前中なのでやはり人はまばらだった。双子たちは志村の手を解き先陣を切り、「早く行くのです!」と言う。志村は小走りで双子の後追い、彼女たちの姿に驚きながら、「えっ!?、セーラー服?」とここでようやく双子の着ているものがセーラー服だと気が付く。志村の挙動に双子たちは止まり、「似合っているのです?、これでJKなのです!」とクルクルその場で周り志村に披露するような動きをした。先ほどまでの志村はコロッケマスターと皐月の事で頭はいっぱいになっていて、双子の服装まで気が回らなかったのだ。志村は双子のセーラー服をまじまじと見て、「これって、所長に仕立てて貰った奴?」と尋ねた。双子の特に葉月の方はテンションマックスで、「ご名答なのです!、伯母様に仕立てて貰った高級セーラー服なのです!」と答える。志村は感心した様子で、「うん・・・生地が全然違う、めっちゃ高そう、やっぱ凄いな所長は」とおもむろにセーラー服の端をつまんで手触りを確かめた。葉月はニヤリと意地悪そうな仕草で、「そんなに欲しいなら、おじさんも伯母様に頼めばいいです」と言う。志村は顔を引きつらせながら、「い、いや、いいよw、オジサンは男だし、セーラー服は似合わないと思うよ」と辞退を申し出た。葉月の意地悪に水無月はすかさず、「葉月!、もうその辺で止めるです、志村のおじさんは男だから爪入りの制服なのです」と姉としての威厳を示そうとしたが失敗。葉月はクスリと笑い、「お姉ちゃん言っている事がトンチンカンなのです、志村のおじさんは制服には興味が無いから、そういう事じゃないのです」と言い放つ。水無月の顔が少しイラっとした仕草をし、「葉月、少し生意気なのです!」と喧嘩に発展する様相に、「はいはいw、もうそこまで!、仲良くしようね?、おじさん今度、所長に爪入りの制服頼んでみようかなw」と二人を立てて志村は仲裁を計る。だが、双子たちはにらみ合い、先に水無月が口を開き、「もう、こうなったら決闘を申し込むのです!」と言い、「望むところなのです!」と葉月は決闘を受け、双子たちは走り始めた。志村は驚き、「ちょっ、二人とも!、買い物は?」と追いかける。双子たちの足の速さは人のそれより早く、志村はどんどんと引き離された。志村の先の方にいる双子たちは彼岸橋を渡らず手前で曲りふっと姿を消す。こんな所で見失えば皐月に何て申し開きすれば良いのかと志村は戦々恐々とした。彼岸橋まで到達した志村は辺りを懸命に見回し双子たちの姿を探すが見つからない。志村は焦りながら見渡しが良い彼岸橋が一番高くなる中央まで走り辺りを見回すと、三途川の河原に二人の姿を発見して、志村はほっと胸を撫で下ろし河原に通じる階段に向かう。階段を降りると大小の石ころが沢山転がっている河原が広がり、今日も三途川は満々とたたえ、早くもなく遅くもない流れをしていた。三途川とは、江戸時代に島流しをする時に使用された川で、罪人がその川を下って行くと二度と戻らない事から三途川と言われるようになった。志村が双子たちの元へ着くと、水無月の投げた石は川に接触すると跳ね、一回、二回と跳ね続け遂には八回目に、「ポチャン」と川に波紋を作る。志村はその光景を見て、「懐かしいなw」と微笑む。すると、今度は葉月が石を投げて、川の水面を数度跳ね、水無月と同じく八回目に川の中に消えた。水無月と葉月は同じタイミングで地団太を踏み、「決着が付かないのです!」と同じセリフを言う。志村は笑い、「久しぶりに水切りをやるかw・・・どれ」とおもむろに足元に落ちていた薄い石を拾い上げ川に向けて投げた。志村の投げた石は勢いよく水面を跳ねて、11回程で終わる。その光景を見た双子たちは、「おじさん!、凄いのです!」と同時に称賛。志村は頭をかきながら、「いや、大したことないよw、君たちも練習をすればこれ位出来るようになるよw」と謙遜をする。水無月は足元の石を拾い上げ、「もっと上手くなるのです!」と川に向かって投げる。姉の行動に葉月も「負けないのです!」と石を投げた。双子たちの決闘がいつの間にか水切りの練習にすげ替わり、三人は数分程興じると、「ヒュッ」と風を切る音が三人の間を通り抜けて、「シュパパパ」と何かが飛沫を上げながらまるで魚が川を真横に跳ねて泳ぐ感じで。最後は川を挟んで向かい側のコンクリートに、「カツン」と音を出して、志村と双子たちがそれは石だとようやく分かる。その凄まじい水切りに双子たちは驚き、思わず狐の尻尾と耳を出して、「誰です!」と振り向く。そこには、腕を組んで仁王立ちした黒髪ツインテールでメイド服の女性。そう、彼女はミケ、志村の同僚にして化け者の化け猫だ。ミケはニヤリと不遜な笑みをし、「稲荷歓楽街にその人ありと言われた水切りミケちゃん登場にゃあ!」と宣言をする。志村は驚きながら、「水切りミケちゃん?、お前に二つ名があったのか・・・」と言う。ミケは頷き、「その通りにゃあ、もう駄猫とは言わせないにゃあ!」と石を投げる仕草。ミケは、「うにゃにゃ!」と気合を入れて石を投げる。先ほどの様に石が数えきれない程水面を跳ねて向う岸のコンクリートに当たった。双子たちは興奮しながら、「ミケお姉さま!!、凄いのです!!」と絶賛。ミケは、「それ程でもあるにゃあw」と天狗になり高笑いする。志村はミケの身体能力の高さを知っているので最初ほど驚かず、「はいはい凄いよw、自販機の補充終わったのか?」と世間話の方に促す。ミケは高笑いを止め、「まだにゃあ、あと半分という所にゃあ」と返す。双子たちは懸命に水切りの練習を横目に志村は、「仕事がある日の補充とかは、いつもどうしているんだ?」と質問。ミケはウィンクして、「仕事が終わると速攻補充をしに行くにゃあ」と答えた。志村とミケの仕事は興信所の様な仕事と化け者絡みのトラブルの解消を生業にしている。普通の仕事と違って決まった時間で終わる訳は無い。志村はえっ!?という表情をし、「仕事終わりって・・・、深夜に終わる時もあるけど・・・やっぱり本当に大丈夫か?」と心配。ミケは胸を張り、「確かにきつい時もあるにゃあ、でも、あたいは化け者にゃあ!、タフにゃあ!、昨日も言ったけど化け猫シンジゲートから補充の人員が来るまでの辛抱にゃあ!」と言う。志村は少し考える仕草をして、「じゃあ、明日から補充要員が来るまで俺も手伝うよ」と提案。ミケは目を丸くし、「マジかにゃあ!?、助かるにゅあ、少ないけど小遣い程度の給金を出すにゃあ」と喜び、「さあ!、水きりで少し汗を流すにゃあ!」と石を拾う。志村も石を拾い、「おう!、久しぶりにマジでやるかw」と張り切る。それから一時間程費やすと、ミケは自販機の補充に戻り、志村と双子たちは本来の目的に移る。思わぬ道草を食ってしまった三人は、いそいそと目的地に向かい歩き10分ほどで着く。着いた場所は稲荷歓楽街の中央からやや西にあるメイン道路に面している食材通りだった。この風俗店に囲まれた食材通りは、花、果物、お菓子、弁当、薬といった風俗店で必要な物を扱っている店が立ち並ぶ場所なのだ。稲荷歓楽街でのキャバクラ系のほとんどが、この通りになる果物屋さんで仕入れていて、フルーツの盛り合わせを提供している。双子が先陣を切る形で三人は食材通りを歩く。そのうちスーパーの様な店の前に着くと双子たちは躊躇なく入って行った。志村は立ち止まり看板を見ると、竹模様を下地にキューソースーパーと記されていた。志村はこの店に何度か入ったがコロッケマスターなるソースを見た事が無い。首を傾げつつ志村は店の中に入って行った双子たちの元に向かう。双子たちはエプロン姿の店員さんに何やら話していた。志村が近づくと、「ああ、この方がコロッケマスターを買い求めている方なのですね、ハハッw」と店員さんが志村を見て奇妙な語尾を言う。志村はその言い草に少し不快な気分になったが表に出さず、「はい、コロッケマスタ―を購入したいのですがありますか?」と尋ねた。奇妙な語尾の店員さんは、「はい、ありますとも、ハハッw」と再び奇妙な語尾。人を小馬鹿にしたその態度に志村の堪忍袋の緒が切れそうになった瞬間、「志村のおじさん、この店はネズミの化け者が経営しているのです、私たちの様な化け者じゃなければ売らない商品が多数あるのです!」と水無月が一生懸命に説明をする。水無月の説明に志村はハッとし、「じゃあ・・・、あなたはネズミの化け者ですか?」とスーパの店員さんに尋ねた。スーパーの店員さんはニコリと笑い、「はい、その通りでございます、ハハッw」と正体を認める。志村は苦笑いをしながら、そのアンタッチャブルな語尾を使う店員さんに案内されて、お店のバックヤードに入る。志村の目の前に広がっていたのは先程の店内と瓜二つの店内が広がり、違うのは見た事もない品物が並んでいるだけだった。一緒にいた双子たちは母親である皐月から手渡されたメモ用紙を見ながらテキパキと買い物かごに食材を入れ始める。呆気に取られていた志村であったが、自身の目的であるソースを探す行動に移す。調味料のコーナーに行くと、アジフライマスター、エビフライマスターと続き、棚にネズミマークでコロッケマスターと記されたソースボトルが現れる。志村は喜び勇んで手に取り、「やった!、一時はどうなるかと思ったけど・・・これでクリアだ!」と呟く。遂に神様の所望していた最後のものが手に入り、軽い足取りでレジに向かう志村。その途中に双子たちにを見かけ、「ありがとう、助かったよ!」と声を掛ける。買い物かごを持っていた水無月は、「どういたしましてなのです!」と返す。そして、志村は何気なく水無月の持っている買い物かごを覗くと、お菓子が若干多めに入っていて、自身の幼い時の記憶と被り、口元が思わず緩んだ。

 

 三人は店で清算を済ませて、店から出ると、稲荷神社に向けて帰路に着く。お買い物は家に無事に帰るまでがお買い物なのだ、志村は気を引き締めて双子たちを無事引率する事を誓い歩み始め、「じゃあ、気を付けて帰ろうね」と振り向いた。しかし、先程まで後ろにいた双子の姿は無く、少し後方にある果物屋さん兼フルーツパーラーの前にあるガラスのショーケースに、何やら顔を付けている。志村は小走りで近づき、「どうしたの?」と屈み尋ねた。双子たちはジーとショーケースに入っていいるフルーツパフェを見つめ、「美味しそうです・・・」と同時に呟く。志村はクスッと笑い、「じゃあ、食べよっか?」と言う。その瞬間双子たちは、「えっ!?、良いのです?」と確認。志村は笑顔で、「良いよw」と答えた。双子たちは喜びながら入店して、適当な席に着く。本職の果物屋さんがやっているフルーツパーラーだけに、メニューには美味しそうなスイーツが所狭しとあった。双子たちは一つのメニューをお互いで持ち、あーでもない、こーでもないと、選んでいる。志村もメニューをめくり、目についた旬のフルーツパフェを頼む事を決め、双子たちが決まるのを待つ。数分後には決まり、志村はウエィターさんを呼び、注文をして品が来るのを待つだけになった。双子たちは、ソワソワとウエィターさんの一挙手一投足を注視して、まだかまだかと期待。数分後に注文の品が来て、「遂に来たのです!!」と双子たちの興奮は最高潮に達す。双子たちの頼んだ品はゴージャスメロンスイーツの実だった。小さいメロンをくり抜き、その中に刻んだメロンとイチゴ更にホイップクリームを入れ、くり抜くために切ったメロンで蓋をして、最後はお客さん自身の手で開けてもらい食すスイーツだ。二人の目の前には、何の変哲もない小型メロンが皿に置かれている。双子たちは同時にメロンのへたを手にして取ると、中にはホイップクリームが出迎えた。先割れスプーンを手にして、メロンの中にあるホイップクリームをすくい口に入れる双子。うーんと何とも言えない至福の顔をした。余談であるが、彼女たちの母親である皐月は和菓子好きなので、洋菓子は出ない。双子たちは本当はケーキやクッキーを食べたいところだが未だにその要求を言えずにいた。志村は微笑みながら双子たちを見つつ自身が頼んだ旬のフルーツパフェを食べる。イチゴとデコポンとキュウイフルーツが盛りだくさんに入っていて、パフェグラスを見ると、まるでそれはフルーツの地層の様相。志村はその地層をフォークで慎重に崩しながら舌鼓をした。それから三人は至福の時を過ごすと、稲荷神社に向けて歩く。稲荷神社に着くと皐月が出迎えて、お茶でもと誘そわれた志村であったが遠慮して、稲荷神社親子に手を振り後にする。志村は一旦家に帰り着替えて九尾百貨店に行き、地下食品売り場にて、九尾コロッケを購入。そして、所長と一度会食をしたプレイべートが守られたボックス席がある喫茶店にて、妙な家紋が入った風呂敷をテーブルに敷く。九尾コロッケとコロッケマスターを風呂敷に乗せると、ふっとたちまち消えた。数秒後に志村のスマホが鳴り、志村はスマホを手にして耳にあて、受け口からハスキーボイスで、「ご苦労だった、正しくこれは私が所望したものだ、例を言おう」と志村に労を労う声。志村は恐縮しながら、「いえ、今回はちょっと苦戦をしましたが何とかお届け出来て良かったです」と返す。神さまはフフッ笑い、「良い心がけだ、今回は褒美を取らそう」言う。志村は動揺をして、「ほ、褒美ですか?」と不安を抱く。電話越しの神様は、「お前が喜ぶものだぞw、感謝しろよ」と通話終了。志村は辺りを見回し自身に変化が無いか確認をしたが何事もなくホッと胸を撫で下ろし、「褒美って何だろう?」と呟く。しかしその刹那、志村は咄嗟に喉を手で触る。志村はワナワナと震えていると、全身がムズムズとし始めた。ムズムズが収まり、志村は体をくまなく体を触れて確認をしたら、無いものが有り、本来有るものが無くなっていたのだ。志村はガタガタと体を震わせ、「うわーーー!!」と叫ぶ。志村の声が喫茶店中に響き、ウェイターさん、客さんは席から立ち上がり、志村のいるボックス席の方へ注目した。

 

 

ーおわりー

 

355曲目の紹介

 

 

 今回ご紹介する曲は、マサラダさんが作詞作曲から動画まで手掛けたライアーダンサーです

 

 本曲は、嘘をテーマにした曲で、嘘というネガティブで通常の生活から敬遠されるものを、踊る阿呆に見る阿呆と言わんばかりに表し、言わなきゃ損々と促す歌詞を軽快なリズムに乗せて重音テトさんが歌います。

 

 本曲の題ライアーダンサーは、造語でライアー(嘘、またはそれを言い続ける人)とダンサー(踊りを生業にする人)の組み合わせです。本曲の意味するところは、嘘に踊らされて、傷つき悩むの止めて、逆に踊らされるのでなく自ら踊ってしまおう!という開き直り全開の思考に辿り着いた者への称号みたいな感じがしました。

 

 


www.youtube.com

 

 

 今回は嘘がテーマという事で、ここまで開き直ると逆に清々しさを感じ、聴き終わる頃には嘘のイメージが少し変わりますねw。曲調も軽快でサビのパートはとても良かったです!。まあ、余談ですけど、嘘と言えば重音テトさんは嘘から始まった真を体現したキャラなので本曲はこれ以上ない程、相性ピッタリですねw(詳しくは重音テトのニコニコ大百科を参照してください)

 

 本曲、ライアーダンサーは、嘘の概念をバグらせて、聴き手の価値観をほんの少し変わらせて、今までの見方から少しずれた見方にし、日常に新たは発見が出来るかもしれない曲です。もし日常にマンネリを感じて退屈をしているのなら、本曲はお勧めですので、是非!本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

重音テト

weblio様より

ダンサー

 

英辞郎様より

ライアー