煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

眠れないあなたへ・・・VOCALOID曲

 

 こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 いよいよ新ニーサが始まりましたね。自分は去年から旧ニーサの枠で積み立ての投信で始めたのですが、当初はマイナスになり、投資信託の何が良いのかさっぱり分からず、やめようと一時は思っていました・・・しかし、去年の暮れ辺りからみるみるとプラスになり、銀行に預けるより滅茶苦茶お得じゃん!と歓喜した次第です。今現在もプラスの状態で、今年も微々たるお金をコツコツと積み立てようと思いますが、何分投資の素人ですので、この先どうなるかは実際の所、分からないので、まあ・・ニーサの話はここまで。話は変わりますが、NHK映像の世紀バタフライエフェクトという番組で放映した世界恐慌の回をたまたま視聴したんです。なんか現在の情勢と物凄く酷似している様で怖かったでのですが、あの狂気と欲望に満ちている感じが歴史的事実なのに物凄くファンタジーを感じて惹かれるものがありましよw。更に番組では、靴磨きの少年の逸話になりまして、アメリカ代35代大統領ジョン・F・ケネディの父親である伝説相場師ジョセフ・P・ケネディの事だったのを知ってびっくり!。同氏は靴磨きの少年から、訳け知り顔で株を買う事を勧められたのを契機に、皆が株を買い漁っている所を逆に売って一財を築きました。同氏は、当時の人々から蛇蝎の如く疎まれていた様ですが、自分は素直に羨ましいですねw、あやかりたいものですw。そんな面白時代である世界恐慌前のアメリカに興味がおありでしたらF・スコット・フィッツジェラルド原作映画のレオナルド・ディカプリオ版・グレードギャッビーをお勧めします。映像美もさることながら、当時の世相を忠実に表現をしていて、世界恐慌前のアメリカにおける狂気と欲望に侵された社会の一端が垣間見えますよ!。

 

今回のお品書きになります

 

 

煮干しのお送りするちょっとした物語

 

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

※題名や挿絵にBing Image Creatorを使用しました





 とある喫茶店にて、俺たちはご馳走を食べ終え、腹心地は満たされ、至福の時を過ごしていた。ご馳走が平らげられた皿が数枚と空のパフェグラスが置かれたテーブルの先には、メイド服で黒髪ツインテールの十台後半の女性がスマホを見ながらへらへらと笑い、隣には黒髪で三つ編みを四つに束ね洗濯バサミの様な奇妙な髪飾りをした少女が、バックから取り出したタブレット慣れた手つきで操作している。十代後半の彼女の名前はミケ、まるで猫の様な名前と思うだろう。実は言葉を理解し操り、人の姿に化けれる通称化け者という人外なのだ。ミケの隣にいる少女の水無月も同様に化け者である。ミケは化け猫に属して水無月は化け狐に属していて、信じられないかもしれないが、彼女達の様な存在はこの国には至る所にいるのだ。俺の名前は志村、そんな化け者たちを共に生きている。俺はスマホの時計を一瞥すると苛立ちながら、「おい!、状況の確認をしようぜ!」と焦燥感を滲ませながら言う。俺の言葉を受けミケは、「うるさいにゃあ、もう少しまったりさせろにゃあ」と俺を一瞥するとスマホに視線を戻す。俺たちは少し厄介な状況にいた。説明すると、浮気調査の出先で知り合いの娘である水無月が調査対象との接触を目撃してしまう。幼い子供がこんな所にいる事を心配した俺たちはその事を上司に報告。すると、上司の口から少女の母親が半狂乱で辺りを探し回っている事で無断で出歩いている事を知る。後から知ったのだが、彼女は父親が亡くなった過去を起因とした事情で家の敷地外に出る事を許されていない状況だった。すかさず、上司から彼女の保護を命じられた俺たちは、即座に行動に移そうとした。だが、俺は少女の無断外出の原因に気が付いてしまう。俺の目の前で呑気にスマホ弄っていて同僚であるミケが買い与えたタブレットが原因だった。水無月タブレットを使い、国内最大手フリーマーケットサイトであるウルカウで、彼女が大好きな洗濯バサミ、取り分けマニアを唸らせる一品の動物洗濯バサミを手に入れるべく交渉をしていたのだ。水無月はその洗濯バサミを手にいるために無断で家を出て行き、更に彼女の母親である皐月にプレゼントを購入する目的も同時進行させていた。保護をして母親である皐月の元へ連れて行けばいいのだが・・・彼女が家を出た経緯が障害になった。水無月の母親である皐月は俺たちの上司である所長の妹。そして、俺たちの勤め先である歓楽街の中心に座している稲荷神社の神主でもある。その二人は水無月と彼女の双子の妹である葉月を物凄く溺愛をしていて、双子の彼女達を危険に晒す存在を許さなかった。つまり、このまま連れて帰ればタブレットを買い与えたミケを始めそれを目撃しながらも、なんの報告しなかった俺まで所長と皐月二人から何らかのペナルティを受ける可能背が高い。だから、俺たちは二人に悟られず、矛盾を感じさせない嘘を使い、出来るだけ皆が被害を受けない状況に持って行くために、状況確認と今後の行動を話し合うために喫茶店にいる訳だ。

 

 ミケの状況を無視したその態度に俺は苛立ち、「おい、状況を分かっているのか?、最後の晩餐を食べたんだから話し合おうぜ?」と再びミケに話し合いを促す。ミケはめんどくさそうな顔をして、「志村、お前は神経が細かすぎるにゃあ、こういう時こそどっしりと構えるにゃあ」とあろう事か俺に説教じみた事を言う。俺はトンチンカンなその言い草に、「はあ?、ふざけんなよ、もう十分どっしり構えただろ?、ほら!、まずは状況確認」と言い返す。ヤレヤレとばかりに、「わーかったにゃあ、興奮するなにゃあ」とスマホを見るのを止めた。そして、俺たちのやり取りを聞いていた水無月は空気を呼んでタブレットをテーブルに置いて話を聞く姿勢になる。俺は咳ばらいをして、「ゴホン、あー、まずは所長は俺たちが水無月ちゃんを発見した事を知っている」と言う。すると、ミケが手を上げる。俺はミケを指さし、「はい、ミケさん」と指名。ミケは手を下げて、「皐月の現在の状況はどうなっているにゃあ?、所長から連絡を貰っているのかにゃあ?」と疑問を口にする。確かに・・・所長は俺たちの報告で知った情報をいち早く知らせていると思うが・・・。俺は腕を組みながら、「所長に連絡して状況を聞くとかは?」と提案。ミケはその提案を聞くと、「それは絶対やめた方が良いにゃあ・・・、うっかり聞くと何でそんな事を気にしているのか?と所長に問い詰められるにゃあ」と警鐘を鳴らす。俺もそうなる可能性が高いと思う。下手したら所長の事だ、そこから今回の件に絡んでいるのでは?と勘繰られるだろう。俺は腕組を止めて、「そうだよな・・・」と情報収集が暗礁に乗り上げる。俺とミケはどうする事も出来ない状況にがっくりと落胆している時に、「あるです」と妙なデスマス調の言い方で水無月が言う。予想外な所から射した希望の光に俺は、「本当に?」と驚き、ミケは、「マジかにゃあ!?」と目を丸くする。水無月は得意顔になりながら、「このタブレットで妹の葉月に連絡して状況を教えても貰うです」とタブレットを操作し始めた。俺とミケはタブレットを操作している水無月を見守っていると、水無月はハッとして、「お母様は伯母様の仕事場で大人しく待機しています・・・でも相当気が立っていて、伯母さまがなだめているです・・・」と最後は不安な顔を覗かした。水無月のもたらした情報により、皐月が俺たちの職場にいる事が分かり、更に水無月が歓楽街の外にいる事を認知している事が判明する。ミケは項垂れながら(うなだれながら)、「これで、歓楽街の端に水無月を置いて皐月に発見される策は使えないにゃあ・・・」と呟く。俺はミケの言った事に対して、「・・・何だよそれ?、お前そんな事を考えていたのか?、そんな事をしてどんな意味があるんだ?」と尋ねた。ミケは口を開き、「そりゃあ・・・歓楽街の外で発見されるより、中で発見される方が良いにゃあ」と返す。俺はその真意が分からず半笑いで、「いや、意味が分からないよw、外だろうが中だろうが一緒だろう?」と再びミケに尋ねた。ミケはため息を付き、「分かってないにゃあ・・・、皐月の怒りのボルテージは、歓楽街の外で見つかるより中で見つかる方が圧倒的に低いにゃあ」と答えた。俺はその回答に、「えっ・・・、そういうものなの?」と言う。ミケはすかさず、「そういうものにゃあ・・・普段なら所長からなだめたり、咎められたりしたら皐月は素直に聞いて通常に戻るにゃあ、でも水無月の報告によると、なだめ続けているという事は、皐月の状況は相当はらわた煮えくりかえっている状態にゃあ」と返す。流石、稲荷神社に家猫として居ただけはある、家族しか見せない顔や事情をよく知っている。俺は関心をしつつも、「仕方がない、切り替えて行こう!」と鼓舞した。ミケは頭を抱えながら、「切り替えるって・・・もう絶望的な状況にゃあ・・・、このまま事務所に水無月を連れて帰れば、なし崩し的にあたいが買い与えたタブレットの存在が公になるにゃあ・・・、もう終りにゃあ!」と絶望する。これは・・・ミケは半ばあきらめの境地に至っていてこれ以上当てに出来そうもない・・・ならば俺が一人で考えなければ。よく考えろ俺!、何かあるはずだ・・・、そうだ!、所長たちはどこで調査対象と接触したのかを知らないはず、この場所ではなく歓楽街の隣町で発見した事にすれば良い!、そうだ、これは名案だw。俺は早速閃いた案を聞かせるために、「聞いてくれ!」と絶望しているミケとその様子にドン引きしている水無月に言う。そして、瞬時に水無月とミケは俺を見た。俺は二人が利く体制になった事を確認し、「所長たちは、俺たちの報告で水無月ちゃんと調査対象がどこにいたのかは分からないはずだ、そこで、歓楽街の隣町・・・厳密には歓楽街を少し出た所で発見したと報告すればかなり状況が変わると思わないか?」と考えを披露。絶望により光を失ったミケの目は輝き始め、「それは名案にゃあ!、そうすれば皐月の怒りは、かなり減退するにゃあ!」と笑顔になるが、その隣の水無月は曇った顔をして、「何故、私がおばさんと落ち合ったのか?・・・言い訳はどうするです?」と言う。しまった・・・その事を失念していた・・・どうする?、後もう少しでそれなりのロジックが積み上がり行けそうなのに・・・、頑張れ俺!、頭をフル回転して考えるんだ!。俺が必死に考えている時、笑顔になったミケは再び絶望した表情になり、「そうにゃあ・・・、水無月と調査対象の女性と落ち合う理由は何にゃあ?、それよりも連絡手段は何にゃあ?」と頭を抱えた。感情の起伏がエキサイティングしている駄猫にイラっとしつつも俺は必至に思考の中で様々な情報に基づきトライアンドエラーを繰り返すとある事が浮かぶ。そうだ!、落ち合ったんじゃなくて、調査対象が何か落としたのを、水無月ちゃんが偶然目撃して拾って届けた事にすれば・・・矛盾はない!。俺はニコリ笑い、急な俺の笑顔に目の前にいる二人はビックと体を揺らす。ミケは恐る恐る、「志村?、どうしたにゃあ?、その笑顔はあきらめの境地による悟りの笑顔かにゃあ?」と尋ね、水無月は顔を引きつらせながら、「志村のおじさん?、ドンマイなのです!、お母様たちのお仕置きは過酷ですが、無心になって乗り越えるのです!」と俺は励ます。俺は笑い出し、「違うよw、考えついたんだよw、最良の一手をな!」と言う。水無月とミケはお互いを見る。すると、ミケは「本当かにゃあ!、それは?」とまるで砂漠で遭難してオアシスを見つけたような顔して、水無月は「本当です?、聴かせてくださいなのです!」と興味津々な顔をした。

 

 俺はフフフフと笑い、「落ち合ったんじゃなくて、調査対象がハンカチか財布を落として、それを偶然目撃した水無月ちゃんが拾って届けた事にすれば、タブレットと洗濯バサミの存在を秘匿にしたままに出来るんだよ!」と浮かんだ案を言う。それを聞いたミケは、「志村・・・お前は天才にゃあ!、これであたいは助かったにゃあ!」と懸念材料が無くなり解放されるとお腹をさする仕草をし、「ふーー、安心したら何だか甘いものが欲しいにゃあ」とメニューを取る。俺はそんな駄猫をほっといて水無月を見て、「ごめんね、ミケは助かるけど、君はどう取り繕っても皐月さんに怒られるのは避けられない、それは分かるよね?」と水無月に意志確認。水無月は頷き、「それは覚悟の上です、洗濯バサミとタブレットの存在がお母様にバレるのを避けられれば御の字なのですw」と覚悟がある事を俺に告げた。まあ、ハンカチを皐月さんにプレゼントした時点で外に出かけた事が明るみに出るのは明白・・・元から覚悟の上の計画だったのだろう。これにて、俺たちは皐月さんに対しての一応の理論武装が整う。後は水無月ちゃんたち双子が皐月さんの母性の琴線にどの位触れるかにかかっているが・・・不確定要素があり過ぎてどうなるか予想が付かない。しかし、後何か一押し欲しい・・・。俺は顎をさすり考えを巡らせていると、偶然に喫茶店の店員さんである白髪頭の老婦人が、水を振舞うため俺たちのテーブル来る。ミケは、「グッドタイミングにゃあw」と言う。ミケの言葉に老婦人の店員さんは追加の注文だと悟り、エプロンのポッケから注文伝票を取り出し、「はい、何でしょう?」とスタンバイ。ミケはメニューを見ないで、「イチゴのタルトケーキを三つお願いしますにゃあ」と注文をした。俺はすかさず、「三つも?、お前は本当に食い意地が張ってるなw」と煽る。ミケはニヤリと笑い、「いくら何でも、三つも食えないにゃあw、三人で食べるにゃあ」と俺の煽りを一笑に付す。それから、イチゴタルトが来て、舌鼓としながら俺は、「なあミケ?、あと一押し、皐月さんの怒りを鎮めるものがないのかな?」と尋ねた。ミケはイチゴタルトケーキの底にある、サクサクなクッキー生地をフォークで分割しながら、「あと一押しかにゃあ・・・あっ!、あるにゃあ、皐月は無類のお酒好きにゃあw、あたいの秘蔵のコレクションを持って行けばイチコロにゃあw」と答える。俺はブフォッとせき込むと水を飲んで、「おまえ・・・いきなり変な事を言いうなよw、子供を叱っている所にお酒を出してころっと機嫌が直るかよw、直ったら怖いわw」と返す。ミケはパクっとクッキー生地を口に放り込み、「生き物は多面性にゃあ!、一面を見てその人物の全てを知った風に思うのは愚の骨頂にゃあ」と予想外な深い言葉が返ってきた。俺はその言葉に関心をしていると、ミケの隣にいる水無月がグラスに注がれていた水を一気飲み干して、「ぷっはー」と演技がかった仕草を俺に見せつける。恐らくだが何度も目撃している、母親の晩酌姿なのだろう。俺はそれを愛想笑いで受け止めて、ミケの出した案に乗る事にした。俺たちは喫茶店清算を済ませ、歓楽街に向かう。道中で無事に保護した旨(むね)を所長に連絡をすると、ミケ所有のお酒秘蔵コレクションが保存されている場所まで車を走らせる。ミケの案内に従うと、歓楽街の南側に位置する、倉庫が立ち並ぶ通称倉庫街に辿り着く。倉庫街は歓楽街のお店で使うお酒などを始めとした物を入れておく保管場所として使われていて、開店準備の時間帯は人で賑わうが、日が落ちて営業中の現在は閑散として人影はまばら。俺はゆっくりと徐行しながら車を走らせ、ミケの案内に従いハンドルを操作して、「ミケ、倉庫を借りているのか?」と尋ねる。ミケは首を振り、「借りてないにゃあ、倉庫の様なじゃない様な・・・とにかくあたいのコレクションはあるにゃあ、あっ、ここにゃあ」と今一はっきりしない回答して保管場所を指さす。俺は首を傾げながらも、その指さす方へ視線を向ける。そこには、一見すると赤レンガ造りの倉庫に見えるが、もし訳程度に酒屋吟慈(ぎんじ)と掲げられた小さい看板が酒屋だと証明していた。この酒屋は厳密に言うと問屋で、歓楽街のお店で消費されるお酒の三分の一位を引き受けている。もちろん俺もこの店の存在を知っているが、逆に余計に分からなからず、「あれっ?、この店ってお酒を預かるサービスをしているのか?」とミケに尋ねつつ車を駐車スペースに停車。ミケはは助手席のドアに手を掛けてると俺の方へ振り向き、「ここの酒屋問屋は、あたいと同じ化け猫が経営しているにゃあ、その伝手であたいのコレクションを置かせてもらっているにゃあ」と答えて車から降りた。

 

 俺とミケがほぼ同時に車から降りると、少しワンテンポ遅れて水無月が降りて、三人横一列で酒屋の入口の方へ歩く。酒屋の出入り口には、瓶ビールの空瓶が入ったビールケースや樽ビールがうず高く積まれている。俺たちはそれらを横目に店内に入ると酒屋独特の匂いが出迎え、相変わらず棚には所狭しと各種様々なお酒が置かれていて、何故だかワクワクと心躍る感じがした。恐らくこのような場所に初めて来たであろう水無月は、キョロキョロと忙しなく見回している。ミケはテクテクとまるで我が家の様に先へ進み、レジカウンターで何やら報告書だろうか?とにかく書き物をしている店主に、「お疲れ様にゃあ」と声を掛けた。ラーメン屋よろしくなタオルを頭に巻いて紺色の前掛けした店主は、即座に反応をして顔を上げ、「ああw、いらっしゃいw、あれっ?お二人が一緒に来るなんて珍しいですね?」と俺とミケを交互に見て言う。店主とは、ここで何回かお酒を購入した時に応対した程度の間柄だが、どうやら俺の素性は知っている様だ。恐らくだがミケの口から素性が伝わったのだろう。それにしても・・・全然気が付かなかった、店主が化け猫でミケの知り合いとは・・・。店主は書き物を中断して立ち上がり、「それでどういったご用件で?」と尋ねて来た。ミケは少し戸惑い、「ちょっと色々あってにゃあ・・・、預けてある例のプレミアムウイスキーを持ち出したいにゃあ」と店主に返す。店主は驚き、「ええ!?、何でまた?、値段が高騰するまで寝かせて置ないのですか?」と言う。ミケは黒髪のツインテールを上下に手櫛をしながら、「苦渋の決断にゃあ、あたいだって・・・こんな事をしたくないにゃあ!」と下唇を噛み締めた。ミケの挙動に店主は、「いったい何が・・・」と呆然としながら俺の横でユニークな洋酒の瓶を弄っていた水無月に目が止まる。すると、店主は、「あっ、あっ、あっ、」と水無月を指さし数秒固まり、「水無月お嬢さんじゃないですか?」と言う。当然と言えば当然の話しで、化け者である店主が水無月の事を知らない訳は無い。店主は更に口を開き、「うちに皐月さんが来ましたよ!、凄い形相で娘は来ていないか?と尋ねて来ました!、・・・もしかしてこの事が原因で?」と何かを察した表情。ミケは不敵な笑みをしながら、「皆まで言うにゃあ、何なら店主・・・お前も巻き込んでやるかにゃあ?」とこれ以上の詮索を止める様に牽制をした。店主は首を横に激しく振り、「滅相もございません!、あっ、例のウイスキーをお持ち致しますね!」と慌てふためいて関係者用のドアを開けて消えた。店主が戻るまで俺たちは店内を見回り、様々なお酒を手に取り時間を潰す。日本酒コーナーの棚に差し掛かると、水無月は突然一つのお酒を手にして、「お母様が毎晩飲んでいるお酒なのです」と俺とミケに見せる。水無月が手にしたのは、純米酒・狐火と書かれたラベルが巻かれていた。ミケは同じ銘柄のお酒を手にして、「相変わらずこれかにゃあ、一途によく飽きないにゃあ」と呆れ顔。俺も純米酒・狐火を手にして、「へー、こんな、お酒があるんだw、えっ!?、高っ!」と棚に張っている値札を見て驚く。ミケも値札を見て、「まあ、これでも安いにゃあ、古都にある小さな蔵元で作られているお酒だから生産数は多くないにゃあ、ニーズと供給を考えれば、本来ならこの値段の2割ぐらい高めが適正価格にゃあ」と言う。ミケの説明を受けて、俺は自身に対して不釣り合いなお酒をそっと元に戻し、「俺はやっぱりこれかなW」と直ぐ近くにあったお酒を手にして見せた。ミケは俺からそのお酒を奪う様に手に取り、「ほーう、北高梅酒かにゃあ、中々マニアックなお酒を飲んでいるにゃあ・・」と感心したような顔をする。北高梅酒・・・それは北陸にある農業北高校で作られた梅酒の事だ。梅の風味と甘さが絶妙で、とても高校生が作っているとは思えない美味しい梅酒。値段もお手頃で健康に良さげな感じが好きで俺は愛飲している。ミケは俺に梅酒を返し、「あたいはこれかにゃあ」と少し歩いて棚から何やら取り出し持って来る。ミケが持ってきたのは、大吟醸野良猫と達筆な筆書きで書かれたラベルが巻かれたお酒だった。俺はそのラベルに書かれた大吟醸野良猫の文字に、「ぷっw、何?、自己紹介?」と思わず吹き出す。ミケは少しムッとした顔をして、「かー!、これだから無知は困るにゃあ、大吟醸野良猫は知る人ぞ知る名酒にゃあ!、これを知らないとはw、やっぱり志村にゃあw」と最後はニヤリといやらしい笑みを浮かべ俺を煽る。俺はその煽りに乗っかり、「はー、嫌だ嫌だw、いるよね、そうやって知識をひけらかす人w、あっ、ごめんw、猫だったw」と煽り返す。ミケの眉間にしわが寄り、「きーー!、何にゃあその言い草は!、そんなジュースの親戚みたいなものを好んでいるお子様舌に言われたくないにゃあ!」とボルテージが急上昇。俺も売り言葉に買い言葉で、「梅酒がジュース?、いやいや、体にも良くて健康的なこのお酒の良さが分からないとわねw」と言い争いが止まらなくなる。しかし、「やめるです!!」と水無月の大きな声がまるで、サッカーの試合でホイッスルを鳴らされた選手の様に、俺たちの言い争いはピタリと止まった。水無月の頬は真っ赤になり、「全く!、今の状況を分かっているのです?」とぷんぷんと怒る。俺とミケは目と目を合わせると、子供じみて喧嘩を始めた事を恥じて、「すまん・・・ミケ」と俺が先に謝罪をし、「あたいも言い過ぎたにゃあ」とミケも謝罪。そして、「お待たせしました!」とレジカウンターの方から店主の声がした。俺たちはハッとなり、レジカウンターの方へ足早に行くと、レジカウンターに小型の樽が置かれていて、樽の鏡板には焼きゴテで焦がして記されたニャウスキーの文字があった。店主は紫で唐草模様の風呂敷で樽を丁寧に包むと、「ご武運をお祈りいたします」と差し出す。ミケは風呂敷の包まれた樽を抱えて、「おうにゃあ・・・、もしもあたい達に何かあったら骨を拾ってくれにゃあ」と演技かかった台詞を言う。俺たちは店主が深々と頭を下げて見送られ、いよいよ皐月が待つ事務所に向かった。

 

 事務所がある雑居ビルの地下駐車場にレンタカーを停めて、クラシックな手動式のエレベータのドアを俺が開けると、風呂敷きに包まれた樽を抱えているミケが入り、次に水無月が入り最後は俺が乗り込み、三階と記されているボタンを押す。エレベーターは一度大きく揺れると上昇を始める・・・。やるべき事は全てやった、後は出たとこ勝負だ。エレベータのベルが鳴り止まった事を確認した俺は手動式のドアを開けて廊下に出る。廊下の先には事務所のガラスドアが見えて、そこにはうっすらとシルエットがあった。所長だとすぐ分かるが・・・何かを抱きかかえている・・・?、あっ!、葉月ちゃんか!。恐らくだが、俺たちの気配を察して出迎えるつもりらしい。事務所のガラスドアの目の前に来ると、俺の心臓が高鳴り、手を繋いでいる水無月の手も汗ばんでいてかなり緊張をしているのが分かる。「よし!、開けるぞ」と俺がガラスドアの取っ手に手をかけて引くと、黒髪を束ねて白いブラウスにスリットが入ったタイトスカート姿にハイヒールを履いて相変わらず妖艶で美しい所長が現れ、片手で抱きかかえられた水無月の双子の妹である葉月がいた。所長は早速、「あらあらw、水無月!、心配したのよw」と水無月を片手で抱き寄せると、抱き寄せられた水無月はギュウと所長を抱きしめる。すると、水無月の目にはポロリと涙が流れた。まあ、不安だったんだろう・・・一度も単独で外に出た事が無いのだ・・・仕方がない。初っ端から感極まってしまった水無月を見た俺は、これより先は彼女を当てに出来ないと思い、「あの・・・皐月さんは?」と小声で所長に尋ねた。所長も小声で、「ソファーにいるわよ、凄く気が立っているから気を付けてね」と答える。俺は事務所にある来客用の三人掛けソファに視線を向けると、狐耳に数本の尻尾がイラついた感情を表す様にユラユラを蠢ていてた。皐月の化け者としての姿を始めて拝んだ俺は畏怖を感じゴクリと喉を鳴らす。皐月はゆっくりと立ち上がり、それを俺たちは見守っていると、まるでスローモーションの様にこちらを振り向く。皐月の顔見た俺は思わず、「ひっ」と言葉を発してしまう。何故ならは普段は温和で優しい雰囲気とは違い、普段は栗色の瞳が赤く染まり、その赤い瞳には怒りと狂気が宿っている気がした。所長も赤い瞳なのだが、単なる色が赤いというだけで脅威は感じない。水無月は所長から離れて、母親である皐月の元へ一歩一歩慎重に歩みを進め、遂に目の前まで辿り着く。水無月は決心した様な顔をして、「あの・・・お母様、ごめんなさいです」と謝り下を向く。皐月は娘の謝罪を聞くと姿勢を低くし、娘と同じ目線になると、両手で水無月の頬を触り、ガシッと抱きしめて、「心配したんだから!!、もうっ!!、どこ行ってたのよ!」とポロポロとその赤い瞳から涙が落ちる。母親の泣き顔を見た水無月は感極まり、「う、う、うえええ、ごめんなさい」と泣き出す。姉が泣き始めると呼応する様に葉月も泣き始め、事務所は稲荷神社親子の泣き声の大合唱が始まった。暫くその様子を傍観する事しか出来なかった俺は、皐月の瞳が栗色の戻っている事を発見してチャンスとばかりに、「あの・・・」と声を掛ける。皐月はゆっくりとこちらを振り向き、「何?」と瞳の色がキュッと再び赤く染まった。その話し方は普段とはまるで違い、人間味が感じず何なら殺気がこもっている気がする。俺の心の内には、こえーーーーという一言がこだました。ミケが事あるごとに逃げようとした気持ちが今なら分かる・・・。俺が皐月の迫力に押されて委縮して言葉が出ずにいると所長が俺を庇う様に前に立ち、「あらあら皐月w、殺気をそんなにビンビンに放っていると志村君が話しづらいわ、大事な事を話そうとしているみたいだから少し落ち着いてw」と助け船を出す。姉からなだめられた皐月は、ふうっとため息を付き、「志村さん、ごめんなさい、何ですか?」と若干威圧感が和らぐ。瞳は依然として真っ赤なままだがこのチャンスを逃す手は無いと俺は思い、「あの・・・、水無月ちゃんを見つけた場所は歓楽街と隣町の境付近でした」とまずは発見場所の偽装。俺の発言に皐月より所長がいち早く食いつき、「あらあら、そんな近くにいたの?、調査対象者は何でそこに?」と当然の疑問を口する。このパターンは想定済みで俺は、「調査対象の目的は分かりません、水無月ちゃんの保護優先で中断しましたので」と答えた。俺の回答に所長は微笑み、「あらあら、ごめんさないw、私が命令したわねw、でも・・・何で水無月は調査対象と接触をしたのかしらね?、仮に落ち合う約束をしていたのならどうやって連絡をしていたのかしら?」とミケをジロッと見る。ミケはビックと体を震わせ、額に玉の汗を出し、「そ、その件につきましてはにゃあ、志村の口から聞いてくださいにゃあw」と苦笑い。ミケの体から発する小刻みに震えたその振動は、抱えている樽に伝播して、中のウイスキーがチャポポポと恐怖のビートを刻む。所長はミケの様子を冷ややかな目で、「ふーん・・・まあいいわ」と何故だか追求を止めて、「志村くんは何か知っている訳?」と俺に話を振る。俺すかさず、「あっ、それですが、調査対象がハンカチを落としたのを偶然水無月ちゃんが目撃して、ハンカチを拾い調査対象の彼女に届けただけで、落ち合っている様に見えただけでした」と矛盾を感じさせない嘘を報告。所長は少し沈黙をして、「・・・あらあら、そうなの?、私はてっきりそうだとばかり・・・、ごめんなさい皐月w、私の早合点だったみたいw」と皐月に言う。傍観していた皐月の瞳は元の栗色になり、ミケの助言通り発見された場所を嘘で偽装して、割と近かったと思わせたのが功を奏した様だ。もしも本当の事を知ったらどうなっていたのだろうか?。姉の所長から話し掛けられた皐月はようやく口を開き、「じゃあ、何でうちの娘が歓楽街の隣町に?」と俺に尋ねた。よっしゃあ!、ここまでは理想の運びだ!、先程からの所長の挙動が気になるが、不退転の意志で突き進むしかない!。俺は皐月を見て、「それはですね、娘さんはあなたにプレゼントを贈りたくって行動に出たんです」と答える。皐月は水無月に視線を送ると再び俺を見て、「プレゼント?、何で私に?」と困惑。俺はあと一押しと感じ、「娘さん達はあなたが毎日必死に自分達のために頑張っている事をよく見ているんですよ、そんなあなたの苦労の報いたい・・・一人で知らない所に行くのは恐らく怖かったでしょう・・・、でも大好きなあなたの為なら乗り越えれる・・・娘さん達の心意気を無下にしないで頂きたい」と顔を背け、涙腺が緩んで泣く演出をした。皐月は水無月の肩をの手をかけて、「本当なの水無月?」と確認をする。水無月は泣いてぽってり腫れた瞼を手で拭い、「本当なのです、葉月!」と所長に抱きかかえられていた葉月を呼ぶ。所長に降ろされた葉月は姉の水無月の元へ駆け寄ると、水無月はバックからラッピングされたものを二つ取り出しそのうちの一つを葉月に手渡した。双子たちは一糸乱れず同時に、「お母様、いつもありがとう」と差し出す。皐月はワナワナと震えながら差し出されたラッピングされたものを受け取り、「ありがとう・・・」と呟く様に言い、「開けてもいいかしら?」と双子に打診。双子たちは笑顔で、「いいのです」と返す。皐月は早速ラッピングを丁寧にはがすとバラ柄のハンカチが色違いで現れた。皐月はそのハンカチを見て、「まあw、可愛いハンカチだことw、ありがとうね」と双子たちを抱きしめる。親子三人は暫く抱き合い、ミケは今が好機とばかりに自身が抱えているお酒の樽を皐月に献上する仕草をした。しかし、所長が制止。この瞬間、ミケの秘蔵のお酒の出番はお蔵入りになる。俺はしょんぼりした駄猫越しに見える、美しい親子愛をいつまでも見ていたいと思った。

 

 皐月と双子たちが帰り、ミケは自身が参入しているサイドビジネスの自販機の補充のために一早く退社し、俺は嘘がバレない様に、今日の大まかな報告書を作成して所長の提出すると、帰宅するために身支度をしていた。所長は俺の提出した報告書を見ながら、「今日はお疲れ様、ごめんなさいね妙な事に巻き込んで」と所長が俺に労を労って来た。俺はすかさず、「いえw、俺はただ保護しただけですし」と謙遜。所長はフフッと微笑み、「まあ、これで皐月も少しは変わるでしょう、今日は本当にありがとう・・・、でも嘘を言うならもっと完璧にしてね」と最後にチクリと刺して来た。俺はピクリと体を硬直させ、「う、嘘w、ヤダなw、そんな事をしていませんよw」と誤魔化す。所長は報告書を見るのを止めて、「知らないの?、プレゼントをラッピングしたテープにはお店のロゴがあるのよw、あのお店は隣町には無いのよね・・・w、本当はどこにいたのかしら?」といとも簡単に俺の嘘を見破る。俺は人生の中で一番迅速に土下座をして、「すいませんでした!!」」と謝罪。所長は高笑いをして、「別に気にしてないわw、別に責めているんじゃないのよ、褒めているのよw」と真意を言う。俺は土下座の体制のまま顔を上げて、「褒める?」と尋ねる。所長は遠い目をして、「皐月が抱えている闇はそれくらい深いの、娘が遠い所で一人でいると知ればあの子の心は耐えられない・・・、もし、本当の事を皐月が知ったら発狂をしていたと思うわ」と答えた。俺は恐る恐る、「発狂したらどうなるんでしょうか?」と再び尋ねる。所長は窓からネオン輝く歓楽街の夜景を見ながら、「先程の皐月が事務所にいた時の姿のまま暴れるでしょうね・・・そうなったら、私の取るべき行動は一つしかないわ」と振り向き俺を見つめた。俺は単なる親子喧嘩だと、最悪シバかれて終わりだと高を括っていた・・・。もしも、あの時、嘘がバレて失敗したらと思うと震えが止まらなくなった。俺が恐怖に打ちひしがれていると、所長が俺の元へ来て、「あらあら、ごめんなさいねw、あなたには聞いてもらいたかったのよ、今日は本当によくやったわ」と俺を立たせる。俺は恐怖し戸惑いながらも事態の行方を見守っていると、所長はふわりと俺を抱きしめた。突然の事で俺は固まり、「ちょ、えっ!?、所長?」と言い、混乱とは裏腹にその暖かく柔らかい感触とほのかに感じる良い香りによって俺の震えは徐々収まり心が落ち着くのが分かった。俺の心はすっかり平常に戻り、「ありがとございます・・・もう大丈夫です」と礼を述べ離れる。すると、所長はニヤリと笑い、「まっw、もし皐月が暴れたなら即座に無力化できるけどねw」とぺろりと赤い舌を出す。いつもなら恨み言の一つや二つを返すのだが、流石に今日は、「ハハ・・」と苦笑いをするしか出来なかった。所長と別れ、歓楽街の中をトボトボと歩く。卑猥なネオンが輝き、様々な人々が欲望を満たすために行き交い、歓楽街はこれからが本番であり書き入れ時。呼び込みや、どの店にしようかと悩みながら歩く男、同伴出勤をしているキャバクラ嬢とホスト、そんな光景を横目に歓楽街の中に流れる一本の川、稲荷川に架かる彼岸橋に辿り着く。俺は橋の中央まで来ると川の水面に映っているユラユラと揺れている満月を見ながらスマホを取り出す。母性と何だろうか?、あのように狂わせるものなのか?。俺はスマホの電話帳にある母と表示された文字を数秒間見た後スマホを懐に入れ、気を取り直し最寄り駅に向かおうとポッケに手を入れる。その時、「カラカラ」と後ろから聞き覚えがある音がして振り向く。ピンク色のボディに不釣り合いなオフロード仕様のタイヤを履かせたリヤカーを引くジト目のミケがいた。ミケは、「まーだ帰っていなかったのかにゃあ」と俺に言う。俺は苦笑しながら、「うるせえなw、いつ帰るかは俺の勝手だろ?、お前こそ自販機の補充は終わったのかよ?」と返す。ミケはニヤリと笑い、「完了にゃあ!、あとはこのニャウスキーを吟慈に行って預けて終わりにゃあ」とリヤカーに積まれている唐草模様で紫色の風呂敷を見る。まあ、渡せる様な空気じゃなかったしな・・・。ミケは少し恥ずかしそうな仕草をして、「今回は世話になったにゃあ、駅まで送ってやるにゃあ」と言いリヤカーの荷台の乗るように俺を促す。俺はすかさず、「えっ・・、いいよ」と断る。ミケはくわっと目を見開き、「遠慮するなにゃあ、ミケタクシーは安心安全素早くがもっとうにゃあ!」と白タクを開業。あまりにもしつこい誘いに、俺はへきえきしながらも、「じゃあ、頼むよ」と渋々リヤカーの荷台に乗る。ミケは、「了解にゃあ」と行き交う人々の注目をされながらミケタクシーは出発をした。冷たい風が頬に当たり、通り過ぎる人々は振り返える。俺はミケタクシーに揺られながらスマホを取り出し、連絡先にある母と表示された所をタップすると、スマホを耳に当て上空にある満月を見上げて先方に繋がるのを待った。

ーおわりー

 

 

349曲目の紹介

 

 今回ご紹介する曲は、作詞作曲を一二三さん、イラストをうしろめさんによるねむれわたがしです。

 

 本曲は未だに何者にもなれない事による焦燥感と己に残された人生という制限時間が、割と出会う困った健康トラブルでポピュラーな不眠をメタファーにして、VTuberとして活躍している花奏かのんさんと同名のボーカロイド花奏かのんさんが歌います。

 

 本曲の題名のねむれわたがしですが・・・、色々考察したり考えました。しかし、これは!という事が浮かばず更にネットで色々調べましたが分からず、今回はお手上げ状態です。強いて言えば、本曲の動画の最後辺りに、曲中の主人公が悶々と悩んでいると、生み出される綿菓子の様な雲を食べる、悪夢を食う獏の様な女の子が登場するのですが、その子の事かな?と思いました。

 


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 本曲を歌っている花奏かのんさんの音源の方はVTuberとして活躍していまして、同名という大変珍しい形態をとっています。ボーカロイドの音源を提供しつつ、提供者自身も活動している方は沢山おられますが、大抵は名前を少し変えたりしていますので、今後の活動の先にどういった事になるのか興味がありますね。本曲をVTuberの方の花奏かのんさんも歌っていますので興味がお有りでしたらチェックしてみて下さい。

 

VTuber花奏かのんver


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 本曲、ねむれわたがしは若者が真摯に己と向き合い、人生という時間を鑑みて足掻く青春音楽です。青春真っ只中の方、過ぎ去りし方、双方の立場から聴いても本曲は心の琴線に触れる情緒的な曲と思いますので、是非、本動画を視聴して聴いてみてください。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

花奏かのんオフィシャルサイト