煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

魂の熱伝導率100%のVOCALOID曲

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 今年もあと二ヶ月とちょっとで終わってしまいますね。少しばかり早いですが今年を振り返ると、天災や人災やらでとんでもない一年な気がします。来年こそはいい年でありたいと願うばかりですが、あまりいい感じがしないのは自分だけでしょうか?、ネガティブになりがちな今日この頃ですが、はりきって326曲目の紹介とちょっとした物語をお送りしたいと思います。

 

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

※題名や挿絵にBing Image Creatorを使用しました

 

 曲の紹介は下の方にあります!物語を飛ばしても構いません。

 

 

 朝の6時、俺はいつもより早めに起床して、身支度を済ませると、ワンルームの我がねぐらを出て、駅の方へ歩み出す。今日は職場の事務所に向かわず直接現場に赴く。俺の名前は志村。信じて貰えないだろうが、俺はこれから子猫を届ける仕事をする。歓楽街のみなしごの子猫たちを猫好きの人々にお届けするのだ。そんな酔狂な仕事をする事になったのは、俺の少々厄介な立場を説明しなければならない。俺は、人の姿に化けて人の言葉を操る通称化け者という人外の者たちと、行動を共にしている。化け者たちはこの国の人々の間では、空想上の存在として認識をされているが、実際に存在していて、人の姿に化けて社会生活を営み、生きているのだ。俺は偶然にも化け者たちの存在を目の辺りにしてしまい、なし崩し的に今日この日まで来てしまった訳だが、化け者たちと付き合うという事は、奇妙奇天烈な事ばかりで、その上、碌な目に合わない。これから行う業務も子猫の配達という珍妙な事をさせられる。もちろん、給料も出るので文句は無いが・・。俺は駅の改札口を通り、電車に乗り込む。電車にはスーツ姿の男女が沢山いて、彼らは普通の仕事、普通の人生を歩んでいると思うと多少の劣等感が俺の胸の辺りをざわつかせる。視線を電車の車窓から見える景色に移し、気持ちを切り替えようと試みると、街並みが歓楽街に近づくにつれ、派手で卑猥な看板の数が増えてきた。この辺まで来ると、スーツ姿の人々は少なくなり、変わりに堅気じゃない感じの人や、風俗で働いている男女が増えて、何故だか、俺は居心地が良い。最寄り駅に着くと彼らと共に電車を降りて、歓楽街のそれぞれの目的地に向かう。俺は閉店したゲームセンターが入っていた商業ビルに向かい、建物の側面にある、関係者用の地下駐車場から入る。昨日はシャッターが僅かに開いている感じだったが、今日は全開に開いていて屈まなくても入れた。俺は関係者用の金属の扉がある前まで来て備え付けてあるインターホンを押し、ドアの上部にある防犯カメラを見つめながら待機。数秒後、「合言葉をどうぞ」と見知った声で尋ねられた。俺は「あっ、尻尾の付け根を触るのはセクハラ」と昨日の別れ際に教えて貰った今日の合言葉を言う。すると、「はい、少々お待ちください!」と元気な声が返って来る。一分もかからずドアが開き、「おはようございます、今日はよろしくお願いしますね!」と栗色の髪にエプロン姿でデニムにTシャツ姿の女性が俺を出迎えた。彼女はウシ子、人ではない。猫缶ショップを営む化け者で、化け猫に属していている牛柄の猫だ。「こちらこそ、よろしくお願いします」と俺が返すと、「早速で悪いのですが、こちらに着替えて下さい」とウシ子は俺に黄色と茶色、そして白を基調とした迷彩柄の作業服を俺に差し出す。俺が差し出された作業服を受け取ると、「お着替えはあちらのゲームセンターの従業員が使われていた更衣室をお使いください」とウシ子はドアを指す。「了解しました!」と俺は元気よく返事をして、更衣室に入り私服をロッカーに入れて着替える。作業着はオーバーオールタイプで、街中でよく見かけるゴロンニャン運送の制服であり、まさか、それを着る事になるとは思いもしなかった。作業着を着ると最後に帽子を被り、ロッカーの扉に備え付けてある鏡で自信を見ると、中々様になっており、少し気分が高揚する。俺は意気揚々と更衣室から出ると、「凄いw、本当のゴロニャン運送の配達員さんみたいです!」と俺が着替えるのを待っていたウシ子が俺を見て褒めた。「そうですか?、何だか照れ臭いですよw」と俺は普段の生活であまり褒められた事が無く何だかこそばゆい。「ミケは少し遅れると言ってましたので、そこのベンチで待機してください、あっ!、少々お待ちを」とウシ子は何かを思いついて去り、俺は促されるままにベンチに腰を下ろした。ミケとは、ウシ子と同じく化け者の化け猫に属していて、俺の同僚で今日の仕事の相棒だ。誰もいない地下駐車場は時折する正体不明の金属音や機械音がするだけでシーンと静まり返り、何だか不気味な感じがする。俺は手持ち無沙汰でスマホを懐から取り出し、液晶に表示されている時間を確認。予定ではもう出発している頃だが・・。取り敢えず何もする事が何のでスマホでネットニュースを見て時間を潰すことにした瞬間、俺の首筋に冷たいものが触った。「うひゃあ!!」と思わず声を上げ振り返ると、ウシ子がコンビニ・コーヒーを手で持って、きょとんとした顔で立っていた。

 

 「ウシ子さん!、勘弁してくださいよ」と俺は胸を手で押さえて抗議。「フフw、ごめんなさいw、あまりにも驚くのでこっちもビックリしましたよw、どうぞ」とウシ子は先程、俺の首筋に当てたコンビニ・コーヒーを俺に差し出す。俺は差し出されたコーヒーを受け取ると、ウシ子はビニール袋から同じコーヒーを取り出し俺の隣に座る。「ミケ、遅いですね・・」と呟くようにウシ子は言うと、ストローに口を付けてコーヒーを一口。「遅れるって、何の用事でって言ってました?」と俺はウシ子に尋ね、コーヒーをゴクリ。「さあ・・、ただ遅れるから伝えてくれってだけでした」とウシ子は答えた。たくっ、ミケの奴!、俺に直接連絡しろよな。「そうですか・・」と俺は適当に返し、お互いよく知らないので沈黙が続き、ひたすらコーヒーを飲む。コーヒーが飲み終わる頃に、「にゃ♪、にゃ♪にゃ♪」と鼻歌交じりでメイド服を着た黒髪のツインテールの女の子がスキップしながら地下駐車場に入ってきて、「おはようさんにゃあ!」と俺たちに挨拶、ミケだ。「もう、遅いですよミケ!」とウシ子がミケに抗議し、「何をやっていたんだよ!」と俺も同じく抗議した。「すまないにゃあ、ちょっとした野暮用にゃあ」とミケは悪びれる素振りも見せず言う。俺はすかさず、「野暮用って?」と尋ねた。「今は秘密にゃあw、あとで教えるにゃあ!」とミケは答える。・・何だ?、後で?、まあいいか・・。俺は心の中で疑問を棚上げにし、「早く準備しろよ」とミケに仕事の準備を促す。「了解にゃあ!」とミケは言い、くるっとバク転し、「ボフッ」という音を出し、俺と同じ運送会社の作業服を着たツインテールの女の子に化けて、「子猫のお届けに行くにゃあ!」と気合を入れる。「ミケ!これ移動中に飲んでね」とウシ子はミケに俺たちが先ほどまで飲んだコーヒーを手渡し、「サンキューにゃあ!」とミケはお礼を返し受け取った。そして、ウシ子は俺に視線を向けて「志村さん、はい」と俺にゴロニャン運送のワゴン車の鍵穴に刺す必要がないスマートキーを手渡す。「ありがとうございます」と俺は言いカギを受け取り作業服のポケットに入れ、俺とミケは地下駐車場の隅に置かれた黄色と黒のストライブ模様のカラーリングがされた、ゴロニャン運送のワゴンに向かい歩く。白黒柄の猫でお馴染みのゴロニャン運送のトレードマークが記されている運転席側のドアを開け、俺は即座に運転席に座り、ブレーキペダルを踏みエンジンスタートボタンを押す。すると、「ブルン」とエンジンが掛かり、空調が効き始めた。ミケが助手席に座ったのを確認して、子猫が入ったキャリーケースが並べてある場所まで慎重に運転をし停車。俺は車から降りて、リアゲートを開けると、助手席から荷室に移動をしたミケが現れ、「準備はオッケーにゃあ」と言う。俺とウシ子は子猫が入っているキャリーケースをミケに手渡し、ミケは移動中にひっくり返らない様に固定。数分で今日のお届け分の子猫を運び入れて、俺は再び運転席に戻り、「ミケ、シートベルトを閉めろよ」と忠告し、「了解にゃあ」とミケは答えてシートベルト閉める。全ての準備が整い、さあ!出発だと、俺がアクセルを踏もうとした瞬間、運手席側の窓が叩く音に反射的にそちらに顔を向けると、ウシ子がいて、「じゃあ、二人共、気を付けて下さい」とペコリと頭を下げ、それに対して俺たちは、「はい、それで行ってきます」と俺が言い、「任せるにゃあ!」とミケが言い終わると、俺たちは頭を下げて出発をした。

 

 地下駐車場から公道に移り、ミケが予定表を広げてナビを開始。「この先にある、国道に出て暫く道なりにゃあ」とミケは指示をして、「了解!」と俺は返事をし、ナビ通りに進む。まあ、実は今日の予定は頭にしっかり入っていて、ミケのナビが無くても大丈夫な訳だが、それを馬鹿正直に言うとへそを曲げかねないので黙る。沈黙は金なりだ。国道に入り、道なりに進み、10分位経つと、ミケは注意深く予定表の地図と車に備え付けてあるナビを見比べて、「そろそろ右折にゃあ」と言う。俺は数メートル先にある国道の出口を見て、「へーい、右折ね」とハンドルを切り、国道から降りた。国道から降りると閑静な住宅街に入り、ミケの指示通り進む。数分でターゲットの自宅に着き、少し離れた所に停車。車が停車するとミケはすかさず荷室に行き、予定の子をキャリーケースから取り出した後、元の三毛猫の姿に戻り、子猫の首根っこを咥えて持ち上げる。そして、俺が運転席にあるスライドドアを開閉するボタンを押し開けると、ミケは子猫を咥えたまま颯爽と出て行った。今回、人選されたターゲットは入念に調査されている。経済的な状況、人間関係を俺が担当し、動物の虐待などの疑いが無いかなどのナイーブな情報は、流石に近所に聞き回る事は出来ないので、ミケが周辺の猫たちに聞き込みをして確認をした。余談だが俺には調査する能力も伝手も無いので、職場の上司である所長に言わるがままに、報酬が入った茶封筒を持って行き、その道のプロと落ち合い、所長の名代と先方に告げて自身の名が記された名刺を渡し、情報を報酬と交換して手に入れる小間使いの様な事をしていた。最初のターゲットは初老夫婦で夫は再雇用でまだ働いているが、悠々自適な老後を過ごしていて、この夫婦は過去に2匹の猫を立派に最後まで面倒を見ている実績があり、周辺で不審な動物の死はない。化け猫シンジケートの連中の言葉を借りれば特Aランクの太飼い主だ。ミケはターゲットと家に向かって慎重に進んでいる。今の所、順調・・あっ、まずい!。俺はミケの遥か前方から小さい体の集団がこちらに来ている事に気が付く。あれは・・小学生の集団下校だ。ミケの方も気が付いた様で、隠れる場所がないか、子猫を咥えたままキョロキョロと周辺を見回している。小学生の集団はどんどんとこちらに近づき、遂に集団の一人がこちらを指をさし、猫だ!見たいな仕草をした。ミケ!まずいぞ!。小学生の集団はミケを認識した途端、走り始めて、いよいよ計画に支障が来てしまう危険性が出てきた。ミケは数秒程、車にいる俺の顔を見て、助けを懇願する表情を向ける。だが、俺はどうする事も出来ない。何故ならあの子達のランドセルには殺人兵器が搭載されていているからだ。すまない・・ミケ、俺は力になれそうない・・と呟き、最近ネットで流行っている、防犯ブザーを持って不思議なダンスをしている幼女が脳裏に浮かび膝がガクガクト震え始めた。ミケは俺が全く動かない事を察知して、志村ー!見たいな表情を一瞬し、何かを思いついたのか、ターゲットの自宅にダッシュする。ミケはターゲットの自宅にある門の下に開いてある僅かな隙間を潜り抜けた。なるほど!、いくら無鉄砲な小学生と言えど見知らぬ他人の家に侵入する程、愚かじゃない。ミケがそのままやり過ごすかと思われたが、子猫を置いて門を潜ってまた出て来た。なっ!?、ミケ!、どうしてだ?、そのままやり過ごせれば、子供たちの餌食にならずに済むんだぞ!。ミケはそのままトコトコと歩いて行き、ターゲットの自宅から離れて、道の端で止まりゴロンと仰向けになる。子供たちは遂にミケの所まで来て、ミケを囲む形になり俺からは何をやっているのか分からない。俺は不測の事態に焦りながらターゲットの家に視線を移すと、初老の男性が2階の窓から見下ろし子供達の様子を見ていた。そういう事か・・、子供たちの前に敢えて姿を晒し陽動したのは、ターゲットの家の前で騒がれ計画が台無しになるのを防ぐためか・・。それから、子供たちはミケはをおもちゃにガヤガヤワイワイ、奇声を発しながら数分、一人の子が飽きたのか、もう帰ろうよ見たいな仕草をし、友達を帰路に着くことを促す。数分後、最初は拒否していた子も、しつこく言って来るので流石に無下にできず、渋々帰路に着くためにミケを開放して去った。子供たちが去った後には毛並みがボサボサでズタボロになったミケが姿を現し、よろよろと立ち上がる。ミケはターゲットの自宅の門を再び潜ると、子猫を咥えて玄関の前に行く。ミケは子猫を地面に置き、ここからじゃ泣き声が聞こえないが、口を大きく開けている所を見るに、「にゃあ、にゃあ」とかなり大きめの声で鳴き始めた様だ。数回程、鳴くと、玄関のドアが開き、ミケはその瞬間に普通の猫では到底無理な距離を垂直に飛び、屋根にしなやかに着地をして見下ろす。玄関のドアが全開に開くと、先程の初老の男性が出てきてキョロキョロと辺りを見回している。猫好きである、このターゲットがミケの鳴き声を見逃すわけがない。恐らくだが少し猫を愛でたいと思ったのであろう。猫の姿が見当たらず、ガッカリとした仕草をした初老の男性は、家に入ろうと、足を一歩踏み出そうとした時、ピタリと止まり、踏み出そうとした足を戻して、下を見る。初老の男性はようやく子猫の存在に気が付く。初老の男性は、慎重に子猫を持ち上げて、まるで孫を抱いている様な、顔がとろけた笑顔になり、何かを話しかけている感じだ。それから、初老の男性は自宅に向かい何かを呼んでいる仕草をすると、すかさず、初老の女性が出てきてくる。初老の女性、つまり奥さんは、夫の掌にいるポアポアの毛玉を見て、驚く仕草をして、それを差し出されると、手にして女性ならではの慈愛に満ちた微笑みを表し、顔をすりすりとこすり付けていた。夫婦は、玄関前で少し会話をした後、家に入って玄関のドアが閉まった。あの様子だと大丈夫だろう、子猫は老夫婦がしっかりと面倒を見てくれるはずだ。ミケは子猫のお届けが完了したのを確認したら、屋根を上り向う側に行き姿が見えなくなる。そして、一分もしないうちにワゴンのスライドドアが開き、「志村ー!!、何であたい達の事を助けに来なかったにゃあ!」とミケは帰って来るなり開口一番に怒鳴り散らす。「あっ、えっと・・その事に関しては本当に済まない・・」と俺は真摯に謝罪。いつもなら、逆に文句が返ってくるところが謝罪が返って来て、鳩が豆鉄砲を食ったよう仕草をした後、何だコイツ?みたいな表情をミケはする。俺がいつもと違う様子に、ミケは興味を惹かれたのか冷静になり、「何にゃあ?、訳を言ってみるにゃあ」と尋ねた。「お前・・、さっき、子供たちに、もみくちゃにされた時、あの子達のランドセルの脇に何かがぶら下がっていなかったか?」と俺は逆にミケに尋ねる。「ランドセル?、ああ!、色んな形状のものがぶら下がっていたにゃあ、それが何にゃあ?」と今度はミケが俺に尋ねた。「あれはな・・」と俺はゴクリと生唾を飲み込み、「だからあれは何にゃあ?」とミケは答えを要求。「あれは、防犯ブザー・・殺人兵器なんだ!」と俺は答える。すると、「殺人兵器?、志村・・お前、何かヤバい薬でもやっているのかにゃあ?」とミケはジト目で俺を凝視。「違うよ!、物理的にじゃなくて、社会的に抹殺される兵器なんだ!」と俺は誤解を解き、補足をする。「社会的に?、大げさにゃあw、子供にそんな力がある訳ないにゃあw」とミケはケラケラと笑う。「お前は人間社会の情報伝達スピードを知らないから呑気に言ってられるんだ!、いいか?、もしあそこで俺が防犯ブザーを鳴らされてみろ、あっという間に情報が広がり事案としてニュースに乗るんだぞ!、そしたら・・ここら辺を迂闊に出歩けなくなるんだ・・」と俺は身振り手振りで必死に説明をする。「知らなかったにゃあ・・、あんな小さい子供に、そんな能力があるなんて・・」とミケは俺の出す必死な雰囲気に飲まれて、深刻な顔をした。「そうか!、分かってくれたか!、だが、サポートが出来なくて本当に済まない」と俺は頭を下げる。「そう言う事情なら仕方がないにゃあ、お前が指名手配されたら、所長に何をされるかたまったもんじゃないにゃあ」とミケは俺の心配より自身に降りかかる所長からのペナルティを心配をしている様だ。若干、納得がいかないが・・良しとしとくか。

 

 俺たちは次のターゲットがいる場所に向かい、道すがらでミケは子猫たちの状態をチェックする。そして、最初の現場から大して離れていない場所に、次のターゲットの自宅があったので数分で着く。俺はターゲットの自宅を確認しながら一旦通り過ぎて、広めな道路似て停車。今回は、ターゲットの家猫である、化け猫シンジケートの調査員が俺たちの車に直接来て、子猫を二匹を渡す予定だ。ミケの話しだが、化け猫シンジケートの調査員の仕事内容は子猫の貰い手のピックアップとお届け後の経過観察で、調査員にスカウトされるのは家猫で外に自由に歩き回れる猫に限られるらしい。しかし、人の間で最近は家猫は外に出すのはNGという風潮が強くなり、調査員のなり手が減って苦慮しているとか。俺とミケは調査員が来るのを車内で待っていると、ターゲットの自宅のある方向からサバシロの猫がテクテクと歩いて来る。予定表に記されている調査員だ。俺がボタン操作でスライドドアを開けてると、サバシロ調査員が躊躇なく乗り込み、俺を一瞥した後、ミケに「うにゃ、うにゃ」と何かを語りかけた。ミケは「うにゃ、うにゃ」とサバシロ調査員に返し、後ろの荷室に移動して、「うにゃ!」と言う。サバシロ調査員はミケがいる荷室に行き、積まれている数台のキャリーケースの中にいる子猫たちを観察する。すると、サバシロ調査員は前足で「うにゃ!」と二匹の子猫を指す。ミケは了解とばかりに、「うにゃ」と言い、指名された二匹の子猫をキャリーケースから取り出した。サバシロ調査員は取り出された子猫たちの匂いを嗅いだ後、その内の一匹の首根っこを咥えて車から降りて自宅に向かう。数分後には帰って来て、残りの子猫も同様に首根っこを咥えて車から降りると、一旦子猫を降ろして、「うにゃ」と俺たちに向けて一鳴きし。再び子猫を咥えて自宅に向かい去った。「ミッション、コンプリートにゃあ!」とミケは無事に予定が終わった事を宣言。「何だか簡単だったなw」と俺は喜ぶ。その後は、数件のお届けをこなして、お昼休憩をするために、予定表に指定されていた公園の駐車場に停まる。ミケと俺は子猫たちをいったんキャリーケースから取り出し、広めの段ボールに入れ、ご飯をあげて、食べ終わるまで様子を見る。子猫たちは食欲旺盛で固形のいわゆるカリカリと言うキャットフードを一心不乱に食べていた。ポリポリと子猫が食べる音が車内に響き、段ボールをミケと俺は眺めていたところ、「こん、こん」と車の窓を叩く音がした。俺は音が鳴った方へ視線を向けると、俺たちと同じ作業服を着た、ゴロニャン運送の女性従業員だった。俺はスライドドアから車外に出て、「あっ、すいません、なんでしょうか?」と困惑。ウシ子の話しではゴロニャン運送の従業員さん達は話が通してあるので接触してこないはずだが?。「どうも!、特別運送お疲れ様です!、上からの指示でお昼の食べ物と飲み物をお持ち致しました!、どうぞ!」とゴロンニャン運送の女性従業員は、はきはきと元気よく俺に伝え、紫の風呂敷を俺に差し出す。「ああ!、そういう事ですか!、ありがとうございます」と俺が礼を述べ受け取ると同時に、彼女は車内をいきなり覗き、「きゃーw、特別運送って子猫ちゃんだったんですねw」と食事中の子猫たち見てはしゃぐ。「お昼ごはん、ご苦労ニャン」と車内で俺たちの会話を聞いていてミケはゴロンニャン運送の女性従業員に挨拶。「いえいえ、仕事ですから」とゴロンニャン運送の女性従業員返し、ミケをジーと見て、「失礼ですが、あなたは何年入社ですか?、私、今の会社に五年程務めてますが、あなたを一度も見かけた事がありません・・、普段は何処の部署ですか?」と恐らくだが運送会社は女性が少なく、ミケの様な若い従業員なら顔見知りじゃないとおかしいと思ったのだろう。これはまずい・・。「あ、あたいは、特殊な部署に常にいて、普段は滅多に普通の部署とは接点がな、無いにゃあw」とミケは苦しい嘘を半笑いで言う。「なるほど!、そうなんですかw、特殊部署かー、良いなー、私も子猫の配達をしたいですw」とゴロンニャン運送の女性従業員はミケのたどたどしい嘘を信じてくれて事なきを得た。会話が途切れると、ゴロンニャン運送の女性従業員は時計を見て、何かを思い出す様な仕草をし、「あっ、私、次の仕事があるのでこれで失礼します」と言い、俺たちに別れの挨拶をして去った。「ヤバかったにゃあ・・」とミケは疲れた表情をし、「ふー、そうだな」と俺は肯定した。子猫たちの食事が終わり、ちらほらと眠る子が出てきて、大丈夫そうなので、俺たちは自分たちの食事に移る。受け取った紫の風呂敷を解くと、大き目の魔法瓶の水筒と二段重ねの重箱が二つあり、俺はそのうちの一つをミケに手渡す。ミケは「サンキューにゃあ」と言い、受け取り重箱を開ける。重箱の中身はサンドイッチで、挟んでいる具はどれも高級そうな感じがして、美味しそうだ。「あ!、これは、ウシ子の手作りにゃあ!」とミケは言う。「ウシ子さんの?、へー、料理するんだ」と俺は感心。「ウシ子は、料理を振舞うのが好きなんだにゃあ」とミケはウシ子の嗜好を俺に教える。「へー、じゃあ、他の料理も食べた事あるのか?」と俺はミケに尋ねた。「もちろんにゃあ!、ウシ子こだわりのステーキ丼を、また食べたいにゃあw」とミケは恍惚の表情をして口の端から涎を流す。「いいなーw、俺も食べてみないなw」とミケの様子を見た俺は素直な感想を言った。俺は自分の二段重ねの重箱に視線を移し下の段を確かめるべく、上の段を持ち上げる。下の段にはタコさんウィンナーと、唐揚げ、更にウサギリンゴが添えてあり、さながら運動会のお昼を彷彿させた。「豪勢にゃあ!」とミケも自身の重箱を持ち上げて下の段を見てはしゃぐ。そして、俺たちは早速、思い思いの好きな具が挟まれたサンドウィッチを手に取り食べ始めた。

 

 俺たちはサンドウイッチを食べつつ、合間に唐揚げやタコさんウィンナーを食べ、魔法瓶からコーヒーを紙コップに注ぎそれを飲み、至福の時間に更なる彩りを加えるために俺は車内のカーステレオを起動してラジオをかける。すると、スピーカから、「ルリルリのスカイラウンジサウンド!、この番組はゴロニャン運送の提供でお送りします」と声がした。どうやら、予め何処かのラジオチャンネルにセットしていた様だ。俺は特定のラジオ番組を聴く予定もなく、そのまま聴くことにした。「はい、今日もお仕事お疲れ様です、お昼休憩をしているそこのあなた、本番組ではそんなあなたに至福のお昼休みを提供するべく、癒しの音楽をお送りしたいと思います、ではどうぞ」とルリルリと名乗ったパーソナリティは言い、クラッシック音楽が流れる。これなら子猫たちを目を覚ます事は無いだろう。心が和むヴァイオリンソナタを聞きながら舌鼓をして、俺はミケに以前から疑問に思っていたい事を尋ねようと閃く。「なあ、ミケ?」と俺はミケの声を掛ける。「何にゃあ、改まって?」とミケは返す。「化け猫に何人か会ったけどさ、語尾ににゃあと付けて喋るのお前だけだけど、何でだ?」と俺は以前から疑問に思っていた事を口にする。「何にゃあw、そんな事かにゃあ、あたいの語尾ににゃあと付けているのは、猫だからじゃないにゃあ」とミケは答えた。「じゃあ、何で?」と俺は話の続きを促す。「あたいは、元々、金のしゃちほこで有名な城下町のお嬢様猫だったにゃあ、あたいの飼い主たちは語尾にみゃあと頻繁に話していて、あたいは化け者の素養があったから、人の会話が理解出来て、影響をモロに受けにゃあ、だから猫なまりでみゃあがにゃあになって、今の喋り方になったにゃあ」とミケは自分のルーツを語る。「えっ!?、じゃあ、お前のそれは方言なのか?」と俺は驚く。「そうにゃあ、まっ、お前以外もあたいの語尾のにゃあに疑問を感じて尋ねて来るのが多いから、畏まって聞かれない限り、めんどくさいからアイデンティティと誤魔化す事にしているにゃあ」とミケは言いコーヒーをすする。「へーw、そうなんだ、でもお嬢様が何で歓楽街に?」と俺は答えを知ると更なる疑問が湧き尋ねた。「まあ、話せば長くなるにゃあ、かいつまんで言うとだにゃあ、あたいの飼い主の家が破産をして、捨てられ、あてもなく彷徨っていたら歓楽街に辿り着き所長に拾われたにゃあ」とミケは俺の知りたい事を答えてくれた。「えーw、お前がお嬢様で、語尾のにゃあは方言ねw」俺はミケのルーツを知り、何だか心の距離が近くなった様で嬉しくなり笑顔になる。そして、ラジオの曲は終わり、「はい、午後からのお仕事頑張って行きましょう、お相手はルリルリでした」とラジオのパーソナリティは番組の終了を告げ、宣伝が流れ始めた。「さあ!、次の現場に行きますか!」と俺は平らげた重箱を重ねて蓋をする。「おうにゃあ!」とミケも呼応し、同様な行動をして自身の重箱と俺の重箱を風呂敷の包む。不思議なもんだ、ミケの語尾のにゃあが今や方言に聞こえる。俺は車のエンジンを掛け、ミケは子猫たちをキャリーケースに戻し次の現場、河川敷に向かう。今回はターゲットの習慣を逆手に取った作戦予定で待ち伏せを行う。俺は今まで同様にミケのナビに従い、数分走らせると予定の待ち伏せ場所近くの河川敷に着いた。

 

 車を停めると、ミケはキャリーケースから五匹の子猫を取り出し、人の姿のまま五匹を抱きかかえて、数メートル先にある草むらに隠し、自身も猫の姿に戻り草むらに入り顔だけ出す。俺は車のルームミラーで後ろを注意深く観察していると、人影が見えてきた。更に人影を注意深く見つめていると、ジャージを着た壮年の男、ターゲットと判明し、俺はミケに合図を送る。ミケは合図を受け取った事をウインクで返し、準備に取り掛かる。今回のターゲットは猫を保護している猫シェルターの代表で、かなりの資産家だ。我々の調査で、ターゲットは定期的にウォーキングをしている事が判明し、今回の作戦が立案された。ターゲットが俺の乗っている車を通り過ぎてミケが潜んでいる草むらに近づく。ターゲットが草むらの前に差し掛かった瞬間、ミケが飛び出しゴロンと転がりお腹を見せる。ターゲットは盛大に驚いたが、生粋の猫好きは即座に笑顔になりミケのお腹を撫でようと屈んだ。しかし、ターゲットの手は空振り、ミケは草むらに逃げ込む。ターゲットは少し悔しい顔をして、草むらをかき分けてミケを探し始めた。すると、草むらから五匹の子猫が出現して、ターゲットの足にしがみつきよじ登り始める。ターゲットは驚き慌てふためき、何やら草むらに向かって何かを言っている様子。まあ、ミケを母親だと思っての行動だろう。数分、草むらに向かい呼んでも姿を現さないミケに途方にくれたターゲットは子猫を抱きかかえて元来た道を戻る。俺の乗っている車を通り過ぎた時、ターゲットの顔は微笑んだ優しい笑顔で心配なさそうな感じだった。ターゲットの姿が見えなくなる程遠くなると、助手席のドアが開きミケが入ってきて、「今日の予定はこれにて終了にゃあ!、ミッションコンプリートにゃあ!」と声高に終了宣言をする。「おう!、予定は完璧にこなしたな!」と同調。俺たちは歓楽街の化け猫シンジケートの本部である、元ゲームセンターが入っていた商業ビルに向かい帰路に着く。歓楽街に入る頃には日は傾き、卑猥な文言が記された看板が点滅し始めていて、人通りも多くなりつつあった。俺は人に接触しない様に慎重に運転して、化け猫シンジケートの本部がある元ゲームセンターの商業ビルの地下駐車場に入ると、ウシ子が手を振って出迎。俺はウシ子が立っている脇に駐車して、車を降りると、「お疲れ様です!、調査員からの報告で今日のお届け分の子猫たちは問題ないそうです」とウシ子は労を労い結果報告。「お疲れ様です、そうですか!、良かったです、苦労が報われましたw」と俺は返し、助手席から降りたミケも、「そうかにゃあ!、今日は枕を高くして眠れそうにゃあw」とおどける。俺たちの話が終わるとウシ子は、「二人共、キャリーケースは私が片付けますので、暑いシャワーを浴びてリフレッシュしてきてください」と言う。「それじゃあ、お言葉に甘えまして」と俺は言い、「よろしくにゃあ!」とミケは言い、俺たちはウシ子の後始末を任せて、更衣室に向かう。更衣室に入ると奥にシャワー室があり、俺は帽子と作業着を脱衣専用の籠に脱ぎ捨てて、シャワーを浴び始めた。ふーーー、この仕事があと一ヶ月続くのか・・、危険は無いのは良いが・・と俺は体に当たる暖かい水流を感じつつ今日を振り返り思考を巡らせる。汗を洗い流し終えた俺は、シャワーを止めて、備え付けのボディーソープを使い体をくまなく洗い再びシャワーを出す。ボディソープを流し終えるとシャワー室から出て、俺は置かれてある俺専用のバスタオルで体を丁寧に拭き、ロッカーを開けると、もう明日の分の作業着が置かれていた。俺は私服に着替え終えると、更衣室から出て地下駐車場に出る。地下駐車場にはウシ子とミケがワイワイと話し込んでいて、ミケはいつも通りのメイド服、ウシ子の手には何やら月見堂と記された手提げ紙袋を持っていた。俺は二人に合流すると、ミケの体から俺とは違うボディソープの匂いがする。俺のスンスンと言う仕草を目ざとく見ていたミケは、「あーやらしいにゃあw、この男、あたいの体臭を嗅いでいたにゃあw」と俺を茶化してきた。「はっ!?、嗅いでねえよ!」と俺は取り敢えず強く否定。まあ、嗅いだけど・・。俺とミケの戦端が開こうとしている気配を察知したウシ子は「ミケ!」とやんわりミケを注意し、それにより一旦、俺たちは矛を収める。俺たちの争いを未然に防いだウシ子はほっと胸を撫で下ろす仕草をして、「今日はお疲れ様でした、明日からよろしくお願いします、初日という事ですので、シンジケートからほんのささやな贈り物です」とウシ子は手にしていた手提げ紙袋を差し出す。「あっ、すいません、気を使わせてw」と俺が受け取ろうした瞬間、ミケが奪う様にかすめ取り中身を確認し、「おお!!、これは月見堂のちょデカ月餅にゃあw」とテンションマックスになる。「あらw、ミケ知っているのねw、そう、月餅よ!、中秋の名月は大分過ぎたけどw」とウシ子は微笑みながら言う。「へー、有名なんですね」と俺は二人の様子を見て感想を吐露。すると、「はい、中秋の名月になると、歓楽街では皆さん買い求める定番のスイーツですよ」とウシ子は俺に言った。「早く事務所に帰って、所長と三人で食べるにゃあ!」とミケは手下げ紙袋を天高く掲げて所長が待つ事務所に帰る事を急かす。「落ち着けって」と俺はミケをなだめ、「あっ、ウシ子さん今日はこれにて失礼します、明日もよろしくお願いします、これはありがたく頂きます」とウシ子に礼を言い俺たちは頭を下げて、化け猫シンジケートの本部から俺たちは去った。

 

 歓楽街は活気に満ちていて、怒号と叫びが聞こえ、その中をミケはスキップしながら事務所に向かい俺はその後を追う。見慣れた、古びた雑居ビルが現れて、俺達はそこに入り、クラシックなエレベーターに乗り込み手動のドアを閉じて上に上がる。事務所がある階に止まり、ミケはエレベータから飛び出し、事務所のガラスドアを開けて、「所長!今帰ったにゃあ!」と言う。俺は少し遅れて事務所に入ると、「あら、あら、二人共お疲れ様、子猫のお届けどうだった?」と目じりに赤いラインのメイクに胸元を大胆に露出している白いブラウスに、際どい切れ込みが入ったタイトスカートからセクシーな太ももがチラチラと見え隠れさせ、黒いハイヒールをコツコツ鳴らしながら近づく麗人、俺たちの上司にして雇人、所長だ。「はい、何とか滞りなく終わりました」と俺は報告。「あら、あら、志村君それは良かったわね、所長も安心したわ」と俺の報告を受けた所長は言う。「所長!、今朝がた頼んだブツは出来ているかにゃあ」とミケは何やら所長に催促。ああ、今朝に野暮用とか何とか言っていたな。所長はおもむろに自分専用のデスクに向かい何かを手にして戻って来てミケに手渡す。ミケはキラキラとした目をしながら俺に近づき、「はいにゃあ」と何かを手渡して、俺は促されるまま手にすると、それは名刺だった。名刺には薄い肉球の跡がデザインされ、ミケと名前と事務所の電話番号、ミケの個人携帯番号記されていた。そうか・・今思うとミケは名刺を持たされていなかった、だから昨日、ノスタルジーJKのキャストから俺が名刺を受け取った時、ミケの奴、へそを曲げたのか。「ミケ、大事にするよ!」と俺はミケに言い名刺を懐にしまう。「おう、レアものにゃあ、家宝にするにゃあ」とミケは嬉しそうに返した。「あら、あら、ミケ、嬉しそうで何よりよ、奮発した甲斐があったわw」とミケが喜ぶ姿に所長は微笑む。そして、はしゃいでいたミケだが何かを思い出した仕草をして、「あっ、ウシ子にこれを貰ったにゃあ」と手提げ紙袋を所長に手渡す。「あら、あら、そんなに気を使わなくても良いのにw、じゃあ、これで季節外れの中秋の名月を祝いましょう、二人は疲れたでしょうからソファで寛いでね」と所長は奥になる給湯室に行く。俺たちはソファに掛けて、所長を待つ。10分ほど経った頃、所長が給湯室から手押しワゴンを押して帰って来て、俺たちの前にある長方形のテーブルにティポットを置き続いてティーカップを人数分置く。所長はおもむろにティーポットを手にして傾けて、それをティーカップに注ぐ。すると香しい紅茶の香りが広がりティーカップは鮮やかな朱色に染まる。「いい香りにゃあw」とミケは愉悦し、「ああ、そうだなw」と俺も同意。所長は少しフフっと笑い、今度は手押しワゴンから中皿に乗せた切り分けた大きい月餅を取り出し、俺たちの前のそれぞれ置き、所長もソファに腰を下ろし脚を組むと太ももが大胆に露出した。「所長!、志村君がやらしい目で太ももを見ています!」とミケが突然告げ口。「あら、あら、志村君、私がいくら魅力的だとしても、そんなに情熱的に見られると、所長困っちゃうw」と小悪魔ぽいっ仕草。「面目ございません・・さーせんした」と俺は素直に、そして変化球謝罪。「まあ、いいでしょうw」と所長は俺の謝罪を受けいれ、「さあ!、食べましょう!」と号令。「はーい!」と俺とミケは返事をした。

 

ー終わりー

 

 

 

 今回ご紹介する曲は、作詞作曲をGuianoさん、イラストをおむたつさんによる私は、私達はです。

 

 絵はへたくそ、運動は人並み、勉強は平均以下、私には何があるんだろう・・。私と言う存在を色づけるなら何色になるのだろうか?。恐らくひどく曖昧でモノクロになりそうな予感がする。世界はこんなにカラフルで様々な色に溢れているのに、空はこんなに青いのに、私だけ色が無い・・。瞳から涙がとめどなく流れて、私はそれを拭い、ざわつく心がジワジワと熱を放ち、渦巻く感情に色が染まっていく事に気が付く。何だ・・私にも色が有るじゃない・・!、もう大丈夫、私には怖いものはない。

 

 本曲は、個性という、己の存在を表すオンリーワンの特色がない事に悩みながらも、それは詭弁であり、まやかしだと看破した本曲の主人公が、私という自己を確立する歌を可不さんが歌います。

 

 本曲の題名、私は、私達は、の意味合いとしては、個人的な解釈になりますが、個性という多くの人々が求め羨み誰もが願う己を特定する特色は幻想であり、そうだと願えばそれが個性で、私は、私たちは意識をする必要が無いという意味合いだと自分が感じました。

 

 


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 本曲の歌詞は、熱い魂が込められていて、その熱量にあてられ、心が共鳴して胸の奥が熱くなりますね。特に心をという歌詞から始まるサビの部分は、心がジーンと来ましたよ。

 

 本曲、私は、私達はという曲は、人類が自我を確立した時から脈々と求め願う個性を題材にした魂の熱伝導率100%の歌詞は、聴き手の心にダイレクトに熱量が伝わり、ジワジワと心が温かくなる素晴らしい曲です。是非、本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

可不