煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

弱い自分の一面を受け入れるVOCALOID曲

 

 こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 日銀のマイナス金利がの解除が決定して、いよいよ我が国は金融政策を大きく転換させ進む様です。現在の為替の様子ですが、マイナス金利の解除後の金利は-0.1%から0~+0.1%程度ですので、為替へ影響はほぼ無風に等しく、円安に傾いたままになっております。ネットや様々な記事を拝読してみると、過去の例からも日銀自身による利上げによって起きる円高は限定的で、本格的に円高に振れるのは、アメリカの利下げ次第とみている様です。まあ、為替よりも自分が懸念しているのは、積立ニーサに対してどう影響を受けるのかにつきますね。日銀がETFの買い入れを終了した事から、これまでの様に上り調子ではないと火を見るより明らかで、折角コツコツと積み立てたお金が目減りした時のストレスに耐えきれるか今から不安です。何事も起きなければいいのですが・・・。

 

今回のお品書きになります

 

 

煮干しのお送りするちょっとした物語

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。





 この国には、人の言葉を理解し操り、人の姿に化けれる通称化け者と言われる動物たちと、八百万の神々がいる。しかし、薄皮一枚向うにある奇々怪々な世界を知らずに殆どの人は日々の生活を送っていた。走る電車の中で寄りかかり景色を眺めている、爽やかマッシュの髪型に、それなりに整った髭、白いワイシャツにダークグレーのベスト、紺色のデニムにアウトドアタイプの革靴を履いた二十代半ばの男もつい最近までそう言った大勢の一人だった。彼の名は志村、ホームレスの様な生活から、化け者たちとの邂逅を経て神様との契約をし、この国で数少ない人外の者たちを認識している一人になった。その稀有な立場から志村は日々碌でもない事を体験していて、今現在もそう言った事を体験している最中であり、途方に暮れていた。彼は今、自身が契約している神様から数点の貢物を所望されている。所望されているのは、極旨コロッケと名高い狐コロッケ、及びコロッケマスターなるソースだ。狐コロッケを首尾よく見つけたまでは良かったが、もう一つのコロッケマスターは手がかりも見つけられず、藁をもすがる思いで、彼の上司である雇人の所長に頼ったがダメだった。死んだ目で景色を眺めている志村。そんな彼の耳に、「次は稲荷歓楽街、稲荷歓楽街、お出口は右側です」と車内放送が流れる。電車がゆっくりと停車をしてドアが開くと志村はトボトボと歩き下車をする。稲荷歓楽街、それは志村の職場があり、言わば彼のホームグランドの様な場所だ。かの地名の経緯は江戸時代に遡る。あの吉原遊郭に対と成す遊郭がこの地にあって、中心に稲荷神社があったところから稲荷遊郭と名付けれた。明治時代になり、神社合祀によって稲荷神社が無くなった後も風俗街は残ったが空襲により焼け野原になる。昭和になると岩戸景気が到来し、以前の様な風俗店が集まり、今現在の歓楽街が形成され、地名として稲荷の文字は入れた稲荷歓楽街という地名になった。そして、今日の稲荷歓楽街に繋がる訳だが、この土地の名前の由来になった稲荷神社、実は明治の神社合祀を逃れ、空襲を耐え抜き、現存している。だが、普通の人々はその稲荷神社を認識する事は出来ない。化け者を始め、志村の様な人間のみが認識出来きるのだ。その為、稲荷歓楽街のランドマークは何かと尋ねて、通常なら重要文化財の彼岸橋のところを、もし稲荷神社と答えた者がいたら警戒しなければならない。前述でも述べている様に稲荷神社を認識できるのは化け者か志村の様な極わずかな人。つまり、高確率で人でないのだ、更に稲荷歓楽街の化け者なら不用意に稲荷神社の存在を口にしない。そして、比較的、大人しい稲荷歓楽街の化け者に対して、外から来た化け者は獰猛且つ、ある種の選民思想を持っている可能性が高い。もし、稲荷神社を口にした者と対峙したならば、適当に話を合わせて一目散に逃げる事を推奨したい。

 

 稲荷歓楽街駅から志村と共に、様々な人々が出て来る。この歓楽街は一般の人からは忌避されており、この駅で降りるのは歓楽街に職場があるホストやキャバクラ嬢、風俗嬢と言ったいわゆる夜職をしている人、以前の志村の様に食い詰め物のホームレスの様な人、ここでしか味わえない快楽に魅入られてしまった風俗店を目指すお客の三種類しかいない。その為、不用意にこの場所に仕事場があると言ってしまうと、志村を応対した美容師の様に委縮をして敬遠する。志村と共に駅から出てきた人々は各々の目的を果たすため散り散りに歓楽街に消えていき、志村も目的の場所にうつむき加減で歩いて行った。志村が向かっている場所は稲荷歓楽街を一本通るそこそこ大きな川、三途(さんず)川に架る橋、彼岸橋を目指していた。志村は道中にある風俗店に視線を向けると、開店前の準備で店員さん達は忙しそうに準備に追われおり、お店で使うものを慌ただしく搬入作業をしている。志村からしたらいつもの光景なので直ぐに興味を無くし、どこを見るという訳でも無く歩く。そんな志村に声を掛ける者がいた。「あれれ?w、志村さんじゃないですか?」と若い女性の声。志村は反射的にそちらを向くと、ポケットテッシュを沢山詰め込んでいる籠を持って、だらしなく空いたワイシャツにネクタイを崩して身に付け、ミニスカートから小麦色の太ももを露わにし、ルーズソックスにローファーを履いた古のJKが彼の目に映る。そのタイムスリップをしたのかと思われる姿の女性は、志村の事務所の隣の雑居ビルに入っているノスタルジーJKというお店のキャストである。顔見知りである彼女に対して志村は急遽気さくな雰囲気になり。「お疲れ様です、これから仕事?」と尋ねた。ノスタルジーJKのキャストの彼女は笑顔で、「はい!、そ・れ・よ・り・もw、今日はやけにめかしこんでますねw、彼女さんとデートですか?」と答えて志村の容姿の理由を尋ね返す。志村は頭をかきながら、「いや、デートじゃないよw、たまたまこの服装にしただけで特に意味は無いよw」と誤魔化す。高級デパートに行くためにこしらえた一張羅とはとても言えない志村であった。取り敢えず納得したノスタルジーJKの彼女は、「ふーん、じゃあ、暇ならお店に来てくださいよw」と店に誘う。志村は焦りながら、「い、いや、今日はそんな気分じゃないからまたの機会にね」と遠慮。ノスタルジーJKの彼女は口をへの文字して、「ぶー!、いつもそうやってはぐらかす!、一度くらいは来てくださいよ、うちはお酒は出ないし、ちょっと高い喫茶店みたいな店なんですから」と言う。彼女の言っている事は本当だ。ノスタルジーJKは、お客は入店時に指名をしてもらい、思い思いの制服に着替えて、キャストとお茶をしながら送れなかったオッサンが青春を取り戻すサービス。風俗と銘打っていはいるが、健全なお店なのだ。受験勉強に明け暮れて、或いは奥手で青春を謳歌できなかったオッサンたちに好評で、稲荷歓楽街というアングラな立地でもリピーターが大勢いる。更に、ノスタルジーJKが提供しているキャストとのポケベル文通サービスはオッサンたちを大いに歓喜させた。ノスタルジーJKの女性は、「じゃあ、これ差し上げます、絶対来てくださいね!」と志村にポケットテッシュを握らせ、駅前の方へ去った。志村はやれやれとばかりに頭をかきながら、ポケットティシュをデニムのポケットにねじ込み歩き出す。数分もすると目的地の彼岸橋が見えて、志村はそのまま橋の真ん中まで到達すると、三途川を眺めた。志村は最近、何か上手く行かない事があると、この場所に来ることが増えていた。何故だかは分からない、ここに来れば何かいい案が浮かぶ訳でもない、自然と足がここへ向いてしまうのだ。三途川はいつもの様に流れ、夕陽に照らされた水面は、黄金色になっていた。その光景を見ながら志村は、「はあ」とため息。志村はこれまで数回の神様の所望するものを、何とか見つけることが出来た。だが、今回は手がかりがまるで無い。コロッケマスターなるソースが個人販売だったら、伝手が無い志村はお手上げであり、事実上詰んでいる。志村は、「はあ」とまたため息。志村の脳裏に、もし神様の要求に応えられなかった時、どのようなペナルティがあるのか?、いっそう所長に泣きつくか?とグルグルと反芻し、背中が丸まり縮む。そんな志村から風下へ数百メートル先に、メイド服で黒髪ツインテールの女性がいそいそと小型オート三輪に積まれている段ボールから缶ジュースを取り出し、自販機に補充をしていた。彼女は自販機の補充が終わると、スンスンと匂いを嗅ぎ、口元がニヤリと笑い、オート三輪に乗り込み走り出す。彼女の運転する小型オート三輪は彼岸橋の真ん中、つまり志村が立っている真後ろで止まる。彼女は颯爽と降りて小型オート三輪に寄りかかりながら不敵な笑みで、「そのしょぼくれた背中は志村じゃないかにゃあ?w」と言う。志村の背中はビクッと動くと振りむき、「ミケか・・・」と言い再び三途川を眺める。志村の言ったミケという名、紛れもなく黒髪ツインテール姿の彼女の事を指す。その、まるで猫の様な名前の訳は、化け者で化け猫に属している正真正銘の三毛猫であるからだ。因みに志村の上司で雇人の所長は化け者で化け狐に属していてミケは同僚、つまり志村は人外の者たちに囲まれながら仕事をしている。当初は驚きの連続であった志村であったが今では慣れてしまいあまり驚かない。志村の予想外の反応にミケは調子が狂い、「な、何にゃあ、そのリアクションは、何かあったのかにゃあ?」と心配しながら志村に尋ねた。志村は振り向きもせず、「神様の要求に応える事が今回は出来なさそうなんだ・・・」と答えた。ミケは考える仕草をし、「神様って、お前が以前に稲荷神社の神器を承った時の神様かにゃあ?」と再び尋ねる。志村はゆっくり振り向き、「そうだよ・・・今回はヤバいかもしれない」と余裕がない顔つき。ミケは神妙な顔で、「マジかにゃあ?」と確認。志村は即座に、「マジ」と一言だけ言って肯定する。二人に強めの風が吹き付け、しばし無言になり、ミケが口を開き、「今回の要求は何にゃあ?」と沈黙を破った。志村はため息をつき、「うん・・・コロッケマスターというソース」と言う。そして再び沈黙する二人。しかし、ミケの体が、小刻みに震え、「ぷっ・・・、あははははw、志村w、お前w、ソースのせいで罰が当たるのかにゃあw」と腹を抱えて爆笑。志村の顔が真っ赤にあり、「他人事だと思いやがって!、こっちは必死なんだよ!、ソースの所為で罰が当たるなんてまっぴらごめんだ!」と怒鳴る。その瞬間、彼岸橋を往来していた人々が二人に注目。ミケはキョロキョロと周りを見回し声を潜めて、「志村、続きは車内でするにゃあ」と小型オート三輪に乗り込むことを志村に促した。二人は車内に乗り込みむと同時にため息を付きく。志村の方はキョロキョロと車内を見回し、「今更だけど、お前・・・、これ買ったの?」とミケに尋ねる。ミケは少し不機嫌な感じで、「遅いにゃあ、普通はいの一番に言う事にゃあ!、まあ・・・そうにゃあ」と答えた。志村は車内のあれこれをいじくりながら、「また・・・何でオート三輪?」と言う。ミケと得意げに、「まあ、歓楽街の道は細くてクネクネ曲る小道が多いにゃあ、自販機の補充にこの小型オート三輪はもってこいにゃあ!」とドヤ顔になる。志村はいじりまわすのを止めて、「まあ、そりゃあそうか、自販機のサイドビジネス儲かってるんだ?」とミケの経済事情を探る。ミケはやらしい顔で、「まあにゃあw、お陰様で今や62台の自販機を回してるにゃあw、そろそろ人を雇うかと考え中にゃあ」と得意げに返す。志村は少し動揺した感じで、「へ、へー、そ、そりゃあ凄いな」と言い、少し考える様な仕草をした後、「あれっ?、お前って免許証、持っていたっけ?」とミケに免許の確認。ミケは鼻を鳴らし、「馬鹿にしないで貰いたいにゃあw、ほれっ」とミケは運転席の小物入れに入れてあった財布を取り出し免許証を志村に見せた。ミケが差し出した免許証には、今と同じメイド姿のミケがメロイックサインをして挑発する仕草の証明写真があった。志村は苦笑いで、「時々こんな感じの写真を撮る人がいるけど・・・、まさか身内から出るとわね・・・」と呆れ顔。ミケは志村から免許証を奪い返し、「今の時代、個性は大事にゃあ、オンリーワンじゃなきゃ生き残れないにゃあ」と抗議した。志村はミケからの抗議を一笑に付し、「まあ、別に良いけどさw、免許いつ取ったんだよ」とミケに尋ねた。志村の態度に納得が行かないミケであったが、「所長のおすすめの24時間免許センターに行って、深夜帯のキャンセルを取りまくり、免許を速攻取ったにゃあ」と免許取得の経緯を説明する。志村は感心したような顔をし、「へー、そんな所があるんだ」と言う。ミケはすかさず、「隣街にあるにゃあ、イノシシの化け者が経営している免許センターだから、あたいの様な化け者には打って付けにゃあ」と補足をした。ミケが志村の匂いで察知して、わざわざ会いに行ったのは同僚だからと言う理由だけじゃない。ミケはこの小型オート三輪を購入した時、周辺の同族である化け猫たちに自慢をした訳だが、ミケの承認欲求を満たす反応は返って来なかった。それにはちゃんとした理由がある。その理由を説明するには少々化け者たちの説明しなければならない。化け者たちは基本、化け力という力を源にして人に化ける以外、種族ごとの特長がある。ミケが属している化け猫は、化け力を体内で燃やして身体強化する効率が他の種族より優れており、特に瞬発力強化に赴きを置く者が多い。所長が属している化け狐だと、多種族にはない化け力を術という儀式や行動をして、奇跡を起こす事が出来るが、身体強化は不得意である。ただし、所長は例外で、全てにおいて優れており規格外のバケモノなのだ。話を戻そう、同族の化け猫の反応がイマイチの理由、それは自動車に乗るより、自身の足で移動する方がはるかに早いからだ。ミケが小型のオート三輪を見せても、己より劣る乗り物に興味を出さないのは当然の成り行きだった。ミケは次に所長に見せようとしたが、高級SUVやスポーツカーを所有している彼女に見せても、表面上は驚いて褒めてくれるだろうが、心の底からの羨望をする事は期待できない。そこでミケは志村をターゲットに定め、元落伍者のあいつならと、休日明けに見せようと計画をしていた。そんな所に志村の匂いが風に運ばれてきて、計画を実行に移したのだ。

 

 志村は改めて車内を見回し、「そうか・・・、車を買ったのか・・・」と羨ましそうな表情。その仕草にミケの承認欲求が満たされ、「にゃはははw、大いにうらやましがるが良いにゃあw」と高笑いをした。志村は片眼を痙攣させ、「くそっ・・・、オート三輪何てどこで買ったんだよ」と忌々しいと表情をしながらミケに尋ねる。ミケは高笑いを止め、「それはにゃあ、知り合いの自動車零細企業、猫山自動車から購入したにゃあ」と答えた。志村はその聞いた事がない自動車メーカーに興味が惹かれすかさず、「猫山自動車?、お前の知り合いという事は化け者か?」と再び尋ねる。ミケは頷き、「そうにゃあ、あたいと同じ化け猫にゃあ、でもお前も多分知っている猫にゃあ」と言う。志村は首を傾げ、「知っている?、俺が歓楽街で会った事がある化け者か?」と確認。ミケは首を横に振り、「多分、会った事が無いにゃあ、斎藤!スパナ!って聞いてピンとかないかにゃあ?」と志村になぞかけをする。志村は考える仕草をして、「あっ!、ネットで見た事がある車の下にいる猫の画像!、あの猫が猫山社長なのか?」と答えを要求した。ミケはニヤリと笑い、「正解にゃあ、あの写真はうっかり者の猫山社長が、猫の姿のまま車の整備をしていたのを偶然通りかかった人に激写された画像にゃあ」と真相を明かす。志村は驚いたが心配そうな表情で、「これって結構ヤバい事じゃないか?」とミケに問いただす。ミケはウインクして、「心配ご無用にゃあ!、所長が即座に動いて、お抱えの電子部隊を使い、ネタ画像であると印象操作して事なきを得たにゃあ」と志村の心配を杞憂だと教える。志村はホッとした表情で、「そうか、それは良かったw、でっ?、この車の車種名は何だよ?w、教えろよ?w」とよいしょする様な感じでミケに車種名を聞く。ミケの承認欲求のキャパシティーオーバーが起こり、脳汁がドバドバと出て、「しょうがないにゃあw、ニャンバーにゃあ」と天狗状態でニヤケながら言う。志村の表情はスッと真顔になり、「・・・ニャンバー?」と言い、志村の脳裏にはある車種が浮かんだ。それは、白瀬重工製の軽トラック、ジンバーだった。ジンバーは軽トラックでありながらミッドシップという変わり種で、人馬一体をコンセプトにしていて、ジンバーと開発車に名付けられる。その突飛なコンセプトにより一般受けはせず、10年程で生産終了になった。志村がこの件のトラックを直ぐに思い浮かべたのは、サニーレタス農家である父親が愛車として乗っていたからであった。そして、高校3年間の通学時には、父親がこの軽トラックで駅まで送り迎えをしくれたのだ。高校時代の青春と直結しているこの車種は、志村にとって大変思い出深いのである。志村は改めて車内を見回し、「最初にこの車に入った時、車内の様子がなーんかどこかで見た既視感というか・・・懐かしさを感じたんだ・・・」と言い、続けざまに、「もしかして白瀬重工製のジンバーという生産終了した軽トラックと関係があったりするのか?」と最後はジト目でミケを見た。ミケはビクッと体を揺らし、「は?、何の事にゃあ?、い、言いがかりはよして貰いたいにゃあ!」と露骨に動揺を始める。志村は少し黙り込み、「このオート三輪ってミッドシップ(エンジンの位置が車体の中央にある車の総称)なんだな!、驚いたよ!」と急に違う話をミケに振った。琴線に触れられたミケは再び脳汁がドバドバ出て、「志村にしては目の付け所が鋭いにゃあ!、そうにゃあ元の車がミッドシップだからそれをそのまま流用させて貰ったにゃあw」と言い終わった瞬間、ハッとする。志村は不敵な笑みを浮かべ、「語るに落ちたなw、駄猫!、どうせ、生産終了したジンバーの余ったパーツを格安で秘密裏に買い取ったんだろ?w、それっていいのかな?w、違法じゃね?w」と勝ち誇った。ミケは歯ぎしりをして、「う、うるさいにゃあ、バレなきゃどうとでもなろうにゃあ」と開き直る。志村はヤレヤレとばかりに、「あー、もしかして、そのまま組み立てたら、ヤバいからオート三輪として改造したのかな?、という事はある程度はオリジナルパーツも含まれているのかw、まあそういう意味ではオリジナルか?w、いやーミケさんw、最初は車買ったと聞いて尊敬したけど、がっかりさせないで下さいよw」と嘲笑。ミケは額にしわを寄せ、「うるさいにゃあ!、あたいの車は合法にゃあ!、猫山社長が法的に問題無い様にしてれたにゃあ、あたいの事よりお前は気にしなければいけない事があるんじゃないのかにゃあ?」と志村のいやらしいロジハラをかわそうと話題を変える。その瞬間志村の顔が歪み、「ばっ、ふざけんなよ!、折角忘れてストレスから解放されていたのに!、ああ・・・どうしよう・・・」と頭を抱えた。その様子にミケはニヤリと笑い、「はっ!、いい気味にゃあw、こ、コロ・・・なんだったっけかにゃあ?w」と神様の要求を尋ねた。志村は下を向いたまま、「コロッケマスター・・・、ソースなんだけど・・・知ってる?」とボソボソと言う。ミケは思い当たる節があるのか、あっと表情をして、「さあ、知らないにゃあw、志村、これはあたいからのこころばかりにゃあ」とドリンクホルダーに入っていた手を付けてないコーラを差し出す。志村はミケの表情を見逃していなかった。この駄猫は知っている・・・、そう確信をして志村は、「すいませんでした!、折角買った車にケチをつけて、申し訳ありません!、ですから、コロッケマスターの事をお教え頂けないでしょうか?」と思いっきりへりくだった言葉で交渉。ミケは先程の志村の様にせせら笑い、「どうしよかにゃあw、さっきの心無い言葉であたいの心はボロボロにゃあw、これでは自販機の補充がままならないにゃあ・・・、誰か手伝ってくれる人はいないものかにゃあ?」と演技がかった調子で泣きまねをしてチラチラと志村を見た。志村は一瞬、ぐっと怒りが込み上げたが強引に抑え込み、「ミケ様、ここにいますよ、その打って付けの人材が」と自信を指す。ミケはわざとらしく驚き、「マジかにゃあ!?、いやー助かったにゃあw、じゃあ、これから自販機の補充にレッツゴーにゃあ」とエンジンを始動させた。

 

 それから数時間後、志村たちが最後の自販機の補充が終えると、日がすっかり落ちていて、夜の帳が降りていた。小型オート三輪の荷台に満載してあった缶ジュースの段ボールは畳まれて片付けらてすっきりしている。志村は腰を押えながら、「おい、もういいだろう?、教えてくれよ」とミケにコロッケマスターの事を聞きだそうと試みる。ミケはタブレットを操作しながら、「しょうがないにゃあ、確かあたいが稲荷神社の家猫時代に、皐月たちがそんな銘柄のソースをかけてコロッケを食べていたにゃあ」と答えた。志村は即座に、「マジで!?、よっしゃ!、明日稲荷神社に早速行こう!、うん?」と喜んだ後、何かが引っ掛かったのか妙な顔をする。ミケはタブレットの操作を止めて視線を志村に向けて、「どうしたにゃあ?」と言う。志村は、「今日さ、所長に会って聞いたんだけど、一言も神社の事を言わなかった・・・、実家の事だぜ?、そんな事あるか?」と上司に不審を抱く。所長の実家は稲荷歓楽街の中心にある稲荷神社である。彼女の妹、皐月が神社を引き継ぎ切り盛りをしているのだ。ミケはため息をつき、「それは多分、本当に知らないからにゃあ」と志村の不審に物申す。志村はすかさず、「何でだよ?、実の妹の事だぜ?」とミケの言葉の真意が分からない。ミケは口を開き、「所長は醤油派にゃあ、コロッケもドバドバ醤油にゃあ、家庭料理全般は基本醤油で食べるにゃあ」と言った。志村は首を傾げ、「はっ?、意味わからん・・・だから何?」と困惑。ミケは再び口を開き、「皐月たちはにゃあ、所長が遊びに来て皐月が家庭料理を振舞う時、ソースを隠して醤油だけにするにゃあ、あたいもその徹底ぶりを見て驚いたにゃあ、正直、あの姉妹の関係性はよく分からないけど、皐月たち親子が好んでソースを使っているのを所長は知らないはずにゃあ」と稲荷神社親子の意外な一面を話す。志村はその話を聞いて、「ふーん・・・そうなんだ、確かに少しおかしい事だけど、それなら知らないのも無理はないな」と一応納得。ミケはニコリと笑い、「まあ、今日は遅いから明日出直して、皐月に聞いてみるにゃあ!」と志村を鼓舞する。志村は笑顔で、「おう!、そうだなw、今回はどうなるかとヤキモキしたけど枕を高くして寝れそうだw」と言う。ミケは安心したような表情をすると、「今日は気分が良いにゃあ、晩御飯を奢ってやるから、さっさとあたいの愛車に乗り込むにゃあ!」と小型のオート三輪ニャンバーに乗り込み、志村も続いて助手席に乗り込み夜の稲荷歓楽街に繰り出す。小型オート三輪ニャンバーは路地から出て大きいメイン道路に出ると、稲荷歓楽街の北側に位置する飲食通りに向かう。稲荷歓楽街は圧倒的に風俗店ばかりだが、北側に位置する飲食通りには、風俗店で働いている従業員御用達の飲み屋と飲食店が立ち並び、彼らの生活に合わせて、午後10時から翌日の午後1時まで営業しているのだ。仕事が終わると歓楽街の北側に行き飲み食いをして、タクシーを拾い帰宅して寝る。それが稲荷歓楽街での多くの従業員がしているアフターだ。小型オート三輪ニャンバーをコインパーキングに停めると、二人は飲食通りを練り歩く。中華、洋食、居酒屋、回転すし、回らない本格寿司店、天ぷら屋、定食屋、よりどりみどりだ。二人はキョロキョロと見回し、往復を二回ほどして、定食屋に入る事にした様子。定食屋に入ると二人を年配の女性が、「いらっしゃい、お好きな席へどうぞ」と迎える。ミケは相変わらずメイド服だが、土地柄なのかお客を含め店員誰一人気にする者がはいなかった。カウンターに座った二人に年配のおばさんが即座に水を差し出し、「あらwメイドのお嬢さん、いつものジャイアントアジフライ定食にする?」と言う。ミケは少し悩みながら、「そうするにゃあ」と返す。ミケはこの定食屋の常連だった。自販機サイドビジネスを始めてから自炊する時間が無くなり、ここの定食屋で晩御飯にする事が増えていたのだ。隣にいた志村は、「えっ!?、ここの常連なの?」と驚く。ミケはゴクリと水を飲み、「そうにゃあ、最近は自販機の補充が忙しくて自炊する暇がないにゃあ」と言う。そんなミケに対して志村は、「あまり無理をするなよ・・・、所長の仕事もあるんだから」と心配をする表情。ミケは自身の目の前にあった割りばし入れから二つ取り出し志村の前に置くと、「分かっているにゃあ、子供たちにある程度のお金を残してやりたいにゃあ・・・、それに化け猫シンジゲートから、二人ほど雇いたいと打診している所にゃあ、心配ないにゃあ」と志村の心配を払拭した。ミケは、上から茶太郎、茶次郎、茶美恵、茶美子とチャトラ四兄妹の母であった。それぞれ別の人間に飼われおり、特に心配する事は無いが、母親としての彼女は不測の事態が起きても子供たちを守りたいという心構えがサイドビジネスをする動機になった。志村は、「なら良いけど・・・」と水を一口し、「おばちゃん!コロッケ定食!」と注文。二人は最近の仕事の話しながら時間を潰していると、数分後に注文した品が来た。ミケの頼んだジャイアントアジフライは、顔より大きいダイナミックなアジフライでミケの箸がアジフライを割くとパリパリと小気味いい音を鳴らし油が滴った。そんな光景を見た志村はゴクリと生唾を飲み込み今度はそれにしようと決めつつ、自身が頼んだコロッケを小皿にあるソースを付けて食す。すると志村は目を見開き、「何これ!?、滅茶苦茶美味いなw」と絶賛。志村は知らない、そのソースがコロッケマスターなるソースだという事を。更に言えば、この店に頼めばお持ち帰りする事も出来た訳だが、そんな事は知る由もない彼は呑気に舌鼓をしていた。

 

ーつづくー

354曲目の紹介



 今回ご紹介する曲は、作詞作曲と映像をマサラダさん全てお一人で手掛けた、ちっちゃな私です。

 

 本曲は、冷静に見れば大したことでない事をいつまでも気にしてしまう、そんな矮小な己の一面を幼くて弱々しく小さい弱者と見立てた曲中の主人公。異物として突き放すが、結局は切り離す事が出来ない己の大事だ一部と悟る歌を、重音テトさんが歌います。

 

 本曲の題名、ちっちゃな私は恐らくですが、弱々しい己の一部を己の中の異物と認識して、強がっていた曲中の弱い私を指していると思いました。

 


www.youtube.com

 

 

 本曲の様な動画を都度、NHKみんなのうたみたいと表現してしまいますが、正しくみんなのうたみたいですw。道徳性が高い歌詞と動画は、心が洗われる感じがして、一種の清涼感が満たされて爽やかな気持ちになれて良かったです。

 

 本曲、ちっちゃな私は、誰しも芽生えて内包している弱い部分をフォーカスした曲です。弱い己と対峙してコミュニケーションする大事さを聴き手に伝えてくれる爽やかな曲が、聴き手の心に優しいそよ風を起こし、ドヨドヨとした心の雨雲を取り除き、晴れ晴れとした快晴な気分にしてれる多変素晴らし曲ですので、是非!、本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

重音テト