煮干しの一押しVOCALOID曲

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別れの先にあるのは・・?なVOCALOID曲

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 エフゲニー・プリゴジン氏が反旗を翻して行った騒乱はロシアの首都・モスクワの数百キロまで進軍して停止後、同氏がベラルーシに亡命、若しくは預かりになり、収まりました。この騒乱には様々な憶測が流れて、未だに不透明な状況が続いていますね。いやーこれは青天の霹靂でしたよ!。プリゴジン氏の目的は分かりませんが、彼の経歴は面白いです!!。窃盗と強盗、売春で二度の逮捕から始ままり、叔父とホットドック販売で成功を収めると、ロシア初のカジノを設立、その後、レストラン事業を始め成功、同事業によって建てられた水上レストランでプーチン氏の誕生会を主催した事によって親友関係を築き、プーチン氏の料理人という異名を得て、ドンバス戦争が起きると民間軍事会社ワグネルを設立して様々な軍事に関わり、そして、反旗を翻してモスクワに進行。ヤバくないですか?wホットドック売りからモスクワ進行にどうして繋がるw面白過ぎる人生を歩んだ彼に人間性はともかく、豊臣秀吉の様な農民から天下人になったロマンを感じます!。今後の彼の動向に目が離せないですね!それでは310曲目の紹介とちょっとした物語をお送りしたいと思います。

 

 

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

※題名や挿絵にBing Image Creatorを使用しました

 

曲の紹介は下の方にあります!物語を飛ばしても構いません。

 

 中学三年生の夏、同級生たちは皆、進路希望先の学校に行けるように勉強を勤しんでいる。私も例外なく勉強に明け暮れていて、以前の様に友達と遊ぶ機会が激減した。学校が終わり塾に行き、自宅で夕飯を済ませ、自主勉強の毎日。この苦行が越えた先に何があるのか?私には未だに分からない。そんな疑問も勉強漬けで忘れかけたある日、数学の授業中にクラスメイトが体調を崩す。クラスメイトは宮本さんだった。ポニーテールで中学生にしてはスタイルが良いので男子からは人気だが、特定の友人を持たずいつも単独行動なミステリアスな存在。そんな彼女とは何故がよく目が合うがあまり話した事がない。「柏木!、君が保健室まで付き添ってやってくれ」と彼女の席に一番近い女子はである私に指名される。「大丈夫?」と私が宮本さんに声を掛け、右手を背中から回して彼女の肩を持つ。「うん・・大丈夫、ちょっと最近勉強に根を詰め過ぎたから・・」と宮本さんは青色吐息で答えた。彼女の進路希望先は有名私立の進学校。地域のトップクラスの秀才が集まり受験すると言われ、生半可な受験勉強では歯が立たないと、もっぱらな噂である。因みに私の進路希望先は偏差値が低くも無く高くもない高校だ。そうこうしていると、保健室の前まで来た。私がドアをノックすると「どうぞ」と中から保険の先生の声がする。そして、私はドアを開けて宮本さんを保健室の中に。「どうしたの?」と保険の先生が私たちを見て少し驚く。「あの、宮本さんが授業中に体調を崩したみたいです」と私は保険の先生に事情を話した。「分かったわ!、ベットに寝かして」と保険の先生は私に指示をする。「はい!」と私は返事をして、宮本さんを抱えながらゆっくりとベットに寝かす。寝かされた宮本さんは依然として体調は優れない様だ。保険の先生は体温計を持って来て、宮本さんの脇に入れる。楽な姿勢になったのが良かったのか宮本さんは少し顔色が良くなり私の方を向く。「柏木さん、ありがとう・・」と宮本さんは私に感謝の言葉を言う。「ううん、良いよ、気にしないで」と私は返し、宮本さんの手を握った。宮本さんも手を握り返して微笑む。すると、体温計の測定が終わった事を報せる音が「ぴぴっ」と鳴り、すかさず保険の先生が体温計を取り出し、「熱があるみたいね・・今日はもう帰りなさい、私の方から担任の先生へ連絡しますので暫くここで休んでなさい、それと付き添いのあなた!、教室に帰って授業を受けなさい」と保険の先生は私たちに指示をして保健室から退室した。

 

 「じゃあ、戻るね」と私が教室に戻ろうとした時、宮本さんが私のスカートを掴み、「待って、少し話をしない」と宮本さんは私を引き留めた。私は少し困惑しながらも、「えっ、良いよ」と了承。私は宮本さんが寝ているベットの近くに簡易椅子を持って来て座る。そして、「受験勉強どう?」と宮本さんは私に受験勉強の進捗状況を聞いてきた。「うーん・・ぼちぼちw」と私がおちゃらけ、「そう・・」と宮本さんは少し寂しそうに言う。「宮本さんは?、進学校を希望しているんでしょ?、どうなの?」と今度は私が聞き返す。「うん・・ちょっと、あまり思わしくないかなw」と宮本さんは力なく笑う。「そうなの?、宮本さんって結構頭いいんでしょ?」と私は再び聞く。すると、「私程度はごろごろいるんだよ・・」と宮本さんは切ない顔をして、保健室の窓から校庭を眺めた。「そなんだ・・噂は聞いていたけど、進学校はやっぱすごい所なんだね」と私は想像以上の苦難に挑んでいる友人に濁した言葉を返す。宮本さんは私の言葉を受け取ると振り返り、「まあ、受験の話はこれ位にしない?、それよりもさ、柏木さんは好きな人とかいる?」と話の方向を変えて来た。突如始まった恋の話しに私は困惑して、「えっ・・、突然何w」と辛うじて愛想笑いをして返す。「別に良いじゃないw、どうなの?」と宮本さんは更に私を問い詰める。彼女の顔は先程の様子とは打って変わって、血色も良く健康そのものだ。あれ・・何でこんなに元気が良いの?。「宮本さん?、体調は大丈夫なの?」と私は彼女に聞く。「うん、大丈夫よw、仮病だから」と宮本さんはあっさり白状する。「ちょっと!、先生にバレたら大変だよ?」と私は血相を変えて言った。「バレたらねw、大丈夫よ、後は具合が悪い演技をすれば大丈夫よw」と宮本さんはいけしゃあしゃあと言う。信じられない、彼女はクラスの中では比較的に優等生の部類。そんな彼女がこの様な事をするなんて・・。「それよりもさ、好きな人いる?」と宮本さんは証拠にもなく、再び私に尋ねる。「もう、知らない!、教室に帰る」と私は憤慨して保健室を出ようとした。すると、宮本さんは私の手を掴み、引き寄せ、保健室のベッドに倒す。宮本さんは私に覆いかぶさる形になり顔が間近に迫って、「ねえ・・どうなの・・」と中学生とは思えない色っぽい声で私に言う。「い、い、いないです」と私はしどろもどろになり答えた。「良かったw」と宮本さんは私の唇に唇を重ねる。初めて感じる他人の柔らかい唇、息づかい、サラサラの髪を束ねたポニーテールからするいい匂いと保健室の消毒液の匂いが、走馬灯の様に濃密な情報が短時間に脳内に流れる。そして、ゆっくりと唇が離れ、暫くお互いを見つめ合い、間近で見る宮本さんはすごく綺麗に見えた。衝撃的な同性によるキスの余韻でボーっとしていた私だがはっと我に返り、「なっ!何をするの!」と私は宮本さんを押しのけて、保健室を飛び出す。私は無我夢中で廊下を走った。途中、「廊下を走らない!」と誰かが注意したが、混乱していた私には確認をする余裕は無い。息を切らせながら教室に帰ると授業中の先生が、「どうした?、柏木」と私に聞く。徐々に乱れた呼吸が戻り、次第に周りの状況が分かり始め、クラスメイトが私に注目している事に私は気が付いた。「い、いえ、早く先生の授業を受けたいなw、見たいなw」と私はおちゃらける。その瞬間、教室は笑いの渦に巻き込まれた。「静粛に!、何だそりゃ?w、早く席に着け」と先生は微笑んで席に着く様に促す。「はい」と一言だけ返事をして自分の席に私は向かい、「どんだけ、勉強好きなんだよw」、「俺はサボりたいよw」などなど、クラスメイトに茶化されながら席に着く。その後、教室はいつも通りの授業風景になり、私は自分の唇を人差し指でなぞった。

 

 翌日、宮本さんは普通に登校してきて、変わりがない様子だった。いつも通りの授業風景が目の前で繰り広げられている最中、私は斜め前の宮本さんの背中を見る。昨日の出来事は何だったのか?、もしかしたら、イケてる女子はあいさつ代わりにキスをするのかも知れない・・。いやいや、まてまて、そんな話聞いたこと無い、そんな話があればネットなどで散見できるはずだ。じゃあ、昨日のあれは・・?、仮病まで使ったのは?、考えても分からない。思考の迷路に迷い込んだ私は、結局、授業が頭に入らず一日中、悶々とした時を過ごした。本日の授業もようやく終わり、下校をしようと身支度をしていた時、「ねえ、柏木さん、一緒に帰らない?」と誰かが肩を叩く。私が振り向くと、宮本さんだった。「えっ!?、宮本さん・・」と私は突然の接触に驚いた。「どうなの?ねえ?」と昨日の私にキスを迫ったやり方と同じような口調で彼女は言う。その瞬間、私は昨日の柔らかい唇とポニーテールの香、そして消毒液の匂いがする光景がフラッシュバックする。「ねえ、聞いている?」と宮本さんが再度、私に聞いた。「あっ、ごめんなさい・・あ、うん、いいよ」と私は了承。「良かった!、じゃあ、行こうか!」と宮本さんは嬉しそうな顔をして私の手を握り、下駄箱が有る昇降口に向かった。道すがら、女子同士でもあまりにも近い私たちを学校の生徒たちがチラチラと見てきて、彼らの目を気にした私は握った手を強引に振りほどく。すると、「もう!、何よ!、別に良いじゃない!」と私の行為に宮本さんは抗議。「でもさ、中学生になって友達同士で手を握るのはちょっと・・」と私は自分の行った行為に対して弁解し、後ろを振り向いて少し見ると、生徒同士がヒソヒソと何かを喋りながらこちらを気にしていた。「もう!、気にし過ぎよ」と宮本さんも後ろを振り向き彼らを睨み牽制しながら言う。宮本さんに睨まれて、いそいそと退散する彼らを横目に、「で、でも」と私は気弱な態度を見せた。その態度を見た宮本さんはニヤリと笑みを浮かべ、「私たち、もう一線超えた仲じゃないw」と私の両手を握りながら言う。私は慌てて振りほどき「あ、あの!、はっきりしたい事が有るんだけど!昨日のあれってどういう意味?」と昨日の行為の真意を聞く。「あれって?、キスの事?、ははは、好きだから決まってんじゃん」と宮本さんは私に告白めいた事を言う。「好きっ」と私が宮本さんの発言に驚いて喋ろうとした時、彼女は人差し指で喋る事を制されて、「詳しい話はね、裏道でしようよ」と言った。

 

 我が中学校は、学校から出るには二通りのルートがある。一つ目は、昇降口から真っ直ぐ伸びている広いアスファルト道路を通って正門から出るルート、二つ目は、学校の裏側に行き、裏山を避けて通る様に伸びている山道の様な道を通り、裏門から出るルートだ。裏門から出るルート、通称裏道は、付き合っている生徒同士が、人目を避けて帰れるので、よく好んで使う。私たちは昇降口から出て、学校の裏側に行き、裏道に入る。裏道は木々が覆い茂り、夏場という事もあり、セミや野鳥の鳴き声がした。「あの、さっきの話の続きなんだけど、好きってどうい事?、私たち同じ女の子だよ?」と私は宮本さんに真意を問いただす。「えっ?、女の子が女の子を好きになっちゃダメ?」と宮本さんは、あっけらかんと返す。これは・・漫画や小説で時々出て来る百合という奴か?。「ダメじゃないけど・・でも、私は女の子を好きはなれないよ!」と私は本音をぶつける。私の本音を聞いた宮本さんは目を見開き一瞬固まったが、ニヤリと笑い「分かんないよw、私だってつい最近だもん、女の子が好きって分かったの」と挑発的に私を煽る。「はあ?、そんな事あり得ないよ!、好きな男性アイドル推しがいるのよ」と私は至ってノーマルで男性が好きな例として、男性アイドルを挙げた。「そんなの証明にならないよw、私だって好きな男性アイドルいるもんw、恋とは別腹なのよw」と宮本さんはあっさりと論破し、更に「私はね、柏木さんに、こう、何というか、ビビット何かを感じるものがあったのよ、だから同類じゃないかと思っているの!」とランランと目を輝かせて言った。「ぜっ、絶対違うよ」と私はそう言うのが精一杯だった。段々と自分の性自認が怪しくなってきた・・、この子と一緒にいると何だかよく分からなくなる。「と、とにかく、私はノーマルなの!」と私は強引に線引きをした。しかし、宮本さんは尚も食い下がり、「えーw、本当かな?、昨日どうだった?、何かを感じたんじゃない?」と私の図星を突く。確かに・・昨日のあの時、不愉快な感じはなかった。だが、そんな事を受け入れられない私は反発して、「そんな訳ないじゃない!私帰るね!」と早歩きで先を行く。「ちょっと待って!」と宮本さんの声が後ろから聞こえた。

 

 それから、私たちは裏道を歩き続け裏門を出ると、お互い向き合う。「明日、休みでしょ?デートしない?」と宮本さんは私に尋ねた。「デート?、あのね!さっきも言ったけど私違うから!」と私は宮本さんの余りのしつこさに激高。「ごめんね・・ちょと調子乗り過ぎたね、じゃあ、遊ぶだけならいい?」と宮本さんは私の感情を刺激しないように慎重に言葉を選び、再度交渉に臨む。「遊ぶだけなら・・いいけど・・受験勉強いいの?」と私は渋々了承し、進学校を希望する宮本さんの状況が気になった。「大丈夫よw、楽勝って訳じゃないけど、勉強の方は極めて良好よ!」と笑顔で宮本さんが言う。「なら良いけど・・あっ、保健室で言っていた事、嘘だったの?」と私は納得しかけた時、保健室での会話を思い出す。「嘘じゃないよw、演出だってw、か弱い女の子を演じたから、ムードが出たでしょう?」と宮本さんは目を逸らしながら嘯く(うそぶく)。「嘘には変わりないじゃない!!、あっ、待て!」と私が追求しようとした時、宮本さんは逃げて、それを懸命に追いかける。その後、家路に着き、彼女からスマホに連絡があり、待ち合わせ場所と時間を決めた。

 

 青いキャンパスに大きい入道雲が空にそびえ立ち、セミやその他の虫たちの声がする。私は宮本さんと決めた待ち合わせ場所にいた。ここは自転車で30分位の場所にある展望台公園だ。私たちが住んでいる所は田舎の地方都市で、ゲームセンターや遊園地の様な気の利いた遊び場所は無く、精々、駄菓子屋位。そんな、娯楽が無い田舎でも、展望台公園は紛いなりにも観光スポットになっていて、売店やら、散策できるコースが整備されて、それなりに楽しめるため、観光客より地元の人間が楽しんでいる。待ち合わせは10分前行動が基本の私は、かれこれ、20分も待っている・・。遅いな・・、何かあったのかな?、まさか事故?などと、やきもきしていると、「お待たせ!、ごめんね、バスの乗り方が分からなくて」と宮本さんが待ち合わせ場所に来た。彼女はトレードマークのポニーテールはそのままで、ワイドデニムパンツと無地の緑色のワンサイズ大きめの半そでTシャツ、それと白いスニーカーを履き、クリーム色のトートバックを持っていた。「宮本さん、バスで来たの?」と私は尋ねる。「うん、自転車で来たら汗をかくでしょ」と宮本さんは何気なく女子力をアピール。ぐっ・・確かに、ここまで来るのに多少の汗をかいてしまった・・。私は折角のお気に入りの私服が汗ばんでしまったいるのを気にしている仕草する。「ごめんね!、暑い中待たせて、埋め合わせにソフトクリーム奢ってあげる!」と宮本さんは私の仕草に気が付き、手を握り売店に向かう。「ちょっと!、奢るって言うけど、大丈夫?」と私は彼女の懐事情を心配する。「大丈夫よ!、親が共働きだから、多少のお金を持たされているの!」と宮本さんは胸を張って言った。そして、私たちはそれぞれの頼んだソフトクリームを受け取り、見晴らしが良い場所の東屋に座る。彼女が頼んだのはバニラとストロベリーのミックス、私が頼んだのはチョコレートだ。チョコレートソフトクリームは地元のビニールハウスで育成したカカオをふんだんに使用した贅沢な代物で、地元の人間なら一度は食べている。私たちは東屋から遠くの景色を無言で眺め、お互い同じタイミングで一口食べた。すると、ヒンヤリとした感触が口の中に感じた後、濃厚なカカオのフレーバーが広がり、至福の時を演出する。「ねえ、一口食べさせてよ、お互い食べ合いっこしようよ」と宮本さんが私がチョコレートソフトクリームの美味しさに悦に浸っている私に提案。丁度、宮本さんが食べているバニラとストロベリーのミックスが食べたいと思っていた私は「いいよ」と快諾。お互いのソフトクリームを相手の口に近づけて、一口食べる。濃厚な牛乳の味とフレッシュなイチゴの風味が混ざり絶妙に美味い。「うーん、美味しい!」と宮本さんは私のチョコレートを食べて感想を漏らす。私は自分のソフトクリームの二口目に入ろうとした時、気が付く。私は宮本さんのソフトクリームを食べる時、気を使って敢えて口を付けてない部分を食べたが、私のソフトクリームはがっつり私がかじった所をダイレクトに食べていた。始めっからそれが目的だったのか・・。しかし、何故か今はあまり気にならない、私は視線を前を向き、目の前に広がる田園風景を見ると、恐らく西側か吹いた風によって緑の稲穂が波打つようになびく。なんだかんだ言って、デートみたいになってしまったな・・。それから、私たちは楽しくお喋りしながら散策コースを二人で周り、あっという間に夕暮れ時になった。

 

 「今日は楽しかったね」と宮本さんは笑顔で言う。「うん、楽しかったね」と私も笑顔で返す。正直、今日はどうなるか心配だったが、予想外に楽しかった。彼女はバスで帰るのでバス停まで一緒に行き、見送る事にした。「綺麗だね・・」と宮本さんが夕陽を眺める。「うん、そうだね」と私は同意。そして、「あのさ・・」と宮本さんが頬を染めながら何かを要求する仕草をした。私は察する。ちょっと前なら断固拒否していたが、この美しいロケーションがそうさせるのか、抵抗なく彼女の行為を受け入れた。柔らかい唇と息遣い・・二度目のキスは前より煽情的だった。その瞬間、私は悟った、保健室で起きたあの時、彼女に私の心は連れ去らわれていたのだと。唇が離れ、お互いを見つめ合い、暫く余韻に浸る。すると、バスが坂を上ってやって来てバス停に止まった。「じゃあね、また明日、今日は本当に楽しかったよ」と宮本さんはバスに乗り込む。そして、彼女は振り返り、「あきら!、私の名前は宮本晶!」と改めて自己紹介を今更する。ああ・・そう言えば・・私たち、お互いの苗字しか知らなかったっけ。「あみ!、私は柏木亜美!」と私も名乗り返す。お互い名乗り合うと宮本さんはバスの座席に向かい、「じゃあね、また明日!」と私は宮本さんの背中に言い、バスの窓際の座席に座った宮本さんは私に手を振り、私は負けじと手を振り、彼女が乗っているバスが坂を下って小さくなって見えなくなるまで見送った。

 

 次の日、学校に登校したが、宮本さんの姿は無かった。風邪かな?、でも、そしたら私に連絡ぐらいあるだろうし・・。朝のホームルームが始まり、担任の先生の様子がおかしい。先生は心痛な面持ちで話し始める。「えー、知っている者もいるかも知れませんが、うちのクラスの宮本晶さんですが、今朝がた交通事故に遭い、亡くなりました・・、先生も何と言って良いか分からない・・葬儀はクラスで出席するので、後ほど連絡します・・以上」と担任の先生は話が終わると、教室は困惑した声、泣き声や、軽いパニック状態になっていた。私はキーンと言う耳鳴りの中、先生の話したことが受け入れなくて、言葉が頭に入って行かない。なくなった?なにそれ?意味わからない・・。頭の中がグルグルと堂々巡りする思考が次第に私の意識を遠のかせる。頭が横に少しぐらついたと感じた刹那、私はベットに横になっていた。辺りを見回すと、保健室だった。私はゆっくり起き上がる。私の意識が回復したのを気が付いた保険の先生は、「大丈夫?、何故ここにいるか分かる?」と保険の先生は心配そうに、私の顔を覗く。「大丈夫です・・、あの、何で私ここに?」と私は事態の把握に努める。「あなたは教室で気絶したのよ、凄い大騒ぎになったんだからね」と保険の先生は私の知りたい事を教えてくれた。「じゃあ、担任の先生に報告しに行くから、安静にしててね」と保険の先生は保健室を退出する。全てを把握した私はベットに再び横になり、腕で目を覆う。先ほどホームルームで先生が話した事が蘇って、私はようやく理解し始めた。宮本さんはもういない・・。私は唇を人差し指でなぞる。その瞬間、涙が瞳から溢れ、嗚咽を漏らす。誰もいない保健室に私のすすり泣く声だけがした。そして、宮本さんの葬儀にはクラスメイト全員参加して彼女を見送る。改めて、宮本さんがいなくなった事が実感できたがその場では何故か涙が流れなかった。数日後の日曜日、私は宮本さんと遊んだ展望公園の東屋に一人で佇んでいた。夕暮れ時で、田園が茜色に染まり、稲穂が風でゆらゆらと揺れている。葬儀から数日、何故だかは、わからないが、無意識に宮本さんを探してしまう。たった二日だけど、濃密な付き合いをした宮本さん。彼女を失った喪失感は凄まじく、葬儀の後も私の心を悩ました。でも、何時までも、このままじゃいけない・・。私が憂鬱な気持ちを振り払おうしている時、「亜美!、こんな所で何しているのw」とあれから聞きたくてたまらない声が後ろからした。振り向くと、制服姿の宮本さんだった。「あれ、何でいるの?、私、探したんだよ・・」と私は涙が溢れる。「泣かないで、ごめんね・・私のせいで」と宮本さんは私の頭を撫でて、抱きしめた。「晶のせいじゃないよ・・」と私は言い、抱きしめ返す。抱きしめ合う二人に僅かに残った夕陽が射す。そして、ゆっくりと私たちは離れた。私は涙を腕で拭い、「ねえ、ソフトクリームを食べに行こうよ!」と売店の方を向き指で指し、宮本さんの方へ向き直ると宮本さんの影も形も無かった。私は茫然とし、はっと我に返り辺りを見回す。あれは何だったのか・・?、不思議な事に憂鬱な気持ちが無くなっていた。溢れる涙が洗い流したのか?、いや、違う、彼女が私の憂鬱な気持ちを持って行ってくれたのだ。私は遠くの青紫に染められたシルエットの山々の間に僅かに残った夕陽に向かい、「ありがとう、晶・・、バイバイ」と最後の別れを言った。

 

 今回ご紹介する曲は、作詞作曲、ミックス、マスタリングをぎぶすさん、動画をNeitherさんによる、さよならバイバイです。

 

 別れ、それは人が一生のうちに何度か遭遇するであろうイベント。本曲はそんな別れをテーマに、切なさ、心の痛み、空虚さ、それらを乗り越えた先にある何かを求める歌を裏命さんが歌います

 

 本曲の題名、さよならバイバイは二種類の別れの言葉がある事から曲中に出て来る二人の人物がそれぞれ言う別れの言葉だと思いました。それらを加味して考察すると、曲中の二人がお互いの別れを乗り越えたという意味合いがあると自分は思いましたよ。

 

 

 何というか、ノスタルジックな曲で良い感じですね・・別れをテーマにすると、どうしても暗い雰囲気になりがちですが、本曲は最後に救いがある感じで良かったですね!

 

 本曲、さよならバイバイは、誰もが一度は体験する別れをテーマにしている事から、歌詞と共に聴き手のそれぞれの別れの心象風景とリンクして感動する素晴らしい曲だと思いますので是非、本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

 

 裏命