煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

社会貢献(呪い&物理)なVOCALOID曲

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 先週の熱さが嘘の様に寒くなり、何度も書きましたが、体がついて行けませんw。夜間の時間帯が異様に寒く感じる今日この頃で、こういう時に若さがものをいうんですよねw、オッサンの自分はヘロヘロですよw。まあ、それは置いといて、今年の冬はどうなるんですかね?、猛暑があった年の冬は寒さが一段と厳しくなると聞いたことがありますが、今度は寒さに苦しめられる感じですかね?、懐が寒い、物理的に寒いの二重苦は勘弁願いたいです。

 

 今回のお品書きになります

 

 

煮干しがお送りするちょっとした物語

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

※題名や挿絵にBing Image Creatorを使用しました

 

 曲の紹介は下の方にあります!物語を飛ばしても構いません。

 



 

 「ねえ、お姉ちゃん、そろそろかな?」と私の横にいる私とお揃いのロングスカートに黒いカーディガン、白いブラウス着て、赤い靴を履いた、黒髪で三つ編みの瓜二つの双子の妹葉月が言う。「そろそろじゃない?」と私は適当に返す。私の名前は水無月、自慢じゃないけど私たちは由緒ある稲荷神社の跡取り娘なのよ。これから私たちは初めて神社のお外に出るの。お母さまが古都にある本家に大事な用事があって三日留守にする事になったのだけども、神社に私たちだけ残すのは不安らしく、伯母さまに面倒を見て貰う事になったのよ。でも、失礼しちゃうわ!、三日ぐらいなら私たちだけでもへっちゃらなのに・・もうお姉ちゃんなんだから!。私は少し納得いかない気持ちを抑えつつ、玄関の戸をじっと見続け待ち人が来るの待つ。すると、玄関先から覚えがある匂いと気配が近づいてくるのを感じる。葉月の方も玄関の戸の先からか漂ってくる匂いと気配に気が付き尻尾を振り、「お姉ちゃん!、来たよ!」と私に知らせ、同時に玄関に人影が現れる。そして戸が開き、「あら、あら、姪たちよ、ごきげよう!、準備は良いかしら?、お着替えは?、タオルは?、三日分持ったかしら?」とすらっとした長身で黒髪を束ねて、大人の服を着たお姉さんが現れ、少し心配そうに私たちに確認をしてきた。「はーい、準備万全!、大丈夫なのです伯母様!」と私たちは元気よく一糸乱れず同時に答える。この人は私たちの伯母、内緒だけど本当の伯母ではないの。私たち一族は、この人を子供の頃は伯母と呼び、大人になり子供を生むと同時に今度はお姉さまと呼ぶしきたりになっているの。お母さまのお母さま、そのまたお母さま、更にその先のお母さまから脈々と続いているらしいわ。その事を最初、聞かされた時は半信半疑だったけど、アルバムを見せられたら、この人が姿変わらず、どの時代にもいるから信じるしかなかったわ。私もいつか、この人をお姉さまと呼ぶ日が来るのかしら?、まあ、何者かは知らないけど私は好き。だって、お菓子とか玩具をよく貰えたり、色んな事を教えてくれるもの。「よろしい!、では行きましょうか?」と便宜上の伯母は言い、私たち二人の手を握り引き連れて玄関を出た。玄関を出ると秋晴れの青空が広がり、鳥の囁き声が聞こえ、神社を取り囲む森の奥には雑居ビル郡が見えた。数歩進むと突如伯母は立ち止まり、「あら、あら、姪たちよ、何か忘れてない?」と私たちに尋ねる。何か?・・・あっ!。私は伯母の指摘で思い出してポケットに入れてある鍵を取り出し玄関の戸締りをする。「プっ、お姉ちゃん忘れたw」と葉月が私を茶化し、「うるさい」と私はボソリと呟く様に葉月に返した。その様子を見た叔母は苦笑しながら、「あら、あら、葉月、お姉ちゃんを困らせないの、あなたも失敗する時もあるでしょ?」とちくり。しかし、葉月は、「はーいw」と呑気に反省の欠片もなく応えた。伯母は葉月の頭を撫でながら、「もうw、葉月はお調子者ねw、行きましょう」と言い、私たちは気を取り直し再び神社の鳥居に向けて歩み出す。伯母の暖かく柔らかい手を握りながら歩いていると、両脇に狐の石像が立ち並び鳥居に続く石畳の道が現れる。両側から狐の石像に見つめられながら進み、見慣れた道が今日は変な感じがして、私は伯母の手を強くギュッと握った。伯母がフフっと笑い、「あら、あら、水無月、緊張をしているの?w」と私の心を覗いている様に図星を付く。「え・・、緊張なんてしてないですw」と私は愛笑い。「あら、あら、なら良いけどw」と伯母は言う。伯母は心を読んでいるのかと錯覚するほど察しが良い。私の強がりなどお見通しだと思う。でも、私はお姉ちゃん何だから嘘でも平静を装わないと、姉としての威厳が損なわれるわ、それに葉月を心配させたくないもの。私は葉月を一瞥する。葉月はこちらをチラチラと心配そうに伺っていて、私は大丈夫という感じの目配せを送るとホッとした様な態度し前を向く。それから数十メートル歩くと神社と外の世界の境界である大きな赤い鳥居の袂に着く。私は未知に対して恐怖で鼓動が嫌でも早まる。しかし、絶対、顔には出さない事に努め、「伯母様!、さあ行こうです!」と私は自身に対しての鼓舞を含めて言う。私の言葉に呼応するように葉月も、「行こうです!」と言い、「あら、あら、二人共w」と伯母は私たちの手を引き鳥居を潜った。

 

 鳥居を潜ると、神社の中では嗅いだ事がない様々な匂いがして一瞬怯み、私は一歩下がる。横を見ると葉月も同様に一歩下がっていた。「凄い匂い・・」と私は鼻を押さえ顔を歪せる。「あら、あら、我慢してね、すぐ慣れるわ、それよりもお耳と尻尾を隠しなさい」と伯母は私たちに指示。私たちは我慢をして気を取り直し、「はーい!」と返事して自身の耳と尻尾をさすり徐々に小さくして最後は完全に消す。伯母はニッコリ笑い、「はい、よく出来ました、じゃあ、しっかり隠れているか、お互いで確認して」と最終確認を私たちに促し、「了解です!」と私たちは同時に返事をして、お互いの耳と尻尾がちゃんと隠れているか確認に入る。私はぐるりと回りながら葉月の頭とお尻を見て、「大丈夫よ、私のを見て!」と交代。今度は葉月がぐるりと回り私の頭とお尻を確認し、「お姉ちゃん、大丈夫よ」と言う。お互いの確認を終えた私たちは、「確認を終了しました」と伯母に報告する。伯母は笑顔で、「よろしい!、それでは行きましょう」と言い、私たちの手を握り薄暗い路地を歩く。私たちは人間ではない、言葉を理解し、人の姿に化ける動物、通称化け者だ。その化け者のなかで化け狐に私たちは属している。薄暗い路地にコツコツと伯母の靴の音が響き反響し、私は時折見上げると、長細い狭い青空が見え、飛行機が飛んでいてそれを見入る。すると、「水無月、前を見てないと転ぶわよ」と伯母が注意してきて、「はい」と私は返し、視線を前に戻すと、路地の終わりが見え、その先には開けた場所がある。路地を抜け、開けた場所に出ると、私たちは唖然とした。よく分からない文言が書かれた看板が立ち並び、神社からでは裏側しか見れなかった雑居ビルの初めて見る表側は、煌びやかで想像よりも綺麗、そして何よりも驚かせれれたのは人の多さ。どこを見ても初めて見るものばかりで、私たちは忙しなくキョロキョロと見て、伯母に手を引かれながら歩いた。「どう?、この街は?」と伯母は私たちに尋ねる。「凄いです!、始めて見るものばかりです!」と私は即座に答え、「こんなに凄いんだったら、もっと早くお外に出たかったですw」と葉月は興奮しながら言う。「あら、あら、好奇心が強いのは良い事だわ、でも姪たちよ良く聞きなさい、この街は楽しい事ばかりではないわ、あなたのお母さんに教わった通りに、自分たちを客観的に見て用心をするのですよ」と伯母は私たちの頭を撫でて忠告をした。お母さまは事あるごとに、主観的な考えに捕らわれるなとか、物事や自身の立場を俯瞰的な視点を持って考えなさいとかよく私たちに言い聞かせて来る。言葉の意味は完全には理解できないけど・・、相手から私たちをどう見ているのか、それを察して行動をしろって事かなと思う。伯母の忠告で浮足立っていた私の心は急激に冷静になった途端、周りの奇異な視線が集まっている事に気が付く。私は伯母の服を引っ張り、「伯母様!、何で皆こちらを見ているんです?」と私は声を潜めて尋ねた。私の発言に葉月も辺り見回し、その通りの状況に恐怖を感じたのか、「怖いです」と伯母にまとわりつく。伯母は歩きにくそうにしながら、葉月の頭を撫で、「あら、あら、即座に忠告通りに行動をして偉いわw、よく気が付きました!、ご褒美に教えてあげるわね」と私を誉め、更に口を開き、「この街はね大人の街なのよ」と言う。その不思議な言葉に私たちは同時に、「大人の街?」と返す。「そう、大人の街よ、本来ならば子供は近寄ってはいけない街なのよ、ここの住人にはそれが良く分かっているからあなた達を見ているのよ、要するに心配をしているの」と伯母は答え、説明をしてくれた。「えっ、じゃあ私たちはいけない子なの?」と私は不安げな顔を伯母に向けて尋ねる。「フフ、大丈夫!、保護者同伴で、然るべき理由があれば問題は無いわ」と私の手を優しく握った。

 

 話しは終わり、私たちは再び歩き始め、すれ違う人たちの声を注意深く聞き耳を立てると、「こんな所に子供?」とか「大丈夫なの?」とか「警察に連絡した方が良いかな?」とか伯母の言う通り大半は私たちを心配する声だった。確信を得た私は、好奇心が望むままに辺りを見回し始め、葉月も私と同様に安心をしたのか、辺りを見回し観察を開始する。いくら見ても飽きない景色、同じものが何一つなく、こんな楽しい事は無いと思えた。数分歩いたところ、ほうきとごみ袋を持って掃除をしている一団が現れ、突如、「JKだ!!」と葉月は興奮しながら叫ぶ。葉月が指を差している方を見ると、金髪ショートカットに顔は小麦色、目の周りを白く縁取って、肌寒いのに胸元をはだけたワイシャツ一枚に、崩して見に付けたネクタイ、だぼだぼの靴下と小麦色の太ももを大胆にあらわにしたミニスカートをした、お姉さんがいた。葉月はJKというお姉さんに憧れていて、何時かは、なりたいと私やお母さまに言っていた。その憧れが目の前にいる、葉月の興奮は最高調に達するのは無理もない。「あら、あら、葉月、人を指さしちゃダメよ」と伯母はやんわりと注意し葉月の指さしている方の手を下げさせる。「ごめんなさい、でも、JKがいるんだよ!」と葉月は謝るも怯む様子はない。伯母はヤレヤレとばかりに苦笑をし、「そんなにJKが好きなら、お話をする?」と言う。葉月は目をキラキラさせ、「えっ!、出来るの?」と伯母に尋ねる。「出来るわよw、ちょっと!、そこのお姉さん!」と伯母はJKに声を掛けた。掃除をしていたJKのお姉さんはこちらを見て、「あっ、どうも、所長さん!、お疲れっす」とこちらへやって来る。葉月は先程の勢いが嘘のように、もじもじし始めて伯母の後ろに隠れた。私たちの元へ来たJKお姉さんは、「あれっ?、所長さんのお子さんすっか?、隠れちゃってw、可愛いw」と言う。「フフw、違うわ姪よ」と伯母は答える、どうやら顔見知りの様だ。「姪ちゃん、こんにちは!」とJKお姉さんは私たちに挨拶。私はすかさず、「こんにちはです」と返す。しかし、葉月は伯母の後ろに隠れて応えない。「ほーらっ!、葉月!、挨拶!」と伯母は後ろにいる葉月を無理やり前に出す。そして、「こ、こんにちは」とおぼつかない感じで何とか挨拶を葉月はした。「やーんw、可愛いw、双子ちゃんって本当に同じ顔w」とJKお姉さんは体をクネクネさせ感激をする。葉月は緊張をしながら、「あ、あの、服を見て良いですか?」と尋ねた。「服?、あっ、制服の事?、良いよw」とJKお姉さんは葉月の願いを許可。許可を得た葉月は早速、JKお姉さんの周りをグルグル回り、手に取り感触を確かめる。「どう?、お姉さんの制服?」とJKお姉さんは葉月に尋ねた。「凄く綺麗で可愛いです!」と葉月は目を輝かせ答えた。「ヤーンw、嬉しいw、感激っす」とJKお姉さんは嬉しそうに言う。「もうw、本当にJKが好きなのね、今度、仕立て屋に一緒に行って仕立てて貰う?」と伯母が言った。すると、「伯母様!本当?」と葉月は目を輝かせる。「あら、あら、葉月w、本当よ!、三日間いい子にしたらね、そしたら暇を見つけて行きましょう」と伯母は葉月をエサで釣る。「うん!、する!、ねっ?、お姉ちゃん!」と葉月は私を巻き込み、「えっ?、あっ・・、うん、そうね」と私は思わず同意。「わかったわw、二人共、今日から三日間良い子にしていてね」と伯母は念を押し、なし崩し的に私も制服を条件に大人しくする事になった。葉月はともかく、私自身はJKとやらには興味はない。私的には洗濯ばさみコレクションを更なる充実をさせるために、外国産のレアな洗濯ばさみを条件にしたいところだが、葉月の満面の笑顔見ると、今更、変更を言う勇気は無く、我慢する他なさそうだ。「お掃除がんばってね!」と伯母はJKお姉さんに労を労う言葉をかけ、「お姉さん、がんば!」と葉月は元気よく応援。私はワンテンポ遅れて「頑張るです!」と言う。「もうw、可愛いw、了解っす!、チリ一つ残さずお掃除するっす!」とJKお姉さんは敬礼をする。伯母は微笑みながら、「それでは、失礼するわね」と言い私たちの手を引き再び歩き始めた。JKお姉さんたちが掃除をしている所を、手を振りながら私たちが通り過ぎると、後ろから、「あっ、所長さん!、志村さんに店に来てって伝えて下さいっす!、私たちが何度も誘っても来ないんっすよ!」とJKお姉さんが言った。伯母は振り返り、「あら、あら、そうなの?、了解したわw、志村君に伝えるわね」と応えて笑顔で手を振り、視線を前に向き直る。それから、更に数分歩くと、古ぼけたビルが見えて、「さあ、姪たちよ、あれが私の仕事場よ」と伯母は言う。叔母が指し示した通りに並んである他の建物よりも一回り古く、年季がある感じで、歴史を感じた。

 

 伯母に手を惹かれながら古びた雑居ビルに入ると、鉄が交差している奇妙な扉があり。この不可思議な扉を私は見ながら、「伯母様、これは?」と尋ねた。「これは、エレベーターの扉よ」と伯母は答え、ボタンを押す。始めて見るエレベーターはテレビや雑誌で見たもとは随分と違い、「これがエレベーター?」と私は首を傾げ、「私の知っているエレベーターと違うです」と葉月も不思議そうに言う。「あら、あら、姪たちよ、これは古いエレベーターだから、あなた達が知っている現代のとは少し違うのよ」と伯母は私たちの様子を見て説明をする。「ふーん、そうなんだ・・」と私は関心をし、「伯母さまは物知りです!」と葉月は伯母を尊敬の目で見た。「チン」という音と共に、伯母は奇妙な扉を手動で開け、「姪たちよ、先に中にお入りなさい」と指示。「はーい」と私たちは返事をして、エレベータの中に入る。エレベータは僅かに浮き沈みし、最後に伯母がエレベーターに乗ると、私たち以上に揺れた。伯母は扉を閉めてボタンを押すと、エレベーターは上昇をし始めて、初めて体験する奇妙な感覚に私はごくりと唾を飲み込み、葉月の方も緊張をしている顔をする。エレベーターの上部にある3の数字が記されている場所に明かりが灯ると、「チン」と先程聞いた音が鳴り、伯母は扉を開けて、「はーい、着いたわよ、降りて」と指示をした。私たちは指示された通りにエレベーターから降りると、廊下の外側にある壁の上部にある手すりから街並みが見えて、思わず走り寄り背伸びして覗く。「ちょっ、見えにくいわね・・」と私は呟き、「お姉ちゃん!、ずるい!、私も見る!」と葉月は隣に並び同じく背伸びをして懸命に景色を見ようと試みる。エレベーターの扉が閉まる音が後ろからすると、「あら、あら、二人共w」と伯母の声がした。その瞬間、こげ茶のフワフワでモコモコの柔らかい尻尾が私たちの胴にふわりと巻き付き、持ち上がられた。背伸びでは僅かしか見えなかった景色が伯母のお陰で街並みが見渡せるようになり、その景色に、ただただ驚くばかりで何も言えず、独特の匂いがする風が私の頬に当たる。「すごーいw、見てよ、お姉ちゃん!、人があんなに小さいよ!」と葉月は、はしゃぎ言う。「うん、凄い・・」と私は返し、景色を見いる。そして、「はい!、景色を見るのはお仕舞いw」と伯母は言い、私たちを降ろして尻尾を消し、手を握り歩き出す。手を惹かれながら廊下の突き当りにあるガラスドアの前まで来ると、伯母は躊躇なく開けて、「帰ったわよ!」と中に入る。「お帰りなさい!」とボロボロのシャツにオリーブ色のズボンを着た、見覚えがある不精髭を生やしたおじさんが机で何かの作業を中断して迎えた。確か・・以前に伯母さまと一緒に神社に来た志村という名前の人間だったかしら?。「ほら、水無月!、葉月!、挨拶は?」と伯母は私たちに挨拶を促す。「こんにちは!」と私たちは同時に挨拶。「こんにちは、覚えている?、志村お兄さんだよ」と志村と名乗ったおじさんは言う。「うん、覚えてるよ!、志村のおじさん!」と葉月はすかさず応える。「お、おじ!?、はは・・お兄さんだよw、えーと、どっちかな?」と志村は私たちの区別が付かない様子。「葉月だよ!おじさん!」と葉月は間髪入れず名乗る。「あはは・・そうか、葉月ちゃんか、じゃあ、こちらは水無月ちゃんだね」と顔を引きつりながら志村は言った。「あら、あら、葉月w、虐めないの!」と伯母は葉月を窘め(たしなめ)、更に、「志村君、ごめんなさいねw、あと数年たてば本当におじさんになるんだから気にしちゃダメよw」とフォローの様なそうじゃ無い様なよく分からない事を言う。志村は苦笑いをして、「はは、べ、別に気にしてませんから」と傍から見たら一目瞭然な強がりを言った。私たち化け狐の領分は、相手を如何にばかす事、伯母の行動は勉強になる。「志村君、ミケの姿が見えないけど?」と伯母が志村に尋ねた。ミケ・・、私たちと半年ほど共に暮らし、折角、可愛がってあげてたのに脱走した恩知らずの駄猫。神社では化け狐以外は化けれない特殊な結界が張っていて、猫の姿のミケしか私たちは知らないので、今日は初めて化けたミケを見る。「ミケですか?、そこにいますよ」と志村は長いソファを指さす。伯母は早速、「ミーケw、出て来なさいw」とソファに向かって言う。すると、ソファの背もたれから三毛柄の耳がぴょこっと出て来て、私たちはそれを凝視する。「あら、あら、ミケw、何をまごついてるのかしら?、ほーら!、出て来なさい」と伯母はソファに行き、背もたれ現れた耳の辺りに手を入れ引く。そこから出てきたのは黒髪でツインテール、エプロンを掛けたよく分からない服を着たお姉さんが出て来た。これがミケ?、本当に?、全然想像と違う・・。「お姉さん、本当にミケ?」と葉月が躊躇せず尋ねた。「お、お嬢さん、本当にゃあ、その節はお世話になったにゃあ」とミケと思われるお姉さんが挙動不審な態度で答える。声は一緒・・、どうやら本当にミケみたいね。「声が一緒w、本当にお姉さんはミケなんだw、ねえ?、この服ってメイド服って奴でしょ?」と葉月はミケの正体に確信を持つと更にズケズケと迫る。メイド?、ああ!、葉月がよく好んで読んでいるラノベにその様なキャラクターが出ていたわね、へー、こんな服装なんだ・・。「お嬢さん、物知りだにゃあ、その通りにゃあ」と少しぎこちなさを残しつつミケは答えた。「ちょっと心配だったけど、大丈夫そうね、はい、皆注目!」と伯母は突如、私たちに号令をかけた。

 

 私たちは伯母に注目し、伯母は口を開き、「志村君には、もう言っているけど、ちょっと外せない用事が出来てしまい、私は留守にしないといけません、そこでミケ!、あなたに命じます、我が姪たちの面倒を三日見て貰います!」と衝撃の発言。私は驚きつつも、「ちっと待って!伯母さま!、私たちの面倒をこの駄猫に見させるんですか?」と言い、それを聞いてミケは、「だ、駄猫?、目上に向かって駄猫呼ばわりするなんて!、けしからんメス餓鬼にゃあ!」と激高。伯母の発言によりお互いに言わんとしていた事がポロポロとこぼれる様に出る始末。そして、「メス餓鬼!、表に出るにゃあ!、神社の中と違ってここは化け物としての力を十分発揮できるにゃあw、今までの分、熨斗(のし)を付けて可愛がってやるにゃあw」とミケは私に向かって挑戦状を叩きつけた。「や、やってやろうじゃない!、由緒ある稲荷神社の化け狐の力見せてやるわ!」と買い言葉に売り言葉で私は挑戦を受ける。お互い睨み合い、一触即発の状況に、葉月が「お姉ちゃん、止めようよ」と私をなだめ、「ミケ!、落ち着け、な?」とあちらは志村がミケをなだめた、その刹那、「黙りなさい!!」と伯母の雷が落ちて私たち一同は押し黙る。「まったく!、あなた達ときたら、水無月!、あなたは、もう、お姉さんなんだから聞き訳がない事を言わないの!」と伯母は私に説教。伯母は次にミケを睨み、「ミケ!、あなたは子供を産んで育てた母でしょう?、幼い子供のやる事にいちいち目くじらを立てないの!」と今度はミケに説教をした。久しぶりに怒られた私は瞳からポロポロと涙が勝手に流れ、その姿を客観的に冷静に見ている自分がいて己を恥じる奇妙な感じ。これが客観的に見るという事かと考えつつ、「はい、ごめんなさい」と私は取り敢えず反省の言葉を述べ、上目遣いで伯母を一瞥。伯母は何かを言いたげな顔をして、「まあ・・良いでしょう・・」と私を許す。私たちのやり取りを見たミケは慌てて、「面目ないにゃあ、あたいとした事が子供に感情的になってしまってにゃあ」と反省の言葉を口にする。「もういいわ・・、私こそ怒鳴って悪かったわ」と伯母も反省し、ため息をつき、「さあ、気を取り直して改めて言います、ミケ!、姪たちの面倒を頼むわよ!」と言う。「はいにゃあ!」と元気よくミケは呼応し、「よろしい!」と伯母は褒める。それから、伯母は志村を見て、「志村君、本当だったら明日から三連休のところ悪いんだけど、ミケたちと出来るだけ一緒にいてくれない?」とお願いをした。志村は一瞬きょとんとして、「えっ、別に構いませんけど・・でも、大した事出来ませんよ?」と伯母に返す。「いいのよw、いてくれるだけでw、その方が私も安心して用事を済ませるから、お願い!」と伯母は志村の手を握る。志村は少し顔を赤く染めて、「ま、まあ、そこまで言うなら、やぶさかではないですけど」と難しい言葉を言う。伯母は笑顔になり、「よろしくねw、ふー、これで後顧の憂いは無くなったわw」と伯母は部屋の奥に行くと、車輪が付いた大きなバックを持ち出す。そして、伯母は私たちの元へ来て、「じゃあ、姪たちよ、ミケや志村君の言う事を聞いて大人しくしくするのよ!」と私たちの頭を撫でる。「はい、分かりましたです」と同時に私たちは返し、「よろしいw」と伯母は先程この部屋に入って来た入口のガラスドアから出て行った。

 

 伯母が去り、取り残された私たちは、沈黙をする。だがその沈黙を破った者がいた。志村だ。「じゃあ、これからどうする?、食材を買って来ないといけないし・・」と志村は言った。そう言えば、私たちはこの部屋で三日過ごすことになる訳だけども、見渡す限り、伯母さまの机と、恐らくこの二人の専用の机、更に長いソファが一つ、一人用のソファが二つ、トイレに、奥の部屋は何か分からないけど、ベットや布団が収納されている様に見えない・・、本当にここで三日過ごすの?。志村の言動に私は不安に苛まれ始めていると、「かーー、これだから元落伍者はw、幼い子供をこんな所に三日置ける訳ないにゃあ!」とミケはドヤ顔で志村を見下す。志村は眉毛をひくつかせ、「はっ?、じゃあどこで面倒見るんだよ?」とミケに尋ねた。「決まっているにゃあw、あたいのマイホームにゃあ!」と決め顔。「マイホーム?・・・それってそこの段ボールの事か?」と志村はジト目でミケに言う。「何を言っているにゃあ!、あたいのマイホームはこの雑居ビルの屋上にあるにゃあ!」とミケは志村の勘違いを正す。「えっ!?、お前って事務所に住んでいるんじゃないのか?」と志村は驚く。ミケはヤレヤレという仕草をして、「そんな訳ないにゃあw、もし住んでいたら、この事務所はあたいの出す生活臭まみれになっているにゃあ」と指摘をした。「それもそうか・・、じゃあ、屋上に行くか!」と志村はミケのマイホームに向かう事を提案する。「始めっからそうするつもりにゃあ!」とミケは言い、私たちの方を向き「さあ、お嬢さんたち、あたいのマイホームに行くにゃあw、ふふw」と何かを企んだ顔、暗黒微笑で言う。私たちは同時に一歩下がり、「は、はいです」と返すのが精一杯だった。それから、私たちは事務所から出てエレベーターに向かう。志村がエレベーターのボタンを押すと、「屋上にマイホームねw、段ボールハウスじゃないよなw?」と志村はミケを煽る。「フフw、ほざいてろにゃあw、」とミケは自信満々で意に介していない。この二人、仲が良いのか悪いのか分からないわ・・・、でもこれからの戦況にこのおじさんが重要よ、こちら側に引き入れなくちゃ!。「チン」とエレベーターが着く音が鳴り、志村が奇妙な扉を開ける。その瞬間、私は志村の手を取り、「お兄さん!早く!」とエレベーターに入る。「えw、君は・・」とにやけた志村は未だに私たちの判別が出来ない様子。「水無月よ、頭の黒い飾りが目印だからね!」と私は志村に教えた。「あっ、そうなんだ!、水無月ちゃん」と嬉しそうに言う。「お、お姉ちゃん?」と私たちのやり取りに困惑しながら葉月は後に続きエレベーターに入った。最後にミケが入り、奇妙な扉を閉めて、「お嬢さん、上と書かれているボタンを押してくれないかにゃあw」と私たちにお願いをしてきた。当然、この駄猫に背後を取られるのは好ましくない、しかし、拒否するのも大人げない。私は葉月に目配せをしてボタンを押す様に促す。葉月は私に不可解な表情をして、上と記されたボタンを押す。すると、エレベーターは上に向かい、「葉月ちゃんは、お利口さんだにゃあw、何処かのメス餓鬼とは雲泥の差にゃあ」とミケは私を一瞥をして葉月を誉める。「えへへw、本当?」と葉月は笑顔で返した、「おい!、えこひいきするなよ、水無月ちゃんもお利口さんだよね!」と志村は私をフォロー。フフフw、奸計は効果が出つつあるわw、でも・・・、葉月・・駄猫の戯言に本気になっているのよ?、あんたどういうつもり?。想定通りと想定外の状況が同時に進み、私が困惑しているとミケが含み笑いで私を見つめた。その時、私はこの駄猫の思惑が読めた。フフフ、やるじゃないw、どうやら、あちらも有利に事を運ばせるために、葉月を取り込むつもりね。エレベーターは複雑な心理戦が繰り広げながら上昇を続ける。エレベーターの上部にある上とマークが記されている箇所に点灯が近づくにつれ、なにやら土の匂いがしてくる。すん、すんと葉月は嗅いで「なんか土の匂いがする」と言う。どうやら気のせいではないわね・・。ようやく屋上に辿り着き、「チン」と目的に着いた事を報せる音がなり、ミケが奇妙な扉を開けて、エレベーターから先陣を切って出る。私たちも続いて出ると、古びた扉が一つあるだけで、何も無い殺風景な狭い部屋が現れた。「ここがミケの家?」と葉月はミケに尋ねる。ミケは人差し指を立てて揺らし、「チッチッ」と口で鳴らし、「葉月ちゃん、早とちりは、いけないにゃあ、この扉の奥に、あたいのマイホームがあるにゃあ」と扉を開けた。扉の向こう側から強い風が吹き込み、私は目を一瞬閉じ再び開ける。ミケはいつの間にか扉の向う側にいて手招き。私たちは促されるままに扉の向こう側に行く。真ん中に小道があって、その先には煙突がある二階建ての家があり、手前には小道を挟んで両側には家庭菜園の様な小さい畑があった。小道の真ん中に腕を組みミケは不敵な笑みを浮かべて、「フフw、ようこそにゃあ!、我がマイホームに歓迎するにゃあ!」と声高に言った。

 

 

ー続くー 

 

329曲目の紹介

 

 

 今回ご紹介する曲は、ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬさんが動画、イラスト、作詞作曲をお一人で手掛けた、ネ 土 会 エ 貝 南 犬 ☆カ ゞ ん I よ " る ノ D A ‼(社会貢献!☆がんばるのだ‼)です。

 

 本曲はカオスな曲調で、ずんだもんが社会貢献という呪術で粛清を次々と行い、最終的に呪術(物理)で手を汚す、呪えば穴二つでカタルシスな物語をずんだもんさんが歌います。

 

本曲の題名、ネ 土 会 エ 貝 南 犬 ☆カ ゞ ん I よ " る ノ D A ‼(社会貢献!☆がんばるのだ‼)は、そのままの意味で、本曲の混沌とした内容を十二分に表した題名だと思いますw。

 


www.youtube.com

 

 本曲の狂気全開の内容を聴いていいると、最近、世間を騒がしている私人逮捕系を思い浮かべてしまいましたよw。なんまいだ♪、なんまいだ♪というフレーズが耳に残りますねw。

 

 何を基準に若しくは、何を根拠に定義して、悪か善かを決めるのはとても難しく、時代や立場が変われば悪にも正義にもなり、歴史を紐解けば、勝者と敗者の間で繰り返しています。本曲は、人類の悪習を思い起こさせて、笑える曲から、少し考えさせられる曲になり、二度おいしい曲に仕上がっていますので、是非!、本動画を視聴して聴いてみて下さい!

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

ずんだもん