煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

恋するモウレツ乙女を歌うVOCALOID曲

 

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 今月の八日頃から始まったKADOKAWAグループへのサイバー攻撃によって、株式会社ドワンゴによる動画配信サービスのニコニコ動画が停止に追い込まれてしまいましたね。このサイバー攻撃はランサムウエア型でシステムの根幹まで侵入された可能性が高いと夏野剛(なつの・たけし)取締役・代表執行役社長兼CEOの口から発表されました。ランサムウェアと言えば、システムを乗っ取ってロックし、業務が滞り困った企業を脅迫して身代金を要求する方式と知られています。夏野氏の今回の発表では身代金の要求には触れず現状報告に留まりました。ネットでは色々な憶測が飛び交い様々な事を言われていますが、犯人側からの要求や接触は不明です。再建計画としては真っ新なサーバーに一にプログラムを一から組み立てるらしく、復旧は一ヶ月以上先になると見込まれています。当ブログはニコニコ動画によるブロマガが出発点であり更にニコニコ大百科に依存していますので、今回の復旧に日夜動いている方々には頑張って頂きたいです。ただ・・・、個人的に思う事は、企業とは営利団体ですから子会社のドワンゴが黒字化していたとはいえ、ニコニコ動画の復旧コストをどこまでKADOKAWAが許容するだろうか?と思う訳です。ニコニコ動画の創設に関わってたひろゆき氏は、復旧に半年以上かかっても不思議ではないと仰っていました。仮に半年以上かかって、採算見込めないと判断したKADOKAWA損切りを決めてスクウェア・エニックスの様に特別損失を計上する可能性もこの先あるのでは?と感じます。そんな未来は自分としても御免こうむる訳で、そしてドワンゴの皆様方には逆行を跳ね返すガッツがあるとこれまでの経緯を見れば明らか。しかし、何だか・・・いやな予感がします。

 

今回のお品書きになります

 

 

煮干しがお送りするちょっとした物語

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

 

 新緑の葉が濃い緑色に染まり初夏の様相を呈している公園で、複数の子供たちの笑い声がこだまする。そんな公園のベンチにぽつんと座るキリリとした切れ長の目に端正な顔立ちをした二十代の女性。彼女の名前は日下部晴美(くさかべはるみ)、何でも屋の従業員だ。日下部晴美は手にしていた紙袋からおもむろに、拳より、やや小さめの団子が二つ、およそ割り箸より一回り大きい太さの串に刺さった串団子を取り出す。この串団子はすぐそこにある商店街の老舗和菓子店、花鳥風月の名物である草団子ダイナミック餡子である。薄すぎず太すぎない絶妙な草餅で大量のこし餡を包む絶品の和菓子を日下部晴美は乙女らしからぬ豪快な仕草で草団子ダイナミック餡子をを食いちぎる。その食いっぷりには男気を感じてしまう。数分もすると彼女は全て平らげてしまった。日下部晴美は串を紙袋に入れると公園のくずかごに投げ、「はあ・・・」と溜め息をつく。彼女の心中は後悔の念で一杯である。どうしてこんな事になってしまっだんだろう?、そんなありきたりな事を思う彼女はつい最近まで治安を預かる公務員だった。都内の大学を卒業して公務員試験を見事合格。正義感が強い彼女に打って付けの職業だった。しかし、捜査中に思いがけぬ邂逅した金庫破り専門の窃盗犯の技術に惚れ込んでしまい、弟子入りをしてしまう。彼女の上司は上に潜入捜査と偽り、当事者である彼女には依願退職を迫った。そして日下部晴美はその采配を受け入れて辞表を出したのだ。野に放たれた彼女に対して上司は今の職場を紹介してくれて今に至る。何とも珍妙で俄かに信じがたい顛末にした彼女の悪癖。その始まりは幼少期にさかぼる。日下部晴美はこの国の西側にある古都の生まれで実家は有名なお寺。長男が寺の跡継ぎとして教育され、彼女は自由奔放に育てられた。そんな彼女が幼少期にお寺に来た左官職人の仕事に夢中になる。自宅の土壁を丁寧に修復するその様をじっと日がな一日眺めた。両親は仕事の邪魔になるからと注意したが彼女は止めない。数日後には左官職人の補助をして、更に数日後には見よう見まねで土壁を均す(ならす)。ほとほと困った日下部晴美の両親は元々の放任主義も相まって成り行きに任せる。お寺での仕事が終わる頃には、ベテラン左官職人には及ばないまでも一端の職人レベルまで上達。彼女の要領の良さに両親は大いに誉めた。その経験が日下部晴美の悪癖ともいえる好奇心の食指が動くと異常な執念を燃やす性質になる。彼女は目の前にいる子供たちを過去の自分と重ね合わせ、褒められるだけで嬉しかったあの頃に戻りたいと思うのであった。

 

 明日の仕事に差し支えると思った日下部晴美は、おもむろにベンチから立ち上がり帰宅の途に着こうとした時公園の端にある雑木林からホームレース風の男が出て来て子供たちの元へ向かう。そのホームレスは猫爺と言われているこの公園の名物ホームレスで、何でも屋に猫探しの依頼が来ると彼に頼る事が多く、日下部晴美にとって見知った顔である。もちろん猫爺の方も日下部晴美の事を知っていた。猫爺が子供たちに何の用かと日下部晴美は興味が湧き、彼女も子供たちの元へ向かう。子供たちの一人が猫爺の接近を悟り、「何の様だよ猫爺!」と言う。その声に子供たちは一斉に猫爺に注目。猫爺は怯むことなく近づき、「ほっほっほっw、そう警戒なさんなw、お主たちに良いものを見せたくて来ただけじゃw」と言った。子供たちのリーダー格の野球帽を被った少年が、「母さんが行ってたぞ、猫爺に近づくなって!」と自身の親の警告を言い仲間たちに警戒を促す。猫爺は尚もひょうひょうとした態度で、「これは手厳しいw、安心せい!、取って食ったりせんわw、これを見てみい」とガラスの保存容器を子供たちに差し出した。ガラスの保存容器には美しい光沢があるメダルが沢山あって、猫爺は蓋を開けて一枚を取り出しリーダー格の野球帽を被った少年に渡す。少年は受け取ったメダルを見て、、「十円玉?、いや!、これ違う偽金だ!、猫爺!、犯罪だぞ!」と叫ぶ。猫爺は頭をポリポロとかきながら、「犯罪者呼ばわりとは・・・参ったわい」と困った様子になる。その時ようやく日下部晴美が合流して、「ギザ十ですね、懐かしいです」と言う。猫爺は日下部晴美の助け舟に感激しながら、「おお!、兼平のところのお嬢ちゃん!、意外に博識じゃのうw」と返す。大人二人のやり取りに反応した子供たちの中の少女が、「団子のお姉ちゃん、ギザ十って?」と尋ねる。日下部晴美は得意げな顔で、「側面がギザギザの十円玉を世間ではギザ十と言っているんです。もちろん偽金ではなく昭和に使われていた正真正銘のお金ですよ」と答えた。知ったかぶりをした野球帽を被った少年は恥ずかしそうな顔をする中、そんな彼に他の子供たちは居に返さず、猫爺の持っているガラスの保存容器に沢山あるギザ十を興味深げに観察をして、「綺麗!、凄い!」と口々に感激。濡れ衣が晴れた猫爺は咳ばらいを一回して、「これも何かの縁じゃあ、お主たちにこの硬貨をピカピカにする方法を教えて進ぜよう」と言った。その言葉に最初に食いついたのは日下部晴美だった。「本当ですか?、是非!、ご教授を!」と日下部晴美は猫爺に懇願。立派な成人女性である日下部晴美のその反応に子供たちは価値があるもだと錯覚をして、「俺も!、私も!、僕も!」と次々と猫爺にねだった。硬貨を磨くこと自体はネットを検索すれば幾らでも手に入る情報で特段価値がるものではない。奇しくも日下部晴美の取った行動は詐欺のサクラ行為の様な役目をしてしまっていて、予想外の援護に猫爺は戸惑いながらも、「こ、これw、落ち着かんか!、そこまで言うならこの貴重な情報を百円で譲って進ぜよう」と交渉を持ちかけた。大人である日下部晴美にとっては造作もない価格であるが、子供たちにとっては大金、突然沸いた値段交渉に子供たちはたじろぐ。子供たちの反応に全く我関さずの態度で日下部晴美は、「安いですね!、買います!」と即答する。日下部晴美の態度にまたしても子供たちも引っ張られ、「買う!、買う!、買う!」と連呼した。猫爺はニンマリの笑い、「よろしいw、明日の今の時間頃に情報を売ろうw、じゃあ、また明日の!」と雑木林に消えて行った。子供たちは興奮しながら、「俺さ!、母さんにお願いしてくる!、私も!、僕も!」とそれぞれの帰路に着く。一人取り残された日下部晴美は、「硬貨磨きの技術・・・楽しみです!」と呟き帰路に着うとした瞬間、メイド服姿の女性と若いOL風の女性の奇妙な二人が現れ、何やら飲料水が入った段ボールケースを抱えて雑木林に向かっていた。メイド服を着た女性を見た日下部晴美は直ぐにピンと来て三つ隣にある稲荷歓楽街の関係者だと分かる。稲荷歓楽街の人間が何故この街に?などと思いながら彼女たちの様子を伺う。「お得意様はこの先の雑木林にいるにゃあ」と奇妙な語尾でメイド服姿の女性が言った。すると、「先輩、本当にこんな所にいるんですか?」とOL風の女性が疑う目で返す。メイド服の女性は、「いるにゃあ!、この先にいる爺さんは金回りが良いからガンガンとあたいの商品を買ってくれるにゃあ!、お前は黙ってついてくればいいにゃあ」とOL風の女性の疑問に答えて命令。OL風の女性は、「はーい、了解」と渋々了承し二人は雑木林に消える。商品を買ってくれる爺さんと言うメイド服の女性の言葉を日下部晴美は脳内で反芻し、こんな所まで風俗嬢が出張するのだなと感心した。雑木林に住んでいるホームレスは五人。猫爺含めて全員老人で相手が誰かは分からないがいずれにせよ、どうでもいい・・・日下部晴美にとっての関心事はメイド服の女性のその口調だった。お店でのキャラを普段から維持するプロ意識に彼女は強い感心を抱く。職は違えど見習うべき姿だと日下部晴美は勝手に尊敬の念を抱き帰路に着いた。

 

 翌日、日下部晴美らはどぶさらいをしていた。この国に蔓延している少子高齢化の波は着実に押し寄せて来て、自治会の高齢化は進み、以前では三ヶ月の一回のペースでやっていたどぶさらいも支障を来すまでになり、近所の何でも屋である兼平に白羽の矢が立ったのだ。カクスコで効率よく泥をすくっている上司である兼平竜矢の様子を伺いながらも懸命にやる日下部晴美。依頼者である自治会が指定した溝の泥を全てすくう頃には日下部晴美のスコップの使い方が上達していて、「上手くなったねw」と兼平竜矢は褒められる。日下部晴美は照れながら、「いえw、それ程でもないです、兼平さんにはまだ及びません」と謙遜。その後、クリーンセンターで処分は出来ない泥を兼平竜矢が所有している土地に廃棄するためにトラックで移動を開始しする。30分ばかしかかる場所にある平地の雑木林に進むと、開けた場所に出た。予め、リースした重機で掘った穴に泥を二人は必死な形相でスコップで入れると、日下部晴美に待機を命じた兼平竜矢が重機で埋まった穴を往復。仕上げに待機していた日下部晴美がよく道路などの補修工事で度々目にするアスファルトを舗装・鎮圧する手押し機械、プレートコンパクターで固めた。日下部晴美の作業が終わると、兼平竜矢がコンビニから買って来たのか白いレジ袋を携えて、「日下部さん、休憩しようか?」と言う。日下部晴美は笑顔で、「はい!」と元気よく返す。伐採した丸太に座りながら二人は缶コーヒーとシュウクリームに舌鼓をする。梅雨が本格化する前のこの時期、自治会などから依頼されるどぶさらいが多い。本来なら自治会の当人たちがやっていたものだが寄る年には勝てず、最近はこの手の依頼が殺到しているのだ。休憩を終えた二人は踵を返し、再び現場に戻りトラックに乗せるタンク式の圧縮噴霧器で僅かに残った泥を洗い流す作業に移る。作業が滞りなく終わると次は依頼者である自治会長に挨拶。一通り現場を自治会長に確認をお願いして、何も問題が無いと了承の書類にサイン並びに依頼料を貰い、領収書を差し出し本日の仕事は終わった。

 

 事務所に着き、階段を上る途中で兼平竜矢は、「いやー、本当に助かったよw、以前なら倍以上の時間が必要だったんだよね、日下部さんにはこれからも期待してるよ!」と日下部晴美の労を労う。当の本人はこれから売って貰う硬貨磨きの情報の事で上の空になり、「あ、はい」と適当に返す。ぶっきらぼうな返しに兼平竜矢は少し怪訝な表情をしたが当の本人は気が付かない。いつもの様に日下部晴美は更衣室に備え付けてあるシャワー室で汗を流し、作業ツナギをビニール袋に入れてバッグに収納。テキパキとメイクを済ませて私服に着替えて事務所に戻り専用デスクで寛ぐ兼平竜矢に、「兼平さん!、お疲れ様でした!、お先に失礼します!」と挨拶をする。その瞬間兼平竜矢が驚き、「えっ!?」と立ち上がった。彼の手にしていたコーヒーが作業ツナギに茶色い染みを作る。その光景に日下部晴美はさして反応をしない、何故なら彼女の頭には猫爺の事で一杯になっているからであった。兼平竜也がテッシュでコーヒを拭いながら、「お、お疲れ様!、気を付けて帰ってねw」と動揺しながら返す。そんな彼の言葉に対して日下部晴美は上の空のまま会釈して事務所を後にした。

 

 何でも屋の事務所は商店街の通りの一角にある。日下部晴美が事務所の建物から出ると目の前には様々な商店が立ち並び、青い空が茜色に染まりつつあった。通りには子連れの客が多く、親子の会話があちらこちらから聞こえる。彼女は親子通しの会話を聞きつつ目的を果たすべく、公園のある方角へ進む。すると、数メートルばかり進むと日下部晴美の鼻孔を香ばしい油の匂いが刺激する。彼女は迷わず香ばしい油の匂いがする精肉店に入った。彼女が店内に入るや否や、様々な精肉が並ぶガラスショーケースの奥にいる精肉店の白いエプロンをした婦人が、「あらw、晴美ちゃん!、何がご入用かしら?」と迎える。日下部晴美は、「どうも!、香ばしい油の匂いに釣られてきてしまいましたw、えーと・・・いつものコロッケセットをお願いします」と返す。精肉店の白いエプロンをした婦人は、「好きだねw、かしこまりました!、コロッケセットですね?、少々お待ちを」とガラスのショーケースからまだ揚げてないコロッケを三つをトングて取り出し店の奥に行く。「ジュワ―」と小気味いい音が店内に響き、その音を聞きながら日下部晴美は待った。数分もすると精肉店の白いエプロンをした婦人がこちらへ来て、「はい、コロッケセットです」と油ものに良く使われる白い対油袋を差し出す。日下部晴美は笑顔で受け取り、「ありがとうございます」と言い清算を済ませて店を出た。商店街の通りに出た彼女は早速白い対油袋の封を切り中身を確認。中には揚げたてのコロッケが三つあった。日下部晴美は躊躇せずその一つを手づかみで取り出し豪快にかじる。彼女の口の中に香ばしい良質の油と共に牛肉の旨味が広がった。どうらや一つ目は牛肉コロッケだった様だ。あっという間に平らげた日下部晴美は二つ目を手にしてかじる。ジャガイモの味とグリンピースやニンジンがふんだんに入っているオーソドックスな野菜コロッケの味に日下部晴美は思わず笑顔になった。彼女のその様子を見ていた子供は指差し親に何やらねだる。親子は精肉店に入り、日下部晴美のこの社会人として少しマナー違反の行為も商店街の経済に役になっている様だ。彼女は最後の一つを取り出して豪快にかじると、トロリとチーズがあふれ出た。最後のコロッケは変わり種のモッツアレラチーズコロッケ。このコロッケは精肉店のオリジナルで、仕事帰りのサラリーマンがビールのつまみによく購入する一品だ。日下部晴美は全てのコロッケを平らげて、空になった油袋を商店街の商工会が設置したくずかご入れに投げいれ進む。数メートルばかり進むと彼女は立ち止まり煎餅屋を見る。彼女の脳裏に食べるべきか今日は我慢すべきかと葛藤が起こる。しかし、恐るべき彼女の食欲は我慢と言う抑制は数秒と持たず、その足は煎餅屋に向かった。店内は土間がある古い日本家屋。奥からは香ばしい煎餅の香りが漂わせながら職人が精魂込めて煎餅を裏表を返し秘伝のタレを塗っている。入店した日下部晴美に対してエプロンを掛けた若い女性店員が、「いらっしゃいませ」と会釈。日下部晴美は反射的に会釈して、「あの、テイクアウト用の焼きたて煎餅セット一つお願いします」と返す。エプロンを掛けた若い女性店員は、「かしこまりました・・・あっ、丁度焼きあがった煎餅がありますので少々お待ちを」と職人の元へ行って軍手を装着して白い袋に手慣れた手つきで入れる。エプロンを掛けた若い女性店員は、日下部晴美の元へ行き、「テイクアウト用の焼きたて煎餅セットです」と手渡す。受け取った日下部晴美は財布から丁度のお金を取り出し店を後にする。バリバリと豪快な音を鳴らしながら歩く日下部晴美、公園までの距離はあと僅かだった。

 

 日下部晴美が公園に着くと子供たちはもう来ていて猫爺を待っている様だった。彼女の存在に気が付いた子供たちは、「お姉ちゃん!、百円用意した?」と言う。日下部晴美は頷き、「はい、持ってきましたよ」と返しポケットに予め入れていた百円を出した。すると、子供たちはニヤリと笑い、「俺も!、僕も!、私も!」と手にしていた百円を日下部晴美に見せる。無邪気なその様子に日下部晴美の顔が緩み、微笑ましい光景に過去の自分を照らし合わしていると突如、「わっ」と言う声。気のせいかと思う程か細い声であったが、日下部晴美は確かに聞いた。声がした方をじっと見ると何もなく、公園の植樹された低木の観賞植物が風で揺れているだけだった。気のせいだろうか?と、若干の不安を感じつつ日下部晴美は子供たちと談笑を始める。「猫爺遅いな・・・」と子供たちの一人がぼやき始めると雑木林の方から、「皆の衆!、待たせたな!」と猫爺が現れた。日下部晴美と子供たちはわっと歓声を上げて猫爺を囲む。囲まれた猫爺は、「よう来たなw、約束通りわしの秘伝レシピを売ってしんぜよう」と早速懐に手を入れた刹那、「ちょっと待てこら!!」と叫び声が公園にこだまする。その大きな声に子供たちはビクッと体を揺らし、日下部晴美は脳内で上司の突然の出現とマイクとヘッドホン姿の珍妙な姿に陰謀を疑う物語が構築し始めた。そして、彼女は極めて小さい声で、「何でお前がいる?」と呟く。日下部晴美の中で兼平竜矢を敵認定した瞬間だった。日下部晴美は毛根からチリチリとした感覚と若干の汗を感じつつ戦闘態勢に移行。対峙していた兼平竜矢は一歩下がり何かを悟った様子でヘッドホンを外し、「日下部さん!、違うんだ!、君を監視しているなその組織が放った草じゃない!、君が心配になって尾行したんだ!」と言う。奇しくも脳内で走っている物語に多少のズレは有るものの大体方向性が一緒の話しに日下部晴美は、「えっ!?」と呟き僅かに羞恥心が芽生える。日下部晴美の周りにいた子供たちは、「何でも屋のオッサン?、えっw告白?」などとそれぞれ口走り、「兼平の奴・・・何の用じゃ?」と猫爺は呟く。ほぼ自分の勘違いだと分かっていた日下部晴美ではあったが、「私が心配?、何故です?」と相手を疑う猜疑心の部分が最終確認を後押し。兼平竜矢は少し戸惑いながらも、「い、いや、何て言うか・・・仕事終わりにお菓子を食べながらテレビを見るのが日課でしょう?、そんな君が何もせず帰宅するのは変だなあと感じて・・・、へへw、元探偵の悪い癖かなw」と答えた。上司である兼平竜矢の真摯な言葉に日下部晴美は自身を恥じて、「そうですか、兼平さん誤解してすいません、敵国が放った使い捨ての諜報員だと思ってしまいました、申し訳ないです」と普段なら絶対言わない脳内の物語を告白をする事で帳消を試みる。兼平竜はホッとした表情をして、「ま、間違いは誰でも有るから・・・」とこちらへ向かい、そして日下部晴美は彼の仕草に安堵。兼平竜也が合流してようやく猫爺の話しが進み、「全くビジネスにとんだ邪魔が入ったの・・・気を取り直して行くぞい!」と言う。その言葉に日下部晴美の心臓が高鳴る。猫爺は昨日見せて来たサンプルが入っているガラスの保存容器を出すと、兼平竜矢が突如怪訝な表情をし始め、「十円?、猫爺・・・これで何をするんだ?」と質問。突然のお預けに憤る日下部晴美であったがここは大人しく事態を見守る事にした。猫爺はドヤ顔で、「フフw、よくぞ聞いてくれた、この十円玉はこれから売る情報のサンプルじゃw」と質問に答える。猫爺の答えに兼平竜矢は依然として怪訝な表情のまま、「「サンプル?、情報?、意味分からん・・・簡潔に答えてくれ」と更なる情報の開示を迫った。猫爺は少しめんどくさそうにしてヤレヤレといった仕草で、「全く感が悪い奴じゃのう・・・、わしが売る情報とはこれじゃあ!」と数枚のポチ袋を出す。技術情報が記されている紙が入っているのだろうそのポチ袋を見た日下部晴美の瞳孔は開き脊髄反射で、「ください!、その技術を記した紙をください!」と声高に叫ぶ。その様子を見た子供たちは共鳴する様に猫爺にまとわりつく。子供たちと日下部晴美にまとわりつかれた猫爺は身動きが出来ず、隙が出来てあっさりと兼平竜矢にポチ袋の一枚を奪われた。

 

 兼平竜矢や即座に奪ったポチ袋を破って中身を確認し始める。強奪された猫爺は、「兼平!、何てことするんじゃあ!」と怒鳴った。すると間髪入れず、「やかましいわ!この詐欺爺!!」と兼平竜矢の怒号が返って来る。そして更に、「こんなくだらない事を有料で売りつけようとしやがって・・・、あんた恥ずかしくないのか?」と言う。これは何かおかしいぞと空気を読んだ日下部晴美と子供たちは一歩下がり事態を見守る。猫爺は汗をジワリと滲ませ、「う、うるさい、な、何を売るかはわしの勝手だろうが、営業妨害じゃ」と苦しい言い訳。そんな猫爺に対して兼平竜矢は「営業妨害?、やってみろや!、捕まるのはあんただろうがな!、あんたは大人しく猫の情報屋をやっていればいいんだよ!」と止めを刺す。猫爺は悔しい表情を滲ませながら、「お、覚えておれ!、もうお前には猫の情報を教えてやらんからな!」と早足で雑木林にある段ボールハウスに撤退を開始。そんな猫爺の背中を見つめながら、あれだけ啖呵を切ったのであろうから何か策があるに違いないと期待しつつ日下部晴美は、「あれ、良いのですか?、今度猫の捜索依頼が来た時にあの人の協力が仰げませんよ?」と兼平竜矢を見つめる。兼平竜矢はあっという表情をした後、「た、多分大丈夫だよ少し時間が経てばコロッと機嫌が直っているんじゃない?、もし直っていなかったら猫爺の好きな草団子ダイナミック餡子を持って行けば大丈夫だよ・・・多分」と何とも情けない事を言って、日下部晴美は少し失望した。日下部晴美は社会人として建前で、「そうですか、なら良いですが・・・」とフォローする振りをしながら業務が滞る事を懸念する。猫爺が去り、大人二人の会話の目処が立ったと感じた子供たちのリーダー格である野球帽を被った少年は、「何でも屋のオッサン!、どうすんだよ?、猫爺帰っちゃったじゃん!、折角硬貨をピカピカにしたかったのに!」と非難。少年の言葉にハッとした日下部晴美は兼平竜矢を見る。兼平竜矢は少年に続き非難をしてきた子供たちをなだめ、「君たち落ち着いて、大丈夫だよ!、ほら見て?」と自身のスマホを見せた。日下部晴美は子供たと共に兼平竜矢のスマホを見てみると、そこには硬貨の磨き方と必要な道具一式が表示されていて、「オッサン!、これ本当?」とリーダー格の野球帽を被った少年が言う。オッサンと言う言葉に少したじろいだ兼平竜矢は、「おっ、オッサン!?、まあ・・・いいか、そうだよ!、君たちのお母さんやお父さんに頼んでスマホで検索してもらって、サイトに表示されている道具を揃えて貰えばいいだよ、見た所・・・高価なものが無いみたいだし、ホームセンターに行けばあるはずだよ」と説明。兼平竜矢と子供たちのやり取りを見ていた日下部晴美は先程の失望が嘘のように消え微笑む。子供たちは兼平竜矢の説明により活気づき、「おじさんありがとう!、家で頼んでくる!」とそれぞれの家へと帰った。公園には大人二人・・・兼平竜矢は突如日下部晴美を見つめる。日下部晴美は反射的に背筋を伸ばすと、兼平竜矢が口を開き、「日下部さん・・・君さ、こういう時は大人の君が率先して止めなければ駄目だよ、俺がもし来なかったら君も共犯としてちょっとヤバい事になっていたかもよ?」と警告をする。日下部晴美は考えもしなかった事態の可能性に背筋に冷たいものが走り、「すいません・・・軽率でした、猫爺の持っていた十円玉があまりにも綺麗なので是非その技術を習得したくて考えも無しに行動してしまいました・・・」と自分でも驚くほど素直にペラペラと経緯を話す。兼平竜矢はため息を付き、「今後は気を付けてね・・・あとさ、商店街で食べ歩くのは今後は控えてね、家に帰って食べるか事務所で食べる事!、いいね?」と念を押され、日下部晴美は、「えっ!?、りょ、了解であります!」と辛うじて答えて挨拶をし、足早に公園を去る。帰路の途中、客観的な自分の行動を他人から言われ恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にした日下部晴美は明日はどんな顔をして会えばいいのだろうか?と悶絶した。

 

 翌日、思ったほど気まずくならず一日の業務をこなした日下部晴美は、通常通りシャワーを浴びてメイクを済ませて私服に着替え、スマホの充電をしつつ来客用のソファで期限切れの茶菓子を食いながらテレビを見て過ごす。いつも通りの日常が過ぎて行く中、突如、日下部晴美の前にあるテーブルに大皿が置かれる。大皿の上には花鳥風月の草団子ダイナミック餡子が積まれていて、彼女の口内に思わず唾液が分泌した。思いがけないご馳走の出現に日下部晴美は意気揚々と、「食べていいのですか?」と置いた張本人である兼平竜矢に確認。兼平竜矢は、「良いよw、一人では食べきれないからね」と快諾をして草団子ダイナミック餡子を一本取って自身の専用デスクの後ろにあるブラインドカーテンをへ向かった。日下部晴美は早速一本の草団子ダイナミック餡子を手にしてかぶりつく。太い串に刺さっている拳よりやや小さめの草団子からこし餡があふれ出し、その甘さに酔いしれて幸福を感じるのだった。

 

364曲目の紹介

 

 今回ご紹介しする曲は、作詞作曲をTwinfieldさん、イラストと動画をめるのめるさんによるEars Lollipopです。

 

 ロリポップって知っている?。棒の先についている子供が好むキャンディの事よ。私はそのロリポップが大好き!、だって様々な味があって飽きないんだもんw。それと同じぐらい好きなのが恋w。いつかとろける様な恋がしたいわw。今は恋に恋する乙女だけどいつかは本物の恋をして魔法みたいな体験を絶対したいの!。

 

 本曲は恋に恋するモウレツ乙女を題材にした曲で、様々な恋の体験を夢見る乙女を初音ミクさんが歌います。

 

 本曲Ears Lollipophは、耳の意味である英語のEars(イヤーズ)と棒付きキャンディの意味であるLollipoph(ロリポップ)を組み合わせた造語だと思われます。個人的な解釈になりますが、本曲で意味する所はEarsは耳ではなくイヤンの複数形、つまりイヤンイヤンという解釈をして、Lollipoph(ロリポップ)は様々なシュチエーションを想定した恋の妄想のメタファー(隠喩)と過程すると、イヤンイヤンな妄想と解釈できます。要するに、イヤンイヤンw彼が告白してきたらどうしようwという乙女の淡い恋心の願望を意味する題名と思いました。

 


www.youtube.com

 

 今回はTwinfieldさんの乙女の曲という事で、エレクトロニックな曲調が現代の等身大乙女な感じがしてオッサンでも、キュンときめいてしまいましたw。

 

本曲が気になる方は、収録されているアルバムEars Lollipopのリンクを貼っときますのでどうぞ!

 

twinfieldnex.booth.pm

 

 本曲、Ears Lollipopは恋する等身大乙女をエレクトロニクスな曲調で表現した曲です。当方と同じオッサンでも十分乙女な気分に浸れる事はもちろん、本物の乙女なら尚更曲に共感できると思いますので是非!本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

pixiv百科事典様より

dic.pixiv.net