煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

始まりの音から始まった軌跡を歌うVOCALOID曲

こんにちは こんばんは 煮干しです。

 

 お盆休みは如何でしたか?、自分は相変わらず何も変わらない日常を過ごしています。テレビのニュースやネットの記事で窺うと世間は、親元に帰省や、旅行やキャンプ、バーベーキュウ、花火などなど、コロナ明けも相まって、全力で楽しんでいる感じがしますね。今年こそは何処かへ行こうかと思っていましたが・・この暑さで何処かへ行こうという気力が湧きませんよw、後、ガソリン高すぎw、あっという間に170円台に上昇して、ハイオクみたいな値段にちょっとドン引きです。まあ、この様に様々な要因によって今年も何処にも行かない感じになりそうですw。それでは、316曲目の紹介とちょっとした物語をお送りしたいと思います。

 

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

※題名や挿絵にBing Image Creatorを使用しました

 

曲の紹介は下の方にあります!物語を飛ばしても構いません。

 

 「あれが猫岳?」と俺がサービスエリアから見える山を指す。「そうにゃあ、あれが猫岳にゃあ、これからあたい達が向かう目的地にゃあ」と黒髪ツインテールで普段のメイド服ではなく、キャメルのサロペットにTシャツとスニーカーを履いた女性が答えた。語尾ににゃあが付く彼女の名前はミケ、まるで猫の名前のようなのは、化け者といわれる、化ける事が出来る動物の化け猫に属する、れっきとした猫だからだ。俺たちは、これからとある場所にある猫岳という、おおよそ、標高1200メートル位の山に向かっている。何故その山に向かうのか?、詳細は省くが世間では失踪した家出人が連続で見つかたという、世間を騒がせた事件で俺とミケは不覚にも気絶をして、最後まで関る事が出来なかった。特にミケは凄く悔しかったらしく、同じ轍を踏まない様にするため、猫岳にある化け猫の隠れ温泉里で修行をする事を決意したのだが、ミケの要望と俺の上司である所長の命令で付き添いする羽目になり、レンタカーを借りて現地に向かっている最中だ。「次の降り口で降りて、後は山道を道なりに行けば登山道に行けるんだっけ?」と俺は自動車に乗る前にミケに確認をする。「そうにゃあ!、登山道の入口にある民宿に今日は泊まって、明日に登山を決行するにゃあ!」と俺の確認にミケ答えた。「了解!行こうか?」と俺はミケに出発を促し、「おうにゃあ!」とミケは元気よく応えて自動車に乗り込み、俺も続いて乗り込む。それから自動車を10分位走ると、高速道路の降り口を確認し、俺は左ウィンカーを作動させ、ハンドルをきって高速道路の料金所で料金を支払い一般道路に出る。すると、標識に猫岳登山道と表示されていて、俺はそれに従い自動車を走らせた。山道は都会ではお目にかかれない景色と森の木々は、俺たちを感動させ、「流石にここまで来ると、景色も凄いな!」と俺は感想を漏らし、続いて、「うみゃあ!、付き添いを要望したあたいに感謝するにゃあ!」とミケは助手席の窓の景色に釘付けになりながら言う。全くいい性格してるよ、まっ、確かに歓楽街とは全く違う別世界で、いい気分転換になるけど・・。俺はほんの少しだが感謝しつつ、運転に集中した。

 

 山道を走り始めて15分位経って、俺たちが今日泊まる予定の民宿が川に架った橋の先に見えた。「やっと着いた・・山道って疲れるな」と俺がぼやき、「民宿でご馳走を食べて英気を養うにゃあ!」とミケはキラキラした目で言う。橋を渡り、民宿の駐車場に駐車し、俺は自動車から降りて背を伸ばし、ワンテンポ遅れてミケも真似て背を伸ばす。周りを見回すと、集落という感じで遠目に商店街の様なものが見え、民宿がここを含め5,6件位ある。「ここって観光地として有名なのか?」と俺はミケに尋ねた。「そこそこ、有名にゃあ!、猫岳は猫好きの聖地として知られているにゃあ」とミケはドヤ顔で言う。「ふーん、そうなんだ・・、じゃあ、民宿に行きますか」と俺は特に何の感情も沸かず適当に相槌をした。「なんにゃあ!その言い草は!もっと驚くにゃあ!、えっマジですか?凄いな!とか言えにゃあ!」とミケは俺の受け答えが気に入らないのか、声色を使い俺のもの真似を披露。「何だよそれ!、普段の俺はそんな感じじゃないぞ!」と俺は抗議。すると、「お前は大体そんな感じにゃあ!、所長!報告書です、チラチラ」とミケはダメ押しに俺が所長と接している時の様子をチラ見の擬音付きで再現。この駄猫、いつもキョロキョロして注意力散漫な感じだが、結構観察してるんだよな・・くそっ。「はあ!?、見てません!チラチラ見てません!お前の気の所為じゃない?w」と俺は強引に無かった事にしようと試みた。「気の所為じゃ無いにゃあ、確かにお前は所長の胸をチラ見していたにゃあw」とミケは俺の願いも空しく断言。このまま言い負かされる事は絶対嫌だった俺は脳みそをフル回転して反撃の一手を編み出そうとした瞬間。「あの・・あの・・」と後ろから誰かが声を掛けて来る。俺は少しイラつきながら、「うるさいな、何だ?」と思わず言う。振り返って見た視線の先には、俺の態度に怯えた態度の、頭に三角布にエプロンをした妙齢の女性がいた。

 

 あっ、ヤバい。俺の頭は瞬間冷却して、「あ、ごめんなさい、何でしょうか?」と取り繕う。そして、「民宿、峠の者です、失礼ですが、今日予約の志村様でしょうか?」と妙齢の女性は俺たちが今日お世話になる民宿の関係者だった。「は、はいそうです!、志村です、先程はごめんなさい」と俺は深々と頭を下げる。「あっ、気にしないで下さいw、それではお部屋を案内しますので、こちらへ」と妙齢の女性は表面上は気にしてなさそうな態度をして、俺達の案内を開始。俺たちは借りてきた猫状態で素直に妙齢の女性について行き、一室に通された。部屋は和室で、民宿にらしく簡素な作りだった。「うわっ、凄く綺麗な景色ですね!」と俺は通された部屋から見える景色を絶賛し、「本当にゃあ!、所長に感謝にゃあ!」と続いてミケも誉める。「ありがとうございます、当、宿から見える景色はちょっとした自慢なんですよw」と妙齢の女性は嬉しそうに言い、「遅れました、私は当、宿の女将、村山です」と妙齢の女性は民宿の女将だった。「お、女将さん!?、わ、若いんですね」と俺はたじろぎながら言う。「若いだなんてw、結構年ですよw」と村山さん照れながらは返し、「若いにゃあw」とミケが割って入る。そして、「失礼ですが、先程からそちらのお客様は語尾ににゃあと付けてますが、都会ではその様な話し方が流行っているのですか?」とやはり村山さんは気になる様で俺に尋ねて来た。「えっ!?、いや、そうみたいですねw、最近の若い女の子は宇宙人みたいですよw」と俺は何とか誤魔化そうとする。「そうなんですか!?、見ての通り田舎なので・・流行りものに疎いんですw、それでは夕食の支度が出来次第、連絡を差し上げますので、それまで、ごゆるりとお寛ぎ下さいにゃあw」と村山さんは部屋を退室。ヤッベー、信じちゃったよ・・どうしよう・・。俺は出まかせを言ったのを後悔し、その様子を見たミケは、「どうするにゃあ?」と俺の事をジト目で見る。「お前が、にゃあにゃあと、うるさいからだよ!、その語尾何とかならないか?」と俺は八つ当たりに近いものをミケに打診。すると、「嫌にゃあ、これはあたいのアイデンティティにゃあ」とミケはすまし顔で拒否した。

 

 それから、夕食まで若干の時間があり、俺達は長旅の疲れを癒すため、民宿にある露天風呂に向かう。露天風呂に着くと、男湯と女湯の暖簾が掛かった入口が二つあり、入り口の正面の壁に何やら紙が貼り付けてあった。俺はおもむろに近づき、「当民宿の看板猫のキジトラ柄のキジ子を探しております、半年前に猫岳に行ったきり帰りません、お客様が猫岳に登る際に頭の隅にこの事を置いてくれるなら幸いです」と紙に記されていたものを読み上げる。そして、「ミケ?どうなんだこれ、お前的にはどう見る?」と俺はミケに猫目線の意見を求めた。「そうさにゃあ、猫って生き物はタフな生き物にゃあ、きっと何処かの家に居ついているにゃあ」とミケは猫目線の意見を言う。「じゃあ、生きてる可能性高いんだな?」と俺はミケに確認。「たぶん大丈夫にゃあ、断言は出来にゃいけど」とミケは答えた。「じゃあ、明日はこの子を探しながら隠れ里を向かおう」と俺はミケに持ちかける。「えーー・・、まあいいけどにゃあ、あたいの勘では、図々しくどっかの家の子になっていると思うけどにゃあ」とミケは少し気が乗らない態度をしつつ了承。「よし、明日は頑張ろうな!」と俺はミケに鼓舞し、「おうにゃあ!じゃあ、ひとッ風呂浴びるにゃあ!、あっ、志村、覗くにゃあよ」とミケは暖簾を潜りながら、俺に警告。「するか!!」と俺は返し、俺たちはお互いの性別に合致する入口から入り、露天風呂を堪能した。

 

 「ふー、いい風呂だったにゃあw」と部屋に帰った浴衣姿のミケは開口一番に言う。「そうだなw、所長には感謝だなw」と俺も相槌を打つ。所長とは俺の雇い主で上司の化け者、更に絶世の美女である彼女が今回の旅費を全て工面してくれたのだ。「そうにゃあw、目的を達成したら、所長にお土産を買ってあげるにゃあ」とミケはご機嫌な調子で畳にゴロンと寝ころび、俺も真似してゴロンと畳に寝転んだ。イグサと匂いとヒンヤリした空気が心地いい・・。そして、俺たちは数分互いに何もしゃべらず寛ぐ。すると、「コンコン」と部屋のドアをノックする音がした。「はい」と俺が返事する。すかさずドアが開き、「失礼します、お夕食の用意が出来ましたので、お持ちしますが、いかがでしょうか?」と女将の村山さんが俺たちに打診。考えるまでもなく、「お願いします」と俺は了承した。「何が来るかにゃあw」とミケは座椅子に座りながら夕食を嬉しそうに待ち、「ああ、楽しみだなw」と俺も久しぶりのご馳走に腹が鳴る。5分位で、女将さん達が食事を俺たちの部屋に運び込む。座卓に鮮やかな赤色の肉に続き新鮮で美味しそうな野菜が置かれる。どうやら鍋料理の様だ。座卓に料理が運び終わり、「本日の料理は、当民宿の裏手にある猫岳で獲れたイノシシを使った牡丹鍋です」と村山さんが説明。「牡丹料理?、初めて食べますw」と俺のテンションはマックスになり、「野生のパワーを吸収するにゃあ!」とミケは口から涎を流す。「まあ、そんなに期待してくれると、腕の振るいがいがありますわw、それでは早速、鍋の準備をさせて頂きます」と村山さんは野菜をトングで掴み、俺たちの鍋にそれぞれ入れる。野菜に熱が通り色が少し変わると、猪肉を入れて、鮮やかな赤が茶色に変色して、「さあどうぞ」と村山さんのゴーサインが出て、俺たちは早速、目の前にある鍋に箸を入れた。おお!、臭みも無く美味しい・・、これがイノシシの肉か・・古の人が精力剤の薬として珍重していたのが分かる、イノシシの血と肉が俺の体を駆け巡り、力を与えてくれる様だ。俺は猪肉に舌鼓をしながらミケの方に視線を移す。「うめぇにゃあw、うめぇにゃあ」とミケは相変わらずワイルドな食べ方。ツインテール若い女の子の容姿でのその食べ方はかなりのインパクトがあり、村山さんは目が点になっていた。

 

 「まあ、凄い食いっぷりw」と村山さんが半笑い。「それ程でも無いにゃあw」とミケはドヤ顔を返した。ミケよ褒められてないぞ・・。ミケは気をよくしたのか「女将よ、キジ子って猫が行方不明って張り紙を見たにゃあ、何歳ぐらいにゃあ」とミケは村山さん尋ねる。ええ・・お前、さっきは気乗りしてなかった癖に・・。「まあ、張り紙を見て下さったのですか!、そうなんですよ、近所で育児放棄された乳飲み子の頃から育てた大事な一人娘なんです、年齢は一才位ですわ」と村山さんは答えた。「乳飲み子から育てて、一歳位かにゃあ・・」とミケは何やら思いにふけ、「まあ、きっと見つかるにゃあ!」と村山さんを勇気付ける。「ありがとうございます、私もいつかフラット帰ってくる事を信じていますわ」と村山さんは気丈にふるまい、「それでは、ごゆっくりどうぞ、失礼したします」と部屋から退室した。二人だけになり、「なあ、どうなんだ?」と俺はミケに尋ねる。「乳飲み子からだとにゃあ、家出の可能性は少ないにゃあ・・」とミケは少し切ない顔。「じゃあ、キジ子は・。」と俺は言いかけて止めた。そして、「志村、明日は早いにゃあ、あたいは満腹になったからもう寝るにゃあ」と敷かれていた布団に向かい、くるっと空中で一回転して猫の姿に戻り、浴衣が空中に舞い落ち、布団の真ん中位の場所でクルクルと回り、ストンと腰を下ろし、寝息を立てる。早っ!寝るの早っ!、そうだな・・俺も今日は早めに寝よう。俺は早々に食事を済ませて、布団に入り、明日に備えた。

 

 翌朝、俺たちは名目上は猫岳の山中にて、長期間キャンプをするという事になっているので、使う予定がないテントやその他のキャンプ道具をリックサックに入れる作業をしていた。これから俺達は、レンタカーは民宿に置かせてもらい、一日かけて猫岳にある化け猫の隠れ里に向かい、その後は隠れ里の宿泊施設にお世話になる予定だ。俺たち仰々しい装備をして、民宿のロビーに着くと、女将の村山さんが待っていた。「おはようございます、これから猫岳でキャンプを連泊するサバイバル頑張ってくださいね!、これはうちからの餞別です」と村山さんはなにやら竹皮にくるんだ物を渡して来る。「あ、ありがとうございます、これは?」と俺は恐縮しながら尋ねた。「おにぎりです、中身はおかか、シャケ、梅干しです」と村山さんは笑顔で返す。「ありがたいにゃあw」とミケは村山さん手を握り、ありったけの感謝の意を示し、「すいません、じゃあ、レンタカーの方はよろしくお願いします」と俺はペコリと頭を下げつつ、隣にいたミケの頭を強引に下げさせて、民宿を後にした。民宿の裏手にある猫岳の登山道から入り、ミケを先頭に俺たちは登山道を進む。猫岳は比較的登りやすい山だと聞いていたが、結構、険しい。暫くして、ミケが立ち止まり、スンスンと辺りを嗅ぎ始める。すると、「こっちにゃあ!、化け猫のマーキング目印があるにゃあ」とミケは登山道からそれて竹藪の中に入り、道なき道に進み始めた。「志村、気を付けるにゃあ、これからは獣道ならぬ化け猫道にゃあ、そばを離れちゃダメにゃあ」とミケは振り返りもせず言い、「ああ、分かった」と俺はゴクリと生唾を飲み、指示に従う。ミケの背中を見ながら歩き続け、岩を越え川を越え、道なき道を2時間ほど進むと、比較的に流れが緩やかな沢に到着。「休憩にゃあ」とミケは背負っていた荷物を下ろし、背を伸ばす。俺も息を切らせながら、荷物を下ろし、水筒の水を飲む。沢の水の流れる音と野鳥の声がこだまして、ああ俺は登山をしているんだなと実感。ミケの方を見ると、村山さんに貰ったおにぎりを食べていた。「もう食べるの?、お昼までまだ時間があるよ?」と俺は余りの早弁に戸惑う。「志村腹に詰め込めんどけ!、これからは落ち着いて食べれる場所は無いにゃあ」とミケは俺の戸惑いを霧散させる。「お、おう」と俺は返し、おにぎりを食べ始めた。おにぎりは絶妙なふんわり感がして、大きめの粒の米は食いごたえあり、とても美味しかった。食事を済ませ、沢の流れをぼーっと見て、汗が引いて来るころに、「志村、出発するにゃあ!」とミケは荷物を背負い行動開始の合図。「へーい・・」と俺は力なく返事を返し、歩き始めた。暫く進んでいると、霧が濃くなり始めて、ミケは歩みを止めて、リックサックからロープを取り出し、自分と俺を結び、「ここではぐれたら、人のお前はイチコロにゃあ」と再び歩みを始める。視界はほぼゼロになり、微かにミケの姿が見えて「スンスン」と辺りを嗅ぎまわるミケの鼻息だけが聞こえた。

 

 視界がほぼゼロの霧の中を進み始めて1時間程・・、微かに硫黄の匂いがしてきた。「ミケ!、硫黄の匂いだ、近いのか?」と俺はロープの先のミケに声を掛ける。「おうにゃあ!隠れ里迄もうすぐにゃあ」と声が帰ってきた。はーー、やっと目的地か・・。進むにつれて硫黄の匂いが濃くなると同時に霧の濃度が薄くなり、視界が開け辺りが見渡せるぐらいになって、自分の状態を見ると、霧の中を長時間進んだために衣服はべちゃべちゃで、目の前のミケの尻尾を見るとぐちょぐちょになっていた。汗と霧で冷やされて寒さから身震いをし、「ミケ・・あと・・どの位?」と俺は弱々しくミケに尋ねる。「あと数分で着くにゃあ!食いしばるにゃあ」とミケは珍しく俺を鼓舞。俺は半ばロープでミケに引っ張られて歩く感じで数分歩くと赤い大きな鳥居が見えてきた。「隠れ里の入口にゃあ!」とミケは叫び、「マジか!やったー!!」と俺も叫び、歩みに力が入る。鳥居を潜ると、古い日本家屋が立ち並ぶ景色が俺たちの前に現れた。「その昔、ここは人が住んでいた集落だったにゃあ、人が放棄した後、化け猫が移り住んで隠れ里になり今に至るにゃあ」とミケは歩きながら俺にこの里の由来を軽く説明。「へー、そうなんだ」と俺は返し、ミケの後をついて行くと奥の一番立派な屋敷に向かっている様だった。屋敷に向かう途中、何人かとすれ違ったが、人の姿こそしていたが、実に伸び伸びと尻尾と耳をさらけ出していて、自然体という感じで、都会では考えられない。屋敷の前に着くと、門構えに大木から切り出した立派なヒラ板に猫修行館と彫られた門が現れ、ミケはそれを躊躇なく潜り、「たのもー」と声を上げる。すると、屋敷の奥からお坊さんなどが作業を行う時に着るいわゆる小豆色の作務衣を着た、銀色の耳に尻尾をして髪を束ねた女性がやって来て、「まあ、いらっしゃい、当館の主人ギンコでございます、修行を希望の方ですか?」と一礼して俺たちに尋ねてきた。「そうにゃあ!」とミケは元気よく返す。「承知いたしました、どうぞこちらへ」とギンコは俺達を案内。俺たちはギンコの後に続き、屋敷の中に入ると、旅館のロビーの用な感じで、ぱっと見10人以上の人がいて、その人たちは全て作務衣を着ている。「2名様ご案内!」と俺たちを案内しているギンコは突然声を上げた。その瞬間、「はい!はい!」と同じく小豆色の作務衣を着た、サビ色の尻尾と耳をしたショートカットの女性が来て、「ここからは彼女が案内しますので、それじゃあよろしくね」とギンコは同僚に任せて去る。「どうも、あなた達の担当になりますオトギと申します、当館は初めてですか?」と担当になったオトギと名乗った女性は尋ねてきた。「あたいは初めてじゃないにゃあ、こっちのしょぼくれた人間は初めてにゃあ」とミケは答える。「あらまあ!、こちら様は人間の方ですか!珍しい!」とオトギは驚く。「あっ、志村という者です、人間でも大丈夫ですか?」と俺は名乗り、ミケからこの施設の事を聞いていたが確認した。「はい、もちろん大丈夫ですよ、ごく稀にですがお友達の化け猫と共に当館の門を叩く人間がいますので、それよりも当館がどの様な施設かご存知ですか?」とオトギは俺の確認に答え、今度は俺に確認。「連れから聞いてます、何でも修行が出来る湯治場だとか」と俺は返す。「その通りでございます、当館が提供出来るのは3食の食事とお風呂、それから私が着ている作務衣、霊験あらたかな修行場です」とオトギは言い、「んっ?、修行場以外は他の宿泊施設と同じって事ですか?」と俺は疑問を口にする。「少し違います、当館では食堂や露天風呂は24時間開放していて、こちらから時間を指定しません、ですのでお客さの都合でお願いしています、作務衣もフロントで自由に何着でも交換いたしますので、汗や汚れが気になりましたら、お気軽にお申し付けください」とオトギが答えた。「なるほど、基本はセルサービスなんですね」と俺は言う。すると、「左様でございます、それではフロントにて手続きをお願いします、こちらへどうぞ」とオトギは俺たちをフロントまで案内。フロントまで来ると、「ミケで予約してるはずにゃあけど」とミケが言った。ミケの言葉を聞き、フロントの受付係は台帳の様な者を開き、「はい、確かにミケ様の予約承っております、えー・・・と、今日から一ヶ月の予定で、あっ、先払いされてますね、ありがとうございます、それではここにサインをお願いします」とフロントの受付係はミケに、何やら大きめの赤い朱肉と書類を出す。ミケは荷物を置きくるっと空中で一回転して猫の姿に戻り、フロントのカウンターに着地して、前足を朱肉に押し付けて、書類にスタンプ。フロントの受付係がミケの肉球の後を確認し、「ありがとうございます、それでは担当の者がお部屋に案内します」と言って一礼した。「ミケ様、それではお部屋に案内いたします」とオトギが俺たちの案内を再開。おおきな年代を感じられる、赤いジュータンが敷かれた階段を3階まで上がり、富士の間にとうされる。富士の間は和洋折衷の部屋のリビングと寝室にはベッドが2つあり、贅沢な部屋だった。

 

 「おお、凄い!、めっちゃ豪華!」と俺は感激し、「所長、奮発してくれたんだにゃあ!」とミケは目を輝かせ言う。「お客様が滞在している間は、この私、オトギがお世話をいたしますので、何かありましたら、そこのお電話でフロントの者に申し付け下さい、それでは失礼いたします」とオトギは深々とお辞儀をして退室した。俺たちは重い荷物を置き、俺は一刻もビタビタの衣服を脱ぎたい衝動を満たすため、「なあミケ、お風呂入りに行こうよ」とミケに打診。すると、「そうするにゃあ、志村!あたいについて来いにゃあ」とミケは快諾し、先陣を切り、俺たちはフロントで作務衣を受け取り、露天風呂に向かう。露天風呂の入り口に着くと、女湯と書かれた暖簾を掻き分け、1人の雉柄の耳と尻尾を携えた女性化け猫が丁度出てきた瞬間、俺とミケはその顔にギョッとする。その顔は麓の民宿・峠の女将、村山さんをそのまま若くした感じで、他人の空似とは思えない程よく似ていたからだ。ミケが彼女をジーと見ていると、彼女は視線に気づき、「な、何よ」と戸惑いながら言う。「お前・・キジ子にゃあ?」とミケは尋ねた。彼女は驚き「あ、あんた何者?」と警戒心をあらわに。「あ、あの、俺たちは麓の民宿の女将さんに君が行方不明にになっていることを聞かされたんだ、女将さん、心配しているよ」と俺はキジ子の警戒心を解くために事情を話す。「えっ!?、母さんが?」とキジ子は驚く。母さん?、猫が人間の事を?。「志村、猫は目が開かない乳飲み子から人間に育てられると、人間を親と認識するにゃあ」とミケは俺の耳元で囁き、俺はキジ子に視線を戻すと、「そう・・母さんが・・」と彼女は悲しそうな顔をして言う。「親を泣かしちゃダメにゃあ!、とっとと帰るにゃあ!」とミケはキジ子を説得、すると、「帰りたくても帰れないのよ!、う、うぇぇ」とキジ子は泣き出す。「帰れない?、どうして?」と俺はキジ子に尋ねる。キジ子は嗚咽まじりで、「うぇぇ、だってだって、元に戻れないのよ!」と答えた。

ー続くー

 

 

 今回ご紹介する曲は、作詞作曲をbluesさん、イラストを4さんによるFirst Note Rin&Len remixです。

 

 本曲は、マジカルミライ2021年度の楽曲コンテストにて受賞したbluesさんが自信の曲をセルフカバーした曲です。

 

 何事にも始まりがある。そして、幾世の月日を重ね移り変わり姿を変える。しかし、変わらないものもある、初めてボーカロイドを聞いた時に感じた感動・・。その感動は世代から世代に受け渡されて、その感動が集まり流れになり、小さなうねりが大きなうねりとなって、今では大河の如く立派な流れになった。だが、始まりを忘れてはいけない、オシャレでもない、不格好な曲から感じた、ときめきと感動、全てはそこから始まったのだ。始まりとそこから続いた積み重ねの先に起こった奇跡から、過去を振り返ってノスタルジーを感じつつも未来に歩む成長と軌跡の歌を鏡音リンさん鏡音レンさんがハートフルに歌います。

 

 本曲の題名First Noteは直訳すると初めの音符、つまり初めの音になり、本曲の意味するところは、ボーカロイドを始めて聴いた時に起きた感動を意味と自分は解釈しました。

 

 

 本動画はクリプトンさんの公式動画で、つまり・・紹介の紹介という以前にもやってしまったやらかしですw。まっ、それは置いといてw、本曲の歌詞は丁寧に作られていて聴いていると心地いい気分にになりますね!陽だまりの様な暖かさの中にいる気持ちになります。本曲が気になるのなるのでしたらリンク先をチェックしてみて下さい。

karent.jp

 

 本曲First Note Rin&Len remix は、丁寧に作られた歌詞とホンワカな曲調でまるで森の木々からこぼれる優しい日差しの様な曲は聴き手を優しい気持ちにしてくれる素晴らしい曲だと思いますので是非!本動画を視聴して聴いてみてください。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

 

鏡音 リン・レン

 

webdlio様より

note