煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

緊張と言う厄介なものを歌うVOCALOID曲

 

  こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長である柳井正氏が日本テレビの報道番組で「これからの日本は少数精鋭で働く事を覚えないとこの国は滅びるかもしれない」と仰って提言した奇妙な亡国論が世間を騒がせました。この発言はどういった経緯で仰られたのでしょうか?、この発言を取り扱ったネット上の記事は件の一部の発言ばかりフォーカスしていて要領得ないので、元となった発言をしている日本テレビの報道インタビュー動画を何度も視聴し、自分なりに咀嚼してまとめて見ました。

 

追記  

度重なる変更、謹んでお詫び申し上げます。

追記2 

ネットで集めた浅知恵で無謀な事に挑み醜態を晒したのでさらに修正、誠に申し訳ありません。

 

何故か日本を選ばない生徒たち

 

 柳井氏は財団の活動で社会的弱者や経済的に恵まれない女性を支援して高等教育の機会を与える支援をしています。そんな彼女たちは進路先に日本を選択しませんでした。何故選ばれないのか?、そんな疑問が話題になった提言の起点になります。

 

正当な対価を払わない日本

 

 海外では有料のサービスでも日本では無料な事はしばしば見受けられます。一労働者にサービスを過剰に要求するこの姿勢は労働力のすり潰し以外の何ものでもなく、しかしながら、おもてなし精神の我が国らしい特質すべく美点ではあり、サービスを受ける側ならこの上なくありがたい素晴らしい慣習ですが、海外労働者視点では賃金以上のサービスを要求する劣悪な環境に映り敬遠をすると思われます。

 

じゃあ、正当な対価を支払える又は納得出来る社会になるにはどうしたら良いか?

 

 今日の日本式ビジネスはサービス残業といった個人の努力や善意に頼りきっておきながら、それを誉れとして滅私奉公が常態化し、正当な対価を労働者に支払ってない事が囁かれております。ですから、まず、経営者側は決算などを公表し、労働者自身に把握させる事から始めます

八百屋 売上50,000,000円 従業員2人 

粗利益 

50,000,000(売上)-20,000,000(仕入れ費)=30,000,000円(粗利率は60%とする)

一人当たりの粗利益 

30,000,000円÷2人=15,000,000円

労働分配率を20%として

30,000,000円×0.2=6,000,000円

一人当たりの給料を飽くまで同格で同じ業務として

6,000,000円÷2人=年収3,000,000円

従業員一人当たりの価値

3,000,000(年収)÷0.2(労働分配率)=15,000,000円の価値がある

一人当たりの価値を補える売り上げは

15,000,000円(価値)÷0.6(粗利率)=25,000,000円の売り上げが必要

売上50,000,000円なので帳尻が合う

 

 この様に現実ではあり得ませんが(給料の5倍の粗利益を出している)、労働分配率20%で年収3,000,000円付近の報酬を貰って一人当たりの粗利益を15,000,000円の利益を叩きだし25,000,000円の売り上げを出しているのなら、従業員自身の給料分は稼いでいて、その価値相当の売り上げも確保していると言えます。生産性は高く、雇用側からすると頼もしい限りですが、従業員に年収の5倍ほど粗利益を出させていているにも関わらず利益の分配が低くく、不当な報酬で働かせている状態で、転職や独立を招く可能性があります。今回の例では労働分配率を34%にして、年収を5100000円に引き上げ、一人当たりの粗利益を約3倍にするのが適正でしょう。

 

 己の貰っている報酬が適正なのか?貰い過ぎなのか?はたまた搾取されているのか?を分析させて、更に決算書に記されている営業利益率(飽くまで一般的に言われているのは15%以上なら注意!無茶な人件費の削減や何かやらかしている可能性あり、例えば脱税とか粉飾決算を提示し、雇い側と雇われ側のオープンでフェアーな信用関係を築く意識改革が重要です。そして、不当で安い報酬だと感じたのなら会社と交渉して、ダメなら転職や独立を視野に一考するのもありだと思います。

 

 もしも、会社の生産性が低く低水準の粗利益であるならば、断腸の思いで選抜し、及第点以上の粗利益を達成出来る少数精鋭へ組織再編して生産性を上げ、対価に見合った報酬を支払える環境にすると、会社が生み出す利益を労働者に対して高水準で還元出来るようになり報酬もアップして、結果的には雇う側、雇われ側Win-Winになると思われます。

 

 ただ、社会全体が正当な対価や生産性を追求しすぎると、生産性が低い人達は必ず貧乏くじを引く事になり報われず、自身の生産性に見合う職を永遠に探す状態に陥るので注意する必要があります。

 

正当な対価を払える社会の先

 

 正当な対価を払える社会になって我々にどんな利点があるのか?。GDPの成長率は鈍化して30年も停滞してる我が国、更に少子高齢化により内需は萎む一方で、国内だけのリソースでは到底この先の成長と繁栄は望めません。柳井氏は、協調性、治安の良さ更に海外の人々を受け入れる寛容さ個人並びに企業が先陣を切ってアピールすることの必要性を訴え、海外の人々から日本は魅力的だと思わせる事が肝要で、更に我が国に興味或いは好意を抱く人材、取り分け研究職、クリエイティブな知識層に対して積極的なアプローチをし、まずは我が国へ長期出張から始めて馴染んで貰い最終的には定住を選択して貰える様な仕組みを目指すべきだと同氏は語っておりました。この構想は、もしかしたら将来的に莫大な富をもたらす研究やクリエイティブなコンテンツを扱う海外の知識層と国内の優秀な人材が手と手を組み、そこから生まれた富の複利が国全体に巡り国家安寧が訪れる可能性があります。その理想を実現するには正当な対価を支払える社会が前提なのです。

 

まとめ

 

 奇妙な亡国論は国難を憂いた一人の起業家の発言を切り取りして騒いでいるだけでした。確かに容易な解雇を進める論調は多くの人々には大事で紛糾するのは分かります、現実問題、生産性が低い人々は前述で申した通り貧乏くじを引かされる可能性はかなり高いです。ですが現在の我が国に置かれた立場を顧みれば選択する手段は少ないのです。少数精鋭論の方法は粗治療で恐らく唯一の手段ではない、しかし・・・、柳井氏の様な具体的な方法を提示している方を知りません。もし、この奇妙な亡国論を反論するならば同等の構想を提示してた上で、同じ土俵に上がらないと話しにならないと思いました。色々好き勝手に書いてしまいましたが、柳井氏の論調に付け加えるなら、生産性が低い人々の何度も再エントリー出来る国家主導の仕組みが必要不可欠だと感じます。

 

 

今回のお品書きになります

 

 

煮干しがお送りするちょっとした物語

まず始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

 

 都内の下町にある夜草演芸所、晴天の空が広がる昼下がり、多数の白髪頭を目の前に一人のやせ形で坊主頭の着物姿男が演目・犬の災難を披露している。犬の災難とは、お酒好きの男が知人から酒飲みに誘われ、知人が酒の肴(

さかな)を買いに行っている間に、己に面白おかしい言い訳をしながら知人の用意したお酒を殆ど飲み干す噺(はなし)。「ふー!、生き返ったぜw、あいつ遅ぇな・・・」と落語家の男は手拭で酒瓶を表しお酒を注ぐ仕草をする。落語家の男はその後、酔っ払いの演技をしながら数度のボヤキながらの飲酒をした後、「酒はコメの水だw、へへw・・・」と観客の笑いを誘う。そして、「あらっ?、もうほとんど無ぇやw、これじゃあ・・・水足しても誤魔化せねぇぜ・・・」と遂にお酒を殆ど飲み干した事を観客に分からせる。何とか誤魔化そうとあれやこれやと思案する下りを披露して、いよいよ知人が肴を買って帰って来た事を観客に仕草で教え、「畜生!、この野郎!、勘弁ならねー!」と落語家である男は出刃包丁に見立てた扇子を持って精一杯の滑稽な演技をした。すると、落語家である男は肴を買って来た男に代わり、「いったい、どうしたんだい!?、出刃包丁なんて持ち出して?」と血相を変える演技。落語家の男は酒を盗み飲んだ男に代わり、「兎にも角にもねぇや!、あの犬ころっがまた出やがったんだよ!」と吐き捨てる様に言う。落語家の男は肴を買って来た知人に代わり、「またあの犬かい!?、でも・・・どうして同じ犬と分かったんだい?」と怪しむ仕草。落語家の男はすかさず酒を盗み飲んだ男に代わり、「それは・・・」と言い淀んでわざと間をためる。ここから犬の災難の最大のお笑いポイント、客をドッカンと笑わせラストスパートを駆けるのだ。観客も落語を知り尽くしている猛者揃い、この演目の佳境に入ると分かっていて、その多くの双眸(そうぼう)が落語家の男に向く。数秒のためが終わり、落語家の男は口を開き始めた瞬間!、「そうです!」とちょうど真ん中に座っている初老の男が台詞を差し込んできた。台詞を差し込んだ初老の男にケタケタと指差し笑う大半の老人達と、眉をひそめる少数の老人達。そんな中、落語家の男の頭は真っ白になり、爺・・・何してくれてんだ・・・と心中で呟く。想定外の事態に落語家の男は顔を引きつらせ、「はは・・・、あんた詳しいねw」と扇子で初老の男を指しながら辛うじて言う。その後、ペースを乱されてグダグダになり、犬の災難は男の災難になった。トボトボと楽屋に向かう落語家の男、彼の芸名はムカデ亭・味噌汁、齢30を超える薹(とう)が立ったうだつの上がらない前座。暖簾を潜ると自身と同じムカデ亭の門弟が直立不動で立っていて、ピリッとひりつく空気が彼を出迎えた。ジワリと額に浮かばせた味噌汁は楽屋の奥に座って煙管をふかす初老の男を見て、「師匠!、お疲れ様です!」と敢えて明るく振舞う。味噌汁の師匠と呼ばれた男は「カン」と煙管の灰を落とし眉間にしわを寄せ、「味噌汁・・・しょっぺぇよ・・・」と呟く様に言った。この初老の男はムカデ亭・土竜(もぐら)、ムカデ亭一門のトップである。味噌汁は師匠の逆鱗に触れた事を悟り、「へへw、師匠!、お年なんだから塩分を控えた方が良いですよw」と敢えてボケをかまし正座をした。味噌汁のボケを聞いた土竜師匠のこめかみに血管が浮き出て、「やかましい!、それで、うまい事を言ったつもりか?」と怒鳴る。師匠の雷が落ちて、ムカデ亭一門の面々は肩を一斉にすくませた。落雷が直撃した味噌汁は目を一瞬つぶり、師匠の眼を見る。土竜師匠はため息をつき、「たっくよ、客の台詞の差し込み位でおたおたしやがって・・・、あんなのはよくある事なんだよ、それをどうにかするのが落語家なんだぜ!」と言う。味噌汁は先程迄の空元気は鳴りを顰め、「へへ・・・すいやせん」と、しおらしく返す事しか出来なかった。弟子から差し出されたお茶を一口飲んだ土竜師匠は、「おめぇ、年は幾つだ?」と尋ねる。味噌汁はきょとんとした顔になり、「三十・・・五になりやす」と答えた。土竜師匠は渋い顔をしながら、「もうそろそろ潮時じゃねえか?、次の寄席で考えるから気合入れろや」とほぼ引退宣告を出される。すると、味噌汁は真顔になり、「えっ・・・、おいらまだ落語やりたいです!」と食い下がった。土竜師匠は立ち上がり、弟子たちに着付けを補助されながら、「いいか?、俺だって辛いんだ、どんどんと下から若い奴らが上がってお前を追い越している状況だ、先輩なのに位が下のお前がいると、ムカデ亭一門全体の士気が下がるんだよ、一門のためと思うなら俺を認めさせて、さっさと二つ目に昇進してくれや」と着付けが終わると羽織を颯爽となびかせながら振り返らず舞台に向かう。すると、入れ違いに高身長で顔立ちが整った青年が楽屋に入って来て、「ありゃ、またこれは雷が落ちたね」と楽屋の気まずい雰囲気を感じ取り呟く。ムカデ亭の門弟たちは己に課せられた仕事を黙々とし始め、その中でポツンと固まって座る味噌汁に青年が近づき、「味噌汁兄さん、またやらかしたんですかい?」と隣に座り差し入れの饅頭を一口でパクリと食べた。この青年は二代目穴熊(あなぐま)、彼はムカデ亭を継ぐ男と目されていて、味噌汁の三個下の後輩。異例の速さで真打に昇進して、その出自は某有名企業の創業家一族当主にして、顔立ちは良く、高身長、高学歴、性格も優しい、欲張りセットな男だ。穴熊を推し活する女子は多く、彼のグッツは飛ぶように売れて落語家協会の大事な収入源になっている。味噌汁は項垂れながら、「おいら・・次はないってよ・・・」と言う。穴熊は少し暗い表情になり、「そうですか・・・」とそれ以上は何も言えない。それはそうだろう、何を言っても己の立場では味噌汁を傷つけるだけだ。味噌汁はフラフラと楽屋の出口に向かうと、牛丼の匂いを漂わせ、両手に某有名牛丼屋のロゴが入った袋を持った小太り眼鏡の男が暖簾を潜ってきて、「兄さん!、お昼を買って来たでやんすよ!」と笑顔で言う。味噌汁は暗い表情で、「悪い、おいら外の空気を吸って来るわ」とそっけない態度で返し楽屋を後にした。

 

 夜草演芸所の関係者入り口からフラフラと出てくる味噌汁。彼の前には下町らしい店が立ち並び、その中で鮪漁船(まぐろぎょせん)とういデカデカと掲げた看板の店を恨めしそうに見た。鮪漁船とは夜草芸人の憧れの居酒屋で、この店に定期的に通えるようになれば一人前と言われている店だ。味噌汁は、「畜生め!」と鮪漁船に毒づき通り過ぎる。彼はそのままトボトボ歩き寿限無(じゅげむ)という暖簾が掛かった酒屋に入った。この酒屋は夜草芸人の御用達酒屋、収入が少ない下っ端芸人でも買える安酒が取り揃えてある。酒屋の独特のかび臭い匂いを鼻孔に感じつつ味噌汁は店内で安酒の品定めとしていると、奥から店名を白字で寿限無と記された紺色の前掛けをし、頭に捻りハチマキをした店主が出て来て、「よっ、味噌汁ちゃん、毎度!」と挨拶。味噌汁は気だるそうに、「おう・・・」と返す。店主は苦笑しながら、「また何かやらかしたのかい?」と尋ねる。味噌汁はぎくりと表情を硬くし、「うるせぇよ」と一言だけぶっきらぼうに答えて業務用冷蔵庫に並んでいるワンカップを二本取り出す。店主はこれ以上、触れてはいけないと感じ極めて業務的な態度で、「ワンカップ二本・・・200円になります」と会計を開始。味噌汁は清算を済ませたワンカップを乱暴に取って着物の懐に入れ店を後にした。背中で酒屋の店主の、「またのご来店をお待ちしています」という送り出しを受けた味噌汁は再びトボトボと歩みを始める。数分もするとこんもりとした雑木林が現れ、子供の笑い声がこだまする夜草神社前公園に着く。味噌汁は開いているベンチに座り先程買ったワンカップを取り出し、「キュッパ」と小気味いい音を出し早速飲み始めた。「お酒は米の水って言ってねw」とほろ酔い加減で先程、醜態を晒した演目である犬の災難を始める。購入したワンカップを二本とも飲み干した頃には気分は上々で、演目犬の災難は佳境に入り例の台詞を老人に差し込まれた所に入った瞬間、「オジw、オジw」と若い女の子の声がした。だが、味噌汁は気にしないで演目犬の災難を続ける。すると、「ブー!、そこのブツブツ言っている酔いどれオジ!」と明らかに自身に声を掛けていると気が付いた味噌汁は振り向く。そこには黒のレースであつらえた独特の服装を着て、同じく黒のレースで張った日傘をさしている少女が立っていた。その服装はいわゆるゴスロリという服装であったが、味噌汁には分かる訳もなく、その得体の知れない容姿をした少女におののく。なぜこんな少女が自分に?と動揺を抱えつつ味噌汁は、「お、お嬢さん、おいらに何か妖怪って、なんっつてw」と己の緊張をほぐすためにべろりと舌を出す滑稽な妖怪を思わせる仕草をする。少女は味噌汁の仕草にムスッと返し、「ブー、マジダウナー、オジのギャグのセンスはザッコ!、ザッコ!」と謎の言葉を羅列。味噌汁はその謎の言葉に困惑しどう返したいいやら固まっていると、「兄さん!、今のはギャグのセンスが絶望的に悪くて、テンション下がるーという事でやんす!」と真後ろから突如、声がする。味噌汁は驚き振り向くと小太り眼鏡の若い男、楽屋から出る時にすれ違った男だ。味噌汁は驚いた様子で、「何処から湧いた?、沢庵!」と言う。この小太りの男は味噌汁の同門であるムカデ亭・沢庵だ。彼はつい最近入門した見習い、記憶力の無さという落語家としては致命的な弱点を抱えており、ムカデ亭でも扱いに困っている。万年前座の味噌汁と落語家不適格の沢庵、彼ら二人を塩漬けコンビとムカデ亭一門の間で陰口を叩かれていた。「兄さん!、仕事をサボったから、お師匠さんがカンカンでやんすよ!」と沢庵は心配顔で味噌汁に警告。どうやら、沢庵は味噌汁を連れ戻し手に来たらしい。味噌汁がムッとした仕草をして、いらぬ世話とばかりに、沢庵に毒づこうとした瞬間、会話に介入するものが現れる。「ブー!、こっち向かなきゃマジダウナー!」と少女は無理やり味噌汁の頭を自身に向けさせた。ゴリッと生々しい音がなり、「イタっ!、何しやがる!」と味噌汁は抗議。そんな味噌汁にお構いなしに、「オジ!、儲け話があるんだけど聞かない?」と一方的に交渉を持ちかける。「お、おじ?」と訳が分からいといった表情をする味噌汁。少女は要領の悪さを感じたのか、「オジ!、理解力がザッコ、ザッコ!」とやれやれといった仕草をする。流石に度重ねる目上の者に対しての無礼な振る舞いにカチンと来て、「さっきから、舐めた態度しやが・・・」と言いかけた刹那、「むほーw、メスガキが板についていて萌え萌えポイント大高騰でやんす!」と沢庵がうっとりして少女を見た。暴走した沢庵の好意に戦慄して引くかと思われたが、「マジアッパーw、メスガキを知っているなんて、やるじゃん小太りw」と得意げな顔をする。サブカルチャーに疎い味噌汁に二人の会話は意味不明で心のワンカップに溜まったストレスがあふれ出し、「おいらにも分かる様に話しやがれ!!」と叫び公園にこだました。

 

 沢庵と少女は神妙な顔立ちをした二人に味噌汁はイラつきながら、「まず、オジは分かる・・・おじさんだよな?」と確認。二人はコクコクと頷き、確認を取れた味噌汁は、「じゃあ、マジアッパーとマジダウナーは何だ?」と次の問いをする。沢庵が口を開く前に少女が口を開き、「マジアッパーはテンション上がるーだよw、そんでもってマジダウナーはテンション下がる―だよオジw」とヘラヘラとした表情をするその口の間から牙のようなものがチラリと見えた。まあ、八重歯だろうと味噌汁は勝手に納得して、「何だそりゃあ?、今の若者はそんな言葉を話すのかい?」とあきれる。すると、沢庵は興奮気味に、「兄さん!、それは偏見でやんす!、この国のサブカルチャーから発生した言葉は一種の純文学でやんす!」と早口で食い気味に話す。前述に沢庵は記憶力が無いと説明をしたが、ある種の己の好奇心に合致する事柄なら水を得た魚の如く習得するのだ。味噌汁は急に捲し立てる弟弟子にドン引きしながら、「分かった!、分かったよ!、最後にメスガキって何だい?」と二人に尋ねる。二人はキラキラと目を輝かせ自身の知識をひけらかそうとする仕草に味噌汁はイラっとして、「ちょ、ちょっと待ちなよ、最後は自力で解くわw、このままだと兄弟子として面子が立たねぇやw」と中断させた。沢庵と少女は少しがっかりした表情をして味噌汁の答えを待つ。味噌汁の心の中で、メスガキ・・・メスガキって何だ?、沢庵の奴が一種の純文学だとほざいていた・・・メス・・・ガキ・・・あっ!と何かを思いつく。自信ありげな表情をしながら味噌汁は、「分かったぜw、我ながら聡明さに恐れ入ったぜw」と自画自賛の勝利宣言。少女は不気味な味噌汁に口を尖らせ、「ぶー!、オジキモイ!、マジダウナー・・・」と言う。味噌汁は構わず口を開き、「牡蠣(かき)って美味しいですよねw、こう・・・おととってポン酢をポトリポトリと生ガキにかけやしてねw、こうね、ツルっと丸呑みすると実にうめぇ!!」と高座に上がった落語家の様な物言い。それを聞いていた沢庵と少女は思わずふんふんと頷く。味噌汁の話しは続き、「おっと脱線してしまいやしたねw、おいらの悪い癖だw、牡蠣って奴はね、漢字で分かる様に牡(おす)の字が入っておりやすでしょう?、これはどうしてか?、それは昔は取れる牡蠣を全部オスだと勘違いをしていたんですね、あれっ?何だい?この貝の身は全部白いよ!、白って事は他の貝と同じなら精巣だな・・・こいつは全部オスだなって感じですわw」と二人が知らない驚きの豆知己を披露し関心を引く。味噌汁の話しはさらに続き、「まあ、当然の話し、オスとメスは牡蠣に存在する訳でございやすが、牡蠣は繁殖が終わるとオスとメスの中間になるんでございますよ!奥さん!、それでですね年を越し春が来て、こう・・・桜の花びらがチラチラと美しく散る頃にはメスとオスに分かれるんですわw、それはもう・・・年頃の思春期を迎える子供たちが明確に男と女の特徴が出る様に・・・思春期の男はオスガキ、思春期の女はメスガキってね!、これは一本取られた座布団一枚!」と最後は頭を深々と下げた。己の推測を落語風に答え満足顔で沢庵と少女を見る味噌汁。そんな彼に二人は、「違うでやんす」、「ぶー!、オジ!ザッコ!マジダウナー違うよw」と同時に間違いの烙印を押す。味噌汁は激高して、「何でだよ!、おいらの話し面白かったろ?」といつの間にか面白いかつまらないかの話しにすり替わっていた。往生際が悪い味噌汁に対してゲンナリとした表情した少女は、、「オジ・・・知ったかはカッコ悪いよ」と苦言を言う。すると味噌汁はムッとしながら、「じゃあ何だい?、おいらに教えてくれよ?」と居直る。少女はヤレヤレといった仕草をして説明をしようとしたら、沢庵がその小太りの体を前面に押し出して、「あっしがお答えするでやんす!」と説明をする事を挙手。味噌汁はすかさず、「頼むぜw」と了承する。沢庵は咳ばらいをして、「そもそも、メスガキが登場したのはあるゲームの・・・」と説明が始まりかけた所、「ちょ、ちょっと待ちな!、要点だけでお願いするわ」と口を挟む味噌汁。少し残念そうな顔をした沢庵は、「そうでやんすか?、じゃあ、要するに目上の特に男性に対して挑発的な態度で接する女の子の事でやんす!、決して侮蔑の意味では無いでやんす、飽くまでもキャラクター属性を表す名称でやんすから、現実ではほぼ使われる事が無い言葉でやんすよ」と簡潔に説明をした。味噌汁は感心した様子で、「なるほどね、生意気なガキを表す言葉か・・・最近じゃそういう言葉があるのか」と呟く様に言う。ようやくメスガキの意味を知った味噌汁に少女がニコリと笑い、「マジアッパーw、これで話を進められるねw、オジ!、儲け話が有るんだけど?」と当初の話を振る。現実でメスガキを演じるこいつはいったい何だと?と疑問を感じつつ味噌汁は、「そいういや、そんな事を言っていたっけなw、儲け話って何だい?」と尋ねた。しかし、「それわねw」と少女はもったいぶる。味噌汁は「何だいw何だいw、そんなにもったいぶると気になるじゃねぇかw」と儲け話を少女から聞き出そうと言う。しかし、その胸の内は適当に聞いてこの場から離れる算段をしていた。得体の知れない少女から持ちかける儲け話など碌なものではない。少女はニヤリと不気味な笑みを浮かべ、後方から木々の枝から漏れ出した傾いた日の光により、ほんのひと時、味噌汁の目を細めさせた。眩しさから解放された味噌汁は少女を改めて見据えると、少女は口を開き、「死神バイトしない?」と切り出す。死神バイト?、こりゃあ参ったねぇ、分からねぇ言葉だ・・・闇バイトの新しいジャンルか?、それともパパ活の誘い文句か?などと思案している味噌汁に構う事なく少女は、「オジ・・・私・・・死神なのねw、死神の業務を一部委託したいの!」と到底信じられない事を言う。こりゃあヤベエ奴だと判断した味噌汁は、「お嬢ちゃんも色々あると思うけどよw、まあ・・・頑張んなw、おいらは用事があるんで失礼するぜw、沢庵!、行こうぜ!」と少女の死神発言に固まっていた沢庵を連れてこの場を去ろうとした。沢庵はオタオタしながら、「ハイでやんす」と一つ返事を返し味噌汁の後に続く。そんな二人の背中を見据えた少女はキッと睨んだあと先回りして立ちはだかり、「ぶーw、信じてないな!、あれを見てよ!」と公園で営業職だろうか?、ベンチに腰掛けてタバコを吹かすサラリーマン風の中年男を指差す。眉をひそめながら少女の指す男を見る味噌汁と沢庵。そして、その横で少女はポケットからスマホートフォンを取り出し操作を始める・・・。ノルマを達成して余った時間を余暇に当ててリッラクス状態で煙を青空にふかす中年男。そして、少女はスマホの画面を味噌汁と沢庵に見せながら、「見て見てw」と言う。画面には明らかにベンチに寛ぐ中年男以外何者でない証明写真画像と、その下には赤い横棒グラフで表示された奇妙なデーターが表示されていていた。少女は邪悪な笑みを浮かべながら表示されている謎の赤い横棒グラフの先端に人差し指を触れて横にスライドさせる。赤い横棒グラフは無くなり、恐らく何らかの数値がゼロの状態になったと直感的に味噌汁と沢庵は理解。少女の視線は中年男に向きニヤリと笑い、当の本人は何事もなく一服が終わりタバコを携帯灰皿に入れて始末を終えて立ち上がろうとした時、突如、胸を押さえて顔を真っ青になりながら地面に伏した。中年男の異常にいち早く気がついた周りにいた子供たちと婦人たちが駆け寄り必死に体を揺すりながら声をかけ始め、その光景を見た味噌汁と沢庵は額に汗を浮かべながら少女を見据えるのだった。

 

 ゴクリと生唾を飲み込んだ味噌汁は、「あ、あれは・・・お嬢ちゃんがやったのかい?」と尋ねる。少女はクスッと笑い頷き、「そうだよw」と即答。突然倒れた中年男に黒山の人だかりを一瞥した味噌汁がハハッと愛想笑をし、「またまたw、冗談がきついぜw、偶然だろ?、なっ?」と質の悪い冗談と一縷(いつる)の望みを賭けて確認する。すると、少女は不機嫌な顔になり、「ぶー!マジダウナー!、信じてくれないの?じゃあw」と最後はニヤリと笑い味噌汁と沢庵の背筋に悪寒を走らせた。少女は再び手にしていたスマホを手慣れた手つきで操作をし、先程とは大違い複数表示された顔写真画像。少女は素早くそれぞれ顔写真画像の下に表示されている赤い横棒グラフを先程と同じ様にスライドすると、パタリ、またパタリ、人だかりの中の人々は倒れ始めて、最後は子供たちだけになった。子供たちは完全にパニック状態になり泣き叫ぶ。味噌汁は唖然としながら、「ハハ・・・嘘だろ?」と現実を受け入れられずにいて、「ぶー!まだ信用してないの?」と少女はスマホの操作をし始め、今度は泣き叫んでいる子供たちの顔が表示され、より長く伸びている赤い横棒グラフの先端にスライドをする仕草をした瞬間、味噌汁は少女の手首を力強く掴み、「ふざけんじゃねぇや!、子供たちに手を出すな!」と怒鳴って阻止する。少女はニヤニヤと笑みを浮かべ、「マジアッパーw、やっと信じてくれたねオジw」と満足げに言う。しかし、そんな少女の舐め腐った態度を無視して味噌汁は血相を変えながら、「どうするんだよ、あの人たち!、死んじまったのか?」と確認。少女をヘラヘラ笑いながら、「心配無用よ!、オジw」とスマホを目にも止まらぬ動きで操作を開始する。少女の動きをじっと眺めている味噌汁と沢庵。少女の操作している指先がピタリと止まると、今度は先程の真逆の方向に何度もスライド操作をする。なんと倒れた人々が一人また一人とひょっこり起き上がり、当人たちは何が起きたのか分からず辺りを見回していた。味噌汁は、「こいつは・・・」と言葉を失い、沢庵はあわわわと只震えている。少女はスマホをポケットににしまい、「これでヨシッ!、じゃあ、オジ?、改めて聞くけど死神バイトする?」と当初の話しに戻り味噌汁に確認をしてきた。味噌汁はその得体の知れない少女の双眸に見つめられ蛇に睨まれたカエル状態になり、「おいらは・・・」と答えようとした時、「兄さん!、よしやしょう!、こんな得体の知れない話に乗ってはダメでやんす!」と沢庵に袖を引っ張られバランスを崩した味噌汁は尻もちをつく。イテテとばかりの仕草をしていると、誰かが読んだ救急車が数台到着して救命士が現状確認をするために現場にいて放心状態の人々に尋ねて回り始め、「お嬢ちゃん、場所を変えようか?」と味噌汁は立ち上がり移動を促す。厄介ごとはごめんだ、そして最優先すべきは弟弟子の沢庵。そう判断した味噌汁は少女を連れて公園から出る前に、「沢庵!、おめぇは夜草演芸所に戻りな!」と弟弟子を気遣う。沢庵は、「でも兄さん!」と心配そうに味噌汁を見る。味噌汁はニヤリと笑い、「でぇじょうぶだ、先に帰れ」と安心させるために最後は笑顔のウィンク。沢庵は深々と頭を下げて夜草演芸所の方へ小走りで向かった。味噌汁は少女を連れて人目に付かない下町の路地裏に行く。遠くから先ほどの複数の救急車のサイレンが聞こえてる中、「素直について来るとは思わなかったぜw、まあ、死神様だから人間如きに警戒もへったくれもないか?w」と言う。ニヤリと笑う死神の少女は、「まあねw、ザッコオジ何て秒殺よw、それよりも、死神バイトやる?」と何度目かの確認。味噌汁が考え始め、路地裏の両側に立ち並ぶ木製の塀の下にある小さな隙間から白猫が出て来て、死神の少女の足元を八の字に纏わりつき目を細める。死神の少女は躊躇せず白猫を抱きかかえて慣れた手つきで親指でおでこを擦り微笑んだ。こうして見ると何処にでもいる年頃の女の子、とても死神に見えない。味噌汁は意を決して、「腹は決まったぜ!」と死神の少女に決断をした事を伝えた。死神の少女は白猫を降ろして、「マジアッパーw、お返事を聞かせて?」と爛々と輝く双眸はいつの間にか黄色になっている。味噌汁は静かに口を開き、「おいらは・・・」。果たして味噌汁は死神の少女の持ちかけられた死神バイトを受けるのだろうか?、その答えは次回を待て。

 

ーつづくー

 

374曲目の紹介

 

 

 今回ご紹介する曲は、作詞作曲をにほしかさん、イラストをキケンさん、ギターを黒うさぎさん、動画を樫木廉さんたちによるガリです。

 

 本曲はアガリ症という誰しも内包している心の挙動を、事細かく描写した歌詞を重音テトさんが歌います。

 

 本曲の題名であるアガリ症は穿った見方をする必要はなく、恐らくそのままの意味だと思われます。

 


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 人前に出ると必ず起こる心の挙動から、動揺や冷汗、汗ばむ掌、早まる心臓などの各種様々な現れる身体症状。それらによって手痛い失敗をするものならトラウマ状態になり、再現性を発症するアガリ症になります。克服するには場数を踏むのが一番、しかし、なかなか上手く行かないのが人間なんですね。まあ、上手く行かないなら逆の発想で徹底的に避けるという方法もありますので、気にしないのが一番だと感じます

 本曲、アガリ症は人生において決して避けられない緊張という心の挙動をテーマにした曲です。曲中の歌詞は緊張状態で起こりうる症状を事細かく表現しており、聴き手は共感出来るシーンが必ずあり、それによって多くの者たちが自信と同じ思いを抱えていると気付ける素晴らしい曲ですので、是非!、本動画を視聴して聴いてみて下さい!。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00


Twindrill様より 公式サイト

kasaneteto.jp