煮干しの一押しVOCALOID曲

VOCALOIDの話題や気になった事を書こうと思います

焼き芋が食べたくなるVOCALOID曲

 こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 岸田首相が遊説先の和歌山県和歌山市内の漁港で襲撃されたという一報をネットニュースで知って、衝撃を受けましたよ。幸いにも、今回は犠牲者が出なかったのは良かったですね!今回の事件で選挙の遊説は命がけの行為になったと、言わざるを得ない状況で、選挙活動が危険に脅かされているこの苦境に負けないで頑張って頂きたいですね。それでは、299曲目の紹介をしたいと思います。

 

 

ます始めに、この物語はフィクションです。物語の中に登場する個人名、団体名、会社名は架空の物であり実在する個人、団体、会社とは関係ありません。

 

曲の紹介は下の方にあります!物語を飛ばしても構いません。

※Bing Image Creatorを使用しました



 

 週に数回通う匠の豚屋にて、私、吉田明美は、お一人でお昼のランチを食べていた。最近どうも変なのだ・・それは、美味しい物を食べても、美味しく感じない・・因みに今食べている、カツ定食、この定食屋の名物で、A県にて品種改良して生み出されたブランド豚、国士無双の極上ランクを使用して揚げたカツは、カリッとした小気味いい音の後、お肉がとろけて無くなる極上な美味さで、以前ならホクホク顔になっている。しかし、今の私はこのご馳走を食しても、笑顔になる事は無かった。原因は分からない、過労によるものか、それとも加齢よるものか、人間関係によるストレスか、孤独による虚無感か、いづれにしても、ストレスだらけの生き地獄の現代社会で原因を考えるだけ無駄な気がする。

 

 業務時間が終わり、帰りがけにスーパーに寄って、缶酎ハイの500ミリ二本と、おつまみ各種、コロッケとアジフライを買い、帰路に着く。最近は食事がおなざりになってしまって、お酒とおつまみとお惣菜が夕飯になってしまっている。シャワーを浴びて、部屋着に着替えると、先ほど買った、スーパーの品を冷蔵庫から出し、テーブルに並べ、まずは缶酎ハイを一口。この缶酎ハイは、缶に記されている成分表記ではそんなに高くないアルコール度数なのだが、何故か酔い潰れる。そんな、飲んですぐ酔い潰れて寝れるこの缶酎ハイを、睡眠薬代わりとして、私はここ最近愛用していた。おつまみとお惣菜をかっこみながら500ミリの缶酎ハイを2本開ける頃には、酔い潰れて目を覚ませば朝だ。

 

 一口、また一口と飲む。すると、缶酎ハイは空になってしまった。おかしい・・いつもだったら意識が遠のいて来るはずが、今夜は何故か私の意識が冴えわたっていた。(明日も仕事があるので早めに寝たいがどうする・・)と思案をしていると液晶タブレットに目が止まり、ネットの閲覧をしていれば、その内に酔いが回るだろうと踏んで、私は某巨大掲示板を閲覧し始めた。時計の針は12時を過ぎていたが、某巨大掲示板は寧ろこの時間帯から本番で、その証拠に物凄い数のコメントが矢継ぎ早に投稿されている。早速、私は液晶タブレットをスクロールして、掲示板のスレッドを流し読みをし始めた。そして、その中で一つのスレッドに目が止まる。それは、黄金俵(おうごんだわら)というサツマイモの情報も求むというタイトルのスレッドだった。私は早速、スレッドをタップしてスレッド内を閲覧した。

 

 スレッドの内容はこうだった。ある日、同僚がサツマイモを沢山貰って、一人では食べきれないので、会社で配ろうと持ってきた。それを見た上司は、サツマイモを蒸かして、皆で食べようと提案し、それを部署の皆は快諾。そして、上司が何処からか蒸かし機を持ってきて、給湯室でサツマイモを蒸かしたそうだ。蒸かし終わったサツマイモを、部署の皆で食べると、サツマイモの印象が変わる程、とても美味なサツマイモだったらしい。スレッド主はサツマイモの詳細を聞こうとしたが、会社は繁忙期だったため、その日は断念して翌日に聞こうとしたが、何とその同僚はその日の帰宅途中に事故に逢い入院して、そのまま復帰せず退職してしまったそうだ。サツマイモを持ってきた同僚は、そのサツマイモの事を黄金俵(おうごんだわら)と言っていて、恐らくそれは品種名だとスレッド主はみているらしい。また同じサツマイモをどうしても食べたくて、スレッドをこの度、立ち上げたらしい。

 

 黄金俵と言うネーミングが私の好奇心を刺激し、私も是非食べてみたいという欲求を満たすため、スレッドのコメントを全て閲覧したが、めぼしい情報は無かった。諦めきれない私は、環境音が流れるヒーリング系の動画を聴きながら時間を潰して、新しいコメントが投稿されるのを待つ事にする。ほんの数分、瞳を閉じて雨の環境音に聞き入って、再び瞳を開けると・・朝だった。そう、ほんの数分が本格的な睡眠になってしまったのだ。「えっ!?」と私は驚き、スマホの時計を見ると、早く会社に行かないと業務開始時間までに間に合わないギリギリの時間だった。私は「ヤバい!ヤバい!」と焦った声と共にアドレナリン全開で身支度を済ませ会社に向う・・そして、何とか間に合い、事なきを得た私は、いつもの業務を励んだ。

 

 業務が終わりワンルームの自宅に帰ると同時に、インターホンが鳴る。私はすかさず、のぞき穴を見ると、宅配の方が段ボールを持って立っていた。ドアを開けて、サインをして段ボールを受け取り、送り主を確認する。それは、母だった。段ボールの中身は、今年の新米、野菜各種、インスタントラーメン数個と、代り映えしない、いつも通りの内容だ。野菜を冷蔵庫の野菜室に入れようとした時、野菜を包んでいたクシャクシャの地方紙の切れ端に書かれていた黄金俵の文字に目が止まる。私はクシャクシャな新聞紙を、綺麗に広げて改めて見ると、”黄金俵、予約を開始します”と書かれていた。私は急いでタブレットをタップして起動し、深夜に見ていた某巨大掲示板のスレッドを見る。スレッドは私が寝落ちする前と変わりはなく、新しい情報は無いようだった。

 

 皆が知りえなかった事を、私だけが知りえるかもしれないという愉悦が、普段、連絡しない母に連絡するという行動に移す。私はスマホの連絡先にある母の電話番号をタップする。スマホの上部スピーカから、発信音が聞こえて数秒後「明美?何?」と母から第一声が聞こえて来た。「母ちゃん?送ってきた段ボールなんだけども」と私が地方紙の事を聞きかけた時、「ちゃんと届いた?あんた!ちゃんとご飯は食べているの?」と母は私の話の腰を折ってくる。「食べてるよ!いつも野菜やお米ありがとうね」と私は本来の話に戻すため、母が聞きたい事を伝えた。そして私は「あのね、聞きたい事があるの」と話の本題を切り出す。「何?」と母が返し「野菜を包んでいた地方紙があるじゃない、そこの広告欄に黄金俵、予約を開始しますと書かれているけど母ちゃんは何か知ってる?」と私は母に尋ねた。

 

 「黄金俵?ああ!大昔にこの辺りで盛んに作られたサツマイモよ!」と母が答えた。「本当に!?家にもある?」と私が興奮しながら母に尋ねると「無いわよ、殆ど誰も作ってないんじゃない、広告欄の事は私もよく知らないわ・・あっ!父ちゃんなら何か知っているかも!聞いてくる」と母は何処かにスマホを置いて、小走りで廊下を歩く音が遠ざかる。(母よ何故スマホを携帯しない)と思う事数分後・・小走りで歩く廊下の音が近づいてきて「分かったわよ!北の集落で黄金俵をまた復活させようと頑張っているらしいの!」と母が私の欲しい答えを持ってきた。「ありがとう!母ちゃん!ねえ♡物は相談だけど・・♡黄金俵送ってくれない♡」と私は猫なで声で母に要求する。しかし、「だめよ・・稲刈りがまだ残ってるの、あんたがやる?週末に帰ってきて手伝うなら送ってあげる」と母が悪魔の取引を持ち掛けてきた。「え゛っ・・結構です。自分で取りに行きます」と私は断固拒否する。絶対やりたくないのだ!それは、稲を触るとチクチクして痒くなるのがとにかく不愉快で嫌いだからだ!それと、暑いからだ!何で暦では秋なのに稲刈りの時はあんなに気温が暑いんだろうか?「そう・・じゃあ健康には気を付けなさいよ」と母はちょっぴり寂しいそうに言い「うん、母ちゃんも気を付けてね!父ちゃんにも気を付けてと言っといてね!じゃあね」と私が別れを言って通話が終了した。

 

 母との通話が終了して、待機状態の黒い画面のタブレットに映った私は微笑んでいて、久しぶりに笑った気がした。そして週末、予め手配をしていたレンタカーに乗って、実家があるB県に私は向かう。高速道路を約1時間半位走ると見慣れた景色が広がり、実家に帰りたい気分になる。しかし、目的は黄金俵だ。私は母に教えてもらった北の集落の方へ車を走らせ、のどかな田園が広がる道を20分位進む。北の集落に着くと、車を徐行して集落の家々を私は観察をし(どうしよう?どの家にしようか?うーん・・)と悩む・・だが、考えても埒が明かないと悟った私は、一番目に付く立派な門構えの農家さんの屋敷に訪問する事にした。車で近づくと、門の作りは、年代を感じさせる太い丸太をそのまま柱として使った、贅沢な作りになっており、大昔は庄屋などをしていた家系と思わせる門構えだった。恐らく、こんなど田舎に路上駐車監視員はいないだろうと踏んだ私は、門の近くに路駐して門を潜って中へ入る。屋敷は、大きな庭石をふんだんに使った立派なお庭が広がり、蔵は二棟建っていた。私は辺りを見回すと、庭の片隅に手ぬぐいを頭に被り、モンペ姿をしてエプロンをしたお婆さんが、除草作業に勤しんでいて、すかさず私は「こんにちは!」とお婆さんに話しかけた。

 

 私に気が付いたお婆さんは「あれまーどなた?」と言い顔上げる。「都心から来た者ですが、ここら辺で黄金俵という品種のサツマイモを生産してると聞いたんですけど、もしよろしかったら、売っては頂けないでしょうか?」と私が尋ねた。「黄金俵?もう全部出したと思うけんど・・とうちゃーん!」とお婆さんは突然大声て旦那さんを呼んだ。すると、屋敷の奥からお爺さんが出てきて「お宅・・誰?」と私に尋ねる。「都心から来た者ですが、ここら辺で黄金俵という品種のサツマイモを生産してると聞いたんですけど、もしよろしかったら、売っては頂けないでしょうか?」とお婆さんに尋ねた同じ台詞を、またお爺さんに私は言う。私の話を受け「黄金俵?残っていたべかな・・」と言い残しお爺さんは蔵の中へ消えた。お爺さんが蔵から出てくるまで、私はお婆さんと世間話をして時間を潰しいると、お爺さんは丸々太った楕円形のサツマイモを三個を手にして私のもとへ来た。お爺さんは「家で食う用だけど・・これで良い?」と私に尋ねてきて「良いです!十分ですよ!凄い・・」と私が持ってきたサツマイモを絶賛すると「ちょっと待ってて」とお爺さんはいったん地面にサツマイモを置いて屋敷に入っていった。

 

 お爺さんは直ぐに屋敷から出て来て、手には新聞紙を持っている。お爺さんは地面に置かれていたサツマイモを取ると器用に新聞紙で包んで、最後は私に手渡した。渡された私は「お幾らですか?」と私がお爺さんに尋ねると、「いいよ!あげるよ!来年はこの集落をあげて本格的に道の駅で売るからその時は買って」とお爺さんは惜しげもなく言う。そして、「ありがとうございます、その時は必ず買わせてもらいます」と私はお礼を言った。私の去り際に「黄金俵は日持ちが悪いから早く食べて」とお婆さんが言い「わかりました!家に帰ったら早速食べます!」と私は返して、門を潜ると最後に老夫婦に会釈し、都心にあるワンルームの我が家にとんぼ返りをした。

 

 レンタカーを返却して自宅に着くと、自室のドアの前に段ボールが置いてある。それは私が予めネット通販で買っておいた石焼芋機だ。部屋で段ボールを早速開封して中身を取り出す。中には陶器の鍋の様な物が入っていて、蓋を取ると小石が入ったビニール袋と説明書があった。私は説明書を読みながら石焼芋機のセットを始める。「えーなになに、まずは付属の小石を石焼芋機の中になるべく平らに敷く」と呟き、私は付属小石が入っている小袋を破き、石焼芋機の中に平らに敷いた。「えーと、サツマイモはよく洗って入れて下さい‥よしっ!入れたよ!」と私は石焼芋機に洗った黄金俵を入れる。「後は蓋をして、弱火で40分位で出来ます・・えっ・・結構時間がかかるな・・」と私は弱音を吐いた。

 

 焼き芋が出来あるまで、スマホのゲームで時間を潰している私の所まで、サツマイモの匂いが漂って来る。香しい甘いかおりを嗅いでいると食べれそうな気がするが、説明書通りにする事が賢明だろうと判断した私は、残り時間を耐え忍ぶ事にした。スマホのタイマーが鳴って、私は鍋つかみを装着し、石焼芋機の蓋を取る。すると、むせ返るような香しい焼き芋の匂いと共に、黄金俵の表面からあふれ出て滴った蜜が焼き石に触れて「ジュー」と熱される音がした。私は早速、黄金俵を手に取り半分に割ると、何の抵抗も無く割れて、裂け目はキラキラと黄金色に輝き、正に黄金を思わせる様相だった。私は息を「ふー」と吹きかけて、火傷をしない様に慎重に黄金俵を口の中に運んだ。黄金俵はしっとりしていて、歯ごたえはまるで芋羊羹を食している様だ・・そして、サツマイモの独特な風味と共に芳醇な甘みが口の中に広がり、何と美味であろう・・

 

 これは自然という和菓子職人が作り上げた芋羊羹。それは、あっという間に焼き芋を3個平らげた私から出た言葉だった。「久しぶりに美味しい物を食べて幸せな気持ちに浸った・・」そう私は呟き窓に映った自分を見る。その顔は実に晴れ晴れとした顔で、ここ最近、悩み、欲していた笑顔だ。私は自分の顔を慎重に手でなぞり、この笑顔を二度と失わない事を願った。不思議な事にそれからは、缶酎ハイを飲まなくても、ぐっすり眠ることが出来きるようになった・・。そして、週明け、職場のお昼時間を知らせるチャイムを聞いてはっとする。今日はずっと上の空だった・・何故なら、美味しい物を食べて、ちゃんと美味しいと感じる事が出来るのか不安だったのだ。黄金俵を食べた時はしっかりと感じることは出来た。あの時の感覚は今も鮮烈に覚えている。私は祈りつつ、匠の豚屋の暖簾を潜った。数分後・・私の注文したカツ定食が来た。割り箸を割って、早速カツを一口・・慎重に口に入れてひと噛みすると、カリッと音が頭の中に響き、肉汁に含まれた旨味が舌に触れる。美味い・・しっかりと美味さが感じられる!不安が杞憂に終わったのを確信した私は、いつもの様に食べ始めた。カツを一口、二口食べ、「ムフッ」と声を漏らし、白飯を食べる。カツの美味しさが感じられれば、この豚汁の美味しさも分かるのは道理だ。私は割り箸を使いながら、汁と一緒にこんにゃくとニンジン、豚肉を流し込む・・美味い、体がポカポカして来た!その後、箸休めに店が漬けた自家製の沢庵を、コリコリと音を鳴らしながら食す。そしてカツに箸を向ける・・。そして、「はーーお腹いっぱい!」と私は暖簾の前で満面の笑みを携えながら呟いていた。悩みが解消して開放感に包まれた私は、向かうところ敵無しだ。(黄金俵には感謝しないといけないな・・道の駅で売られという話しだったな・・)と思い出し、来年に道の駅で売られという黄金俵を絶対確保する事を私は誓ったのだった。

 

 今回ご紹介する曲は、作詞作曲、動画全てをシーベさんお一人で制作されたやきいもにヤキをいれろです。

 

 本曲は、焼き芋をテーマにしたコミカルで楽しい曲の中にサツマイモの雑学を差し込んだ曲を鏡音レンさん神威がくぽさん歌います。

 

 本曲の題名、やきいもにヤキをいれろ穿った解釈や考察は一切必要ない、素直に曲の内容を表現した可愛い題名だと思います。

 

 

 本曲を聴いて、今年の秋が待ち遠しくなりましたよ!実は、その昔、ストーブで石焼芋機を使って焼き芋食べた事あるんですが、市販されている焼き芋と全く味が違うんですよ!まあ、バイアスがかかっているからかも知れませんが・・焼き芋を割ると鮮やかな黄色に、多分、蜜だと思いますが、キラキラ光っていて、感動しますよ!もし、経験が無いのなら、一度は経験した方良いと自分は思いますよ!

 

 本曲、やきいもにヤキ入れろは、聴くと間違いなく今年の秋が待ち遠しくなって、焼き芋を食べてしまう、刷り込み効果が抜群なw面白い曲ですので是非!本動画を視聴して聴いてみて下さい!

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

ニコニコ大百科様より

鏡音リン

神威がくぽ