煮干しの一押しVOCALOID曲

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虚無で空虚な自分を歌うVOCALOID曲

 こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 ロシアの大統領ウラジーミル・プーチン氏がウクライナ東部ドネツクマリウポリに電撃訪問をしましたね。これは、アメリカ合衆国大統領ジョー・バイデン氏が先月行った、ウクライナ首都キーウ訪問に対しての対抗とマリウポリの実効支配は揺るがないのを世界にアピールする狙いと自分は思います。プーチン氏にはICC国際刑事裁判所)から逮捕状が出されており、この件に対してロシアはICCの検察官並びに裁判官4人に対して逮捕状を出すという報復に出ています。外交的な応酬はより一層、過激さが増していて、いつかはタガが外れる感じがして怖いですね。それでは295曲目の紹介をしたいと思います。(物語というか怪文書は飛ばしても結構ですw)

 

 

 部活が終わり家路に着くと、シャワーを浴びて汗を流して自室のベットに寝っ転がり仰向けになり、天井を見ながら私は「はぁ」とため息をついた。私は高校二年生、世間ではJKと呼ばれる存在だ。美術を中学から活動をしているが一向に芽が出なく、友達も一人もいない暗い青春を送っている陰キャという存在でもある。まとめて陰キャでJKと言うのが私の存在を正確に表した言葉だ。私は瞳を閉じて思考を始めた。(私の人生、この先に何があるだろうか?恐らく何もないだろう・・寿命が後何十年あるのか知らないが正直苦痛で仕方がない・・)と就寝前、恒例の悲劇ヒロインルーティンをしていると、いつもの様に睡魔が私を襲った。

 

 完全に寝入ると体が落ちていく感覚に陥った。下へ下へと底なしの穴に落ちる様な感覚・・いや、逆に浮いている感じもする。飛び降り自殺をすると地面に衝突する瞬間に気絶すると言われているがこんな感覚なのだろうか?数分位だろうか落ちているような浮いているような感覚が続き突如、私は目を覚ました。目を覚ましたが体が思うに動かず、辺りを目だけで見回すと、自分の自室でベットのすぐ近くにうつ伏せに倒れているとわかった。部屋は何故か泥棒が金目の物を家探しした様に物が散乱していて、カーテン越しの窓は夕暮れの様に赤かった。これは夢だと思った。私が就寝に着いた時は夜だった、これが現実だったら私は一日寝ていた事になる。両親が私を起こさない訳ないので、絶対にありえない。

 

 私は多少、動揺したが夢と確信すると急に心の余裕が出てきて、動かない体を動かそうと試行を開始した。色々と試すと、右手の肘位までなら何とか動かせることが分かった。丁度、近くに参考書が落ちていたので試しに触ってみたら奇妙な感覚に襲われた。ページをめくる指に伝わる紙の感じがリアルなのである、まるで現実で触っている感覚と同じだった。もしかしてこれは現実ではないか?と考えがよぎると呼吸が荒くなり全身が汗ばんだ。焦った私は、動く指先で何とか状態を起こそうとベットをひっかくように動かすと、毛布が私の全身に掛かる様に覆いかぶさり真っ暗で何も見えなくなった。視界はゼロになると何故か物凄い眠気が私を襲った。意識が遠のく中、自室のドアが開くと誰かが入ってる気配がした。

 

 自室のフローリングを裸足で歩く音が僅かに聞こえてきて「ピタ、ピタ」と近づいて来るのが分かる・・眠気と恐怖が最高潮に達し、毛布を何かが掴んでめくられる寸前、私の意識は飛んだ。目を覚ますと、私はベットの上で自室は特に異常は無かったが異常な汗で寝間着はびっしょりだった。時計を見ると登校時間も迫っているので急いでシャワーを浴びて制服に着替えて私は登校した。部活を休んで早めに帰宅した私は、ベットの上でゆうべの奇妙な体験の事を考えていた。(あれは夢なのだろうか?夢であのリアルな感覚は初めての体験だ、また同じ様になったらどうしよう・・)と悶々(もんもん)と考えていると母から夕飯の用意が出来たと、リビングから声がかかってきたので私は足早にリビングに向かった。夕飯が終わり、入浴を済ませてスマホネット掲示板を見ながらダラダラ過ごしていると、スマホの時計は12時になっていた。

 

 明日も学校があるからもう寝なくてはならないが、寝るのが怖かった・・しかし、このまま起きている訳には行かず私は観念して就寝した。するとどうだろう、また落下する様な浮遊する様な感覚が私を襲い数分後、目を開けると家から少し離れた見覚えがある道路に寝ていた。体は全く問題なく動く事を確認した私は立ち上がった。辺りを見回すと異常に静かで、街の喧騒、人の気配や鳥のさえづる声も聞こえず、そして肌に感じる風や気温は現実そのものだった。自分の状態を見ると寝た時の服装で寝間着で裸足というスタイルなので、私はとりあえず家に変える事にした。家に着くとドアを開けようとしたら、鍵掛かっていて入る事が出来なかった・・窓を割って入る事も考えたが両親の顔が浮かび気が引けたので、止めて玄関の前で途方に暮れた。

 

 私は、暫く玄関の前で体育座りをしてうずくまっていた。うずくまっている間に分かった事がある、空の雲が全く動いていないのだ、最初は気のせいかと思ったがピクリとも動いてなかった。ここは現実ではないのは確かだがかと言って夢とは違う気がする、それが私がようやく手に入れた、この奇妙な世界で知ったわずかな事実だった。これでは埒が明かないと思った私は、ウッドデッキにあったサンダルを履いて辺りを探索するとにした。一時間程、辺りを探索したがこれと言ったものは無かった・・歩き疲れた私は近所の公園にあるベンチで寝そべって空を眺めながら考え始めた。(このまま寝てしまえばベットの上で目を覚ますのだろうか?このまま寝てみようか?)と半ば自暴自棄な考えに成りつつあった私に、ひらひらと揺れるものが目の端に映った。状態を起こして見てみると、ブランコのシートの裏に何かが貼り付けてあった。私は早速、近寄って確認するとメモ帳がガムテープで貼り付けてあった。

 

 ガムテープを外して早速、私はメモ帳を開いてみた。ビギナー夢遊旅行者へと最初の一ページに書かれていた。次のページをめくると以下のように書かれていた。

 

 お前がこのメモ帳を読んでいるという事は、最初の難関ファーストラベルを乗り越えたという事だ、おめでとう!理由は分からないが、この世界に最初に来た時、何故か体がほとんど動かせなかったと思うがその時に旅行者の何人かは死ぬんだ。お前は運がいいぞ!次に俺たちの様な人間は夢遊旅行者と言われている、俺がこの世界に来る遥か以前から言われているらしい。そして、この世界に一度でも踏み入れると寝るたびに強制的にこの世界に来ることになる。そこで親切な俺様は、お前みたいなビギナーがこの世界と上手く付き合うための基本的な事を書き記そうと思う。感謝しろよw

 

1 この世界での死は現実の死に繋がる

この世界で死ぬとマジで現実でも死ぬんだ!死因は様々だが眠りについた場所で何らかの理由で死ぬんだ、夢と侮って危険な行為は控えろ!現実と同じように慎重に行動しろ。

 

 2 この世界は現実世界と基本は全く一緒

この世界は現実と基本は一緒だ、あくまで基本はだ!ここでは割愛させてもらうが現実世界で道路工事が始まれば、この世界の同じ場所でも工事が始まるんだ!まあ、現実と違って無人で重機が動いているがな。

 

3  寝た場所から半径五キロの何処かに飛ばされる

寝た場所の約半径五キロの範囲の何処かに飛ばされんだ!土地勘が無い場所で寝る時にはある程度、地図を頭に入れろ!

 

4 寝た時に着ている服でこの世界に飛ばされる

今、寝間着で裸足とかじゃないか?これからは動きやすくて丈夫な服を着て靴を履いて寝ろ!動き回る事を想定して寝るのは夢遊旅行者の嗜みだぜ!

 

5 この世界は昼間と夕暮れを交互に繰り返して夜は来ない、そして夕暮れは不規則にきて一時間程で終わる

この世界は昼間と夕暮れが交互に来るんだ!夜が来ないのは未だに謎だが気にすんな!夕暮れは何の前触れもなく、突然やってくるんだ!でも一時間位で昼間に戻るんだぜ!

 

6 夕暮れには注意しろ!

この世界は突然、夕暮れになる。夕暮れになると奴らが何処からかともなくやって来て徘徊し始めるんだ!種類ごとに名前はあるが総称を夢魔と言っている。様々な形や性質を持っているが共通して、俺達旅行者を見つけると執拗に殺そうとしてくるから気をつけろ!だが安心しろ、夕暮れになる前に夕暮れチャイムが旅行者に警鐘をしてくれる!チャイムが鳴ったら身を隠せ!

 

7 夢魔とは絶対に戦うな!

そのままの意味だぜ!奴らとまともに戦っても絶対に勝てないから逃げろ!出会ってしまったら逃げて逃げまくれ!実は倒す方法もあるが・・ビギナーのお前には関係ない話だから忘れてくれw

 

8 暗闇に入ればこの世界から帰れる

これが一番知りたかった事じゃないか?そう、暗闇に入れば帰れるんだ!厚手の毛布や隙間を埋めたロッカーなど、光が全く入らない状態になると俺達旅行者は30秒程で気を失うんだ!簡単だろw目を覚ますと現実世界だ!

 

9 この世界から帰ったら30時間、この世界に入る事は出来なくなる

帰ってきてまた寝たらこの世界に行ってしまうと思うだろ?安心して欲しい、30時間ぐらいは寝ても何も起きないから大丈夫だ!ゆっくり休め!

 

 これがこの世界で生きていくために必要な基本知識だ検討を祈るぜ!おっと書き忘れたwこのメモ帳をポケットにしっかり入れろ!はみ出さないようにしっかり入れろ!いいな!じゃあなw

 

 私は一通りメモを読んだが正直な話、信じられなかった。「こんな出来の悪い三流ゲームみたいな設定何てあるわけない・・ゲームのやり過ぎかな?」と私は呟き、この世界は質の悪い夢という考えを改める事は出来なかった。すると、夕暮れ時に聞きなれた音楽が突然流れ始め「旅行者の皆様、夕暮れ時になります、夢魔に気を付けましょう」とアナウンスが流れた。「メモ帳に書かれていた事と同じだ・・」と私は思わず囁くと、一分位で空はみるみると赤く染まった。流石に焦った私は隠れる場所を懸命に考えた。(どうしよう・・どうしよう・・家は鍵がかかっているし・・そうだ!近くに交番がある!そこに逃げ込もう!)と思案がまとまり、私はメモ帳を胸ポケットに入れると、ボタンを閉めて小走りで交番に向かった。

 

 何者にも遭遇することなく、交番の近くまで何とかこれた。この角を曲がれば交番が有るはずだ・・私は角を曲がった。角を曲がると目の前に灰色の壁が立ちはだかっていた。それは、よく見ると壁ではなく背中だった。私は息を殺そうとしたが恐怖で逆に呼吸が荒くなり「はっ、はっ」と音が出てしまった。呼吸の音にピクっと反応した灰色の大きい背中はこちらを振り返った。黄色い大きな目、前身は毛が一切無く、筋骨隆々でネットで見た病気で毛が無くなったチンパンジーの様な容姿に似た化け物だった。私は逃げ出そうとしたが腰が抜けて動けなくなっていた。化け物は大きな金切声を発して、私に飛び掛かってきて馬乗りの体制になった。化け物は大きく口を開けるとギザギザの歯がむき出しになり、それを私の喉元に向けて噛み千切ろうと迫った瞬間、私の頭上の方へ化け物は吹っ飛んだ。

 

 私はよろよろと上体を起こすと目の前には木刀を持ったポニーテールの女性が立っていた。女性は知った顔だった、私の高校で指折りの美人な剣道部の先輩、男子から毎日のように告白され、挙句の果てには女子からも告白されるが未だに彼女は一度も首を縦に振る事は無く、そして、下校時はいつもハイヤーで下校する筋金入りのお嬢様だった。彼女はシルエットがはっきりわかる長袖のベースレイヤーに、軍用と思われるタクティカルベストと、ミリタリー調のカーゴパンツ地下足袋の様な物を履いて、フィンガーレスグローブをしていた。総じて、工事現場にいてヘルメットを被っていたら、とび職の人間と違われる出立ちをしている彼女は、木刀の切先を化け物に向けて牽制をして、化け物の方も警戒していてお互い動かず睨み合っていた。私はようやく立ち上がり事態を見守っていると化け物が先に動いた。化け物は真っ直ぐ突進をした、恐らく恵まれた体躯(たいく)を使った攻撃はこれが最適解と、化け物の本能が知っているのだろう。それに対して彼女は化け物に突きを放つ動作をしていた。私より体はがっしりしてるとは言え、女性のか細い腕から放つ突きで化け物を弾く事が出来るとは到底思えなかった。

 

 彼女は軽く半歩下がり、突進してくる化け物の頭を軽く小突くように突きを当てると、化け物はゆっくりと浮かび手足をバタバタしてパニックになっている。彼女はポニーテールをなびかせてパニックになっている化け物を通り過ぎ、電柱のボルトの様な突起物に強めに木刀で叩くと、浮いていた化け物は吸い寄せられるように電柱に勢いよく顔面から激突した。化け物の後頭部から電柱の突起物が突き出して串刺し状態になり、「びくっ、びくっ」と数度痙攣した後、果てた。彼女は私に近づいて来て「大丈夫?」と声を掛けてきた。私は「な、何とか大丈夫です」と応えた、「あなたは・・」と私が彼女の名前を言おうとすると、彼女が人差し指で私の上唇抑えて会話を中断させて「この世界では本名はご法度よ、ハンドルネームで呼び合うのが通常よ」と言った。

 

 「ご、ごめんなさい、何てお呼びすればいいでしょうか?」と私が尋ねるとほほを染めながら口ごもりながら何かを言った。私はよく聞き取れなかったので「えっ?なんですか?」尋ねると「ポニテ剣士だ!」と恥ずかしそうに彼女は答えた。恥ずかしいなら無難な名前にすれば良いのにと私は思ったが、彼女には聴きたいことが山ほどあるのでスルーした。「ポニテ剣士さん!このメモ帳に書かれている事は本当なんでしょうか?」と胸ポケットにしまい込んだメモ帳を取り出して私は尋ねた。彼女はメモ帳を私から取ると中身を見て「あの人、まだこんな事をしてるんだ・・中身の内容は本当よ、後、二つ、三つ程知っておいた方がいいけどね」と疑問に答えて私の胸ポケットに押し込んだ。今まで何をして良いか分からなくて、不安でフワフワとした感覚が私を支配していたがポニテ剣士が答えを示してくれたお陰で少しいつもの調子が戻った。

 

 「あの、二つ、三つ程知らなければいけない事は何ですか?」とポニテ剣士に私は再び尋ねた。「まずね、さっきも言ったようにこの世界では本名を言っては絶対ダメよ、知られた個人情報で現実世界でトラブルに巻き込まれるなんて嫌でしょ?ここは夢でも現実世界の地続きにある事を忘れないでね」と答えて矢継ぎ早に「あなたはどう呼べば良い?」と尋ねてきたので(どうしよう・・何かいい名前がないかな?あっ!)と私はある妙案が浮かんだ。「ツインテールJK!ツインテールJKと呼んでください!」とポニテ剣士に伝えると「ひねりが無いわねw私の真似じゃないw」と私を茶化してきた。「それでは、ツインテールJK、お互いに話したい事はまだまだあると思うけど続きは現実世界で話しましょう、放課後、学校の正門で待ってるわ」と言いポニテ剣士は交番の中へ入って行った。彼女が交番から出てくると、バックパックを持っていて、中から暗幕の様な布を出し「じゃあ、今らかあなたを現実世界に返すからそこの壁際に座って寄りかかって」と彼女が私に指示してきたので、私は素直に壁際に座って寄りかかると、彼女は暗幕の様な布を私に被せてきた。暗幕の中は真っ暗で直ぐに私の意識が薄れてきたのが分かった。薄れゆく意識の中で(この世界に来た時に偶然にも毛布が掛かって私は助かったんだな)と思うと同時に完全に意識が沈んだ。

 

 目を覚ますと自室のベットの上だった。あれは壮大な夢なのか?と自問自答してゴロンと一回転して私は横向きに体制を変えた。すると、胸ポケットの辺りに違和感を感じて探ってみたら、固い物があって取り出してみた。出てきたのはあのメモ帳だった、中身の内容も全く同じで、私の身に起きた出来事は紛れもなく真実という事を受け入れるしかなかった。私はうわの空で授業を受けていると、いつの間にか放課後になっていた。「正門で待っている」と言ったポニテ剣士の事を思い出して正門に向うと、彼女が正門で手を振っていた。「ぽ・・じゃなかった、先輩、お待たせしました」と私が声を掛けると「後輩!昨日の話の続きは私の家にてしよう」と彼女が返してきて、私達は一緒に並んで歩くと、周りの生徒がジロジロと好奇の目で見てきた。それはそうだろう、私の様な日陰者が彼女と行動を共にしているなんて、まず、あり得ないからだ。「先輩、早く行きましょう!」と私が急かすと「そうだな!」と応じて足早に彼女の家に向かった。

 

 電車で隣町まで行って駅から徒歩10分位の所に彼女の家はあった。家はワンルームのアパートで彼女が鍵を開けると中へ通されて、私は差布団に腰を下ろして女の子座りをしたら、彼女はコップにお茶を入れて私に差し出して、自らはベットに座った。部屋の中は殺風景で必要最低限の物しかなく、ミニマリストと言う訳でも無いようだった。(彼女は裕福な家庭で豪邸に住んでいると聞いていたが・・)と思っていると「あなたは美術部の子だよね?」と彼女は質問をしてきた「はい!その節はお世話になりました」と私は答えるた。私と彼女は面識があった、美術部のデッサン会の時に彼女がモデルになってくれたのだ。「やっぱりね!何か見覚えがあるなーと思ったのよ!」と言うと「聞きたい事があるんでしょ!何でも聞いて!ツインテールJK!」と質問を受け付けてきた。(何から聞こうか?まずはあの世界の事を聞こう!)と思案がまとまった私は「昨日の続きを聞きたいです」と質問をした。

 

 「了解したわ!メモ帳を読んだから知っていると思うけど、就寝した時の姿であの世界に行く事になるのは知っているよね?実はもう少し付け加えなければならない事があるのよ」と彼女が言うと「何です?ポニテ剣士?」と私は短く応えると彼女はちょっと顔を赤くなりながら「そ、その就寝時の姿と言う縛りは結構あいまいなのよ、バックパックなどを背負って就寝すると、あちらの世界にバックパックを所持していく事が出来るのよ!」とちょっと興奮気味に彼女は言って「もちろん、バックパックの中身も持ち込めるから、あちらの世界で不測の事態に遭遇しても対応できるわ」と彼女が言い終えると「じゃあ、服装とバックパックを揃えないとダメですね」と私が感想を漏らすと「そうね、話が終わったら服とバックパックを買いに行きましょう!」とキラキラとした目で誘ってきた。

 

 彼女からの提案は、心から嬉しかった私は「一緒に選んでくれるなんて心強いです!」と応えた。「さて」と彼女は言ってはおもむろに木刀をベットの下から出してきた。「この木刀に見覚えがあるでしょ?」と彼女が尋ねてきたので「そりゃあ、覚えていますよ、あの化け物を倒した木刀ですよね?」と私が答えると「正解!ちょっ見てみて」と彼女が言いながら、お茶が入っているペットボトルをちょんと木刀でつつくとペットボトルがゆっくりと浮いた。私は思わずペットボトルの周りを手で探ったが種も仕掛けも無かった。「こ、これは何なんですか?化け物も浮いてましたよね?」と興奮気味に私が尋ねると「これはバグモノっていう物であちらの世界の物よ」と答えて彼女は続けて「あちらの世界は現実世界の写し鏡みたいに基本は全く同じだけど時々、エラーが起きてあり得ない能力が付加された物が出来るのよ、それをバグったアイテム、転じてバグモノと旅行者達が名付けたのよ」と何故か自慢げに話した。

 

 (凄い!こんな凄いものがあちらの世界にあって、しかも、持ち帰る事が出来る何て・・あれ?でも何で彼女はこんなに親切に教えてくれるんだろうか?同じ学校だから?顔見知りだから?いや・・そんな訳ない・・)と私が困惑し始めてのを察したのか「何か聞きたい事があるみたいね」と少し怖い顔になりながら私に聞いてきた。ポニテ剣士の怖い一面を垣間見て怯えた私だが勇気を振り絞って「何でこんなに親切に教えてくれるんですか?何か目的があるんでしょ?」と心臓をバクバクさせながら彼女に尋ねた。「そうね・・しいて言えばお金儲けのパートナーになって欲しいのよ」と彼女は答えて「お金儲け?パートナー?」と答えに私が応えると「このバグモノね、売れるのよ、物によってよりけりだけど、この木刀の値段を知ってる?一億よ!」と彼女から出た驚愕値段に「い、一億?」と私は驚きながらも、素朴な疑問浮かんだので、彼女にぶつけてみた。「なんでそんなにお金が必要なんですか?ビギナー旅行者よりベテランの旅行者と組んだ方が良いんじゃないですか?」と問いに彼女は少し沈黙して口を開いた

 

 「私の家ね・・破産したのよ、お父様が事業に失敗して何とか立て直そうと懸命にもがいたけど、もう無理とわかった時に、お父様とお母さまは鬼籍に入られたの・・その後の葬儀には誰も来なかったわ・・でも、一人だけ来たわ、あなたが拾ったメモ帳を書いた人、私ね・・中学の頃からこの世界に出入りしているのよ、彼からは色々な事を教わったけど当時の私は興味が無かったの、だから、あちらの世界に行っても直ぐにかえって来る感じだったわね、でもね、全てを失って私の家を取り戻したいと渇望した時に、彼と再会してこの世界の事を思い出したの、バグモノを売りさばいてお金を稼げば家を取り戻せるとね、あなたの言う通り、最初はベテランの旅行者と手を組んだわ、でも、あいつらはすぐ人を謀って、あまつさえ、私の体を狙ってくる始末だったわ」と更に続けて「そうね、丁度その頃だわ、この木刀を手に入れたのは、私の体を汚そうとしたふ埒ものをミンチにしてやったわw」と怪しい笑みを彼女は浮かべた。

 

 想像していたよりも斜め上の告白を聞いて、正体を現したサイコガールを目の前に怯えていた私に彼女は「これで全てを話したわ!大人と男は信用できないのよ!だから、あなたの様な子羊見たいな子をパートナーとして欲しいのよ!お願い!」と鬼気迫る懇願に「わ、わかりました、私で良ければ協力します・・」と私がなし崩し的に彼女の要望を受け入れると「ありがとう!うれしいわ!改めてよろしくね!ツインテールJK!あっ!これ飲んで!お茶に仕込んだ遅効性の毒の中和する薬だから」と彼女は小瓶を差し出してきたので私は急いでそれを飲み、(こえーよ、ポニテ剣士!ゆるふわな名前なのに、こえーよ)心では恐怖で叫んでいたが笑顔を崩さず「こいつw毒はもうやめてよねw」と狂った受け答えをした。私は自室のベットにうつ伏せで寝ていた。あれから、あちらの世界に必要な物を、彼女持ちで買い揃えた・・今夜、初めて彼女と共にあちらの世界で行動する事になるが、正直逃げたい、だが、逃げれば彼女の事だからどこまでも追って来るだろう・・もう逃げる道は無いのだ。私は「よしっ」気合を入れ、私は、生きる為の戦いに臨んだ。

 

 

 今回ご紹介する曲は作詞作曲、動画を青栗鼠さん、イラストをまにさんによる鳥有浮遊です。

 



 本曲は揺れ動く自分と言う存在、満たされない心、それらを補完、補強するだけの何かが自分に無い事に悲観する歌を歌愛ユキさんが歌います。

 

 題名の烏有浮遊は烏有は古代中国人の文人、司馬相如による作品に出てくる登場人物の名前で、架空の人物なのでそれを転じて何もないという意味になり、それを浮遊と合わせると何も浮かんでないという意味になります。本曲では、自分の存在意義を確立する事が出来ない事に悩み焦るあまり、まるで宙に浮かんだ虚無と自己評価している意味合いだと自分は思いました。

 



 

 

 

 本曲の独特な歌詞は癖になりますね!小気味いいポップな曲調にピッタリですね!次の作品に期待大な方だと思いますよ!

 

 本曲、烏有浮遊は己の存在意義という誰しも抱える人生の課題を歌詞にした曲は万人に共感をさせられる素晴らしい曲だと思いますので是非!本動画を視聴してみてください。

 

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

ニコニコ大百科様より

歌愛ユキ

 

コトバンクさまより

烏有に帰す