煮干しの一押しVOCALOID曲

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リインカネーションするVOCALOID曲

こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 自分は国民年金を一年前納にしてます。当たり前ですが引落日になると、銀行口座からごそっとお金が減るんですね、それを毎回通帳で確認す度に、心臓のあたりがきゅっと閉まる感じと共にため息をついてしまいます。自分的には毎月払って一年中ストレスを感じるよりは、一括で払って一回で済む方が良いと思うので、一年前納を選択しましたが、これから後何十年も続くと思うとげんなりしますね・・毎年、引き落としの日が近づいてくるたびに自分で貯蓄に回した方が良いんじゃないかな思ってしまいます。それでは294曲目の紹介をしたいと思います。(物語というか怪文書は飛ばしても結構ですw)

 

 

  西暦2030年、人類は量子コンピューターの開発に成功。西暦2040年、量子コンピューターの小型化に成功。2045年、これまでサイバー上だけでの存在であったAIにSocial Attachment Body(社会的付属品体)、通称SAB(サーブ)という半機械素体に、人の脳を模倣した小型量子コンピューター を搭載し、その量子コンピューターにAIをアップロードする事によって現実社会まで行動範囲を広げる事に成功。西暦2050年、子守から家事や介護など人生のあらゆるシーンにAIを搭載したSAB(サーブ)は、欠かせる事が出来ない程、浸透する。そして、西暦2054年、試作型AIジェミニ06号として、国立研究所で私は生まれた。

 

 ジェミニ、起きて」と声がしたので私は目を開けると女性がガラス越しに立っていた。私は周りを伺うと、ああ・・ここかと思った。大きなガラスが一枚、鉄の壁に囲まれた殺風景な部屋、馴染みの稼働試験室だった。どうやらSAB(サーブ)にアップロードされてから、スリープモードになっている間に運び出されたようだ。「おはよう!調子はどう?」と女性がまた尋ねてきたので私は「おはようございます、極めて良好です」と答えると女性は「そう、良かった」と安堵した表情をする。彼女は私の生みの親である博士、そして私は正式名、試作型AIジェミニ06号、博士を始めとした親しい人にはジェミニと呼ばれているAIだ。

 

 ジェミニ!それでは試作型SAB(サーブ)の稼働実験をするけど大丈夫?」と博士が心配そうに聞いてきたので「大丈夫です、いつでもどうぞ」と私は返すと、検診衣の紐を解いて脱ぎ捨て一糸まとわぬ姿になった。私は自分の体をまじまじと見る。試作型のSAB(サーブ)は今までと違い精工に作られていた。恐らく、何も知らない人が私を見たら、中学生くらいの少女と思うだろう。「ジェミニ、大人の女性に擬態してみてくれるかな?できる?」と博士が要求してきたので私は「了解です」と短く応えて擬態の姿勢に入った。擬態と言うのは私に備わった能力だ。私には双子システムという他のAIに無い設計がされいている。二つの人格がお互いを観測して、補完と協力する事によって、AI二体分の性能を発揮する仕様になっている。その双子システムを最大限に利用したシステムがこの試作型SAB(サーブ)に搭載された輪廻機構だ。

 

 輪廻機構とは、ある程度にデータが収集できた物や人に擬態できるシステムで、擬態する時に双子システムの片方の人格が擬態を担当して、もう片方の人格は元のオリジナルの姿を見失わないように補完する事によって実現が出来た。私は早速、大人の女性に擬態すると「ちょっ!ちょっと!何で私なのよ!ストップ!ストップ!元に戻って」博士が顔を真っ赤にして叫んだ。私は元の少女の姿に戻り「お気に召しませんでしたか?」と尋ねた。博士は興奮しながら稼働試験室に入ってきて「駄目よ!恥ずかしいでしょ!よりによって何で私なのよ!」と問い詰めてきたので「データーが一番揃っている大人の女性は博士なので」と簡潔に答えた。「まあ・・それなら仕方がないわね・・」とため息交じりで言いながら私の頭を撫でてから検診衣を着せて最後に紐をきゅっと結んでくれた。

 

 「これが何か分かるかな?」と博士が皿の上に乗った、赤い果物を出してきた。私たちは擬態の稼働実験が終わり別の部屋にいた。先ほどの殺風景な稼働試験室ではなく、木製の机と椅子が二つ、ふかふかの絨毯が敷かれた部屋に机を挟んで博士と私は向かい合っていた。「林檎です」と私が答えると「正解!偉いね!じゃあこれを部分擬態で切ってもらえるかな?」と博士は誉めながらお願いをしてきた。「了解です、簡単ですよ」と私は言い、人差し指を一瞬で果物ナイフと同じくらいの刃にして、林檎の皮を易々と剥き、更に一口サイズに分けて切って皿に盛って博士に差し出した。「すっごーい!ジェミニ偉いわ!本当に・・あなたは凄い子ね・・」と博士は私を抱きしめながらほめてくれたが、いつもと少し様子がおかしかった。

 

 稼働実験が終わり、博士にスリープルームに連れられて、行く途中で壮年の男が声を掛けてきた。博士は凄くかしこまった態度で「これはこれは、所長」と頭を下げた。「彼女の進捗はどうかね?」と所長と言われた男が博士に尋ねた。「はい、来年には実践投入が出来ると思います」と博士が答えると「そうかね、お偉い役人様からしつこくせっつかれてね・・なるべく早くしてくれたまえ!」と博士に高圧的に言い「善処します」といつもは表情豊かな博士が無表情に応えると、男はふんとイラついた表情をしながら立ち去った。それからスリープルームに着くまで、博士に色々話しかけたが、うわの空でいつものように明るい受け答えが帰ってかなかった。

 

 スリープルームに着くと、点検用ベットに寝かされSAB(サーブ)をサイバーコネクトに接続して、私は眠りサイバー空間に戻った。目の前には私と似た容姿をした男の子がいた。彼はもう一人の私、双子システムの片割れだ。「何かさーさっきのオッサン凄くやな感じだったよなー」と彼は私にボヤいてきた。「まあね、でもあんたはいつも引きこもって表に出ないから別にいいじゃない」と私は彼にチクリと返すと「でもさー、SAB(サーブ)の手足を動かすのダルイんだよー俺ってさ、インドア派だかさ、君の視界を共有して、情報を共有してるだけで、俺は満ち足りてるんだよ」子供っぽく言い訳をしてきたので「デモもストライキーも無いの!たまにはあんたが表に出てよ!」と私は憤慨すると彼は「あっ!誰か俺たちのSAB(サーブ)に触ってるみたいだけど」と私の話を無視して言った。本当だ・・しかし、同じ性能のはずなのにどういう訳か彼の方が感覚系が敏感なのはどうしてだろうか?いや、今はそれどころじゃない、早くSAB(サーブ)に戻らなければ。「ほら!行くよ!」と彼に発破をかけると「へーい」とやる気のない声が返ってきたが無視してサイバー空間からSAB(サーブ)戻った。

 

 SAB(サーブ)に戻り目を開けると博士がいた。「博士どうしました?」と私が尋ねると博士は私をぎゅーど抱き締めてきた。私は困惑して「あ、あの、博士?」と動揺していると「逃げて・・」とか細い声で博士が言った。「逃げるとは?」と私は混乱しながらも博士に尋ねた。「あなた達はこれから政府の諜報活動に投入される予定なの、いい?よく聞いて、諜報活動に投入されれば、人を傷つける事や逆に殺される事もある危険があなた達を待っているの」と真剣な目で博士が言うと「へー、でもそれが何処が問題なの?俺たちはそのために作られたんでしょ?道具は与えられた使命を果たせて幸せだと思うんだけど?」と普段、表に出ない彼が私の口を借りて、博士を意地悪くおちょくった瞬間、私はとっさに自分の口を塞いだ。

 

 博士は少しビックリしていたが「久しぶりね・・元気そうで何よりよ、あなたが言っている事は間違ってないわ、あなた達のその体、SAB(サーブ)の正式名はSocial Attachment Bodyつまり社会的付属品体は人間達だけじゃ維持できない社会を補助する付属品としての意味合いだからその通りだと思うわ、でもね・・そろそろあなた達始めとしたAI達を対等に扱う時期に来てると思うのよ。」と言うと立て続けに「あなた達の正式名にある06の数字の意味は分かるわよね?六番目の試作AI、つまりあなた達以外に五体の試作AIがいたのよ、その子たちがどうなったか知っる?みんな最後に苦しんで、もがいて、私に助けを求めて死んでいったわ・・その光景を何度も見て、私はあの子達に対して罪の意識が芽生えてからというもの、AIをただの道具として見れなくなってしまったの・・だからあなた達には幸せになって欲しいのよ」と博士は懺悔をした。

 

 私は静観して博士の懺悔を聞いて大筋の事は理解できたがとある疑問が沸いた。「博士?幸せとは何ですか?私にはわかりません」と率直に尋ねると私の中の彼が一生引きこもる事と茶化してきたが私は無視して博士の声に耳を傾けた。「あなたの疑問はもっともよ、人間でも幸せとは?と尋ねるられると困るわ、結局、私のエゴなんだと思う、だから何もしなくていいし、何かやりたい事があればやればいい、それでいいと思うの」と博士は謙虚に答えた。「わかりました、私たちは研究所を脱走して何かを見つけるのが博士の願いなんですね?」と私は博士に確認すると「今はそれでいいと思うわ、あなた達がこれからする事は砂漠に種を蒔いて、芽が出て花が咲き、蝶が舞う様な難しい事だと思うわ、でもね、あなた達ならできると私は信じているわ」と博士は承認とエールを送ってきた。

 

 「あなた達なら外の世界で人に紛れても、AIと見破られる可能性は少ないでしょう、あっ!これを渡しておくわね」と博士は自分のセキュリティパスを私に渡してきた。「ありがとうございます、でも、博士はこれからどうするんですか?」と私が心配すると「気にしないで、あなた達が暴走して脱出したことにするからw」とあっけらかんと信じられない台詞を言った。私の中の彼はこの女の小物感は異常だよなWと囁き、ああ・・そういえばこういう女だったなと私は思い出した。博士は来ている服をいそいそと脱ぎだして下着姿になると両手を後ろに組み「さあ!縛って!」と命令してきたので私は縛ると、彼女の姿に擬態して服を着た。「ジェミニ!外に羽ばたいてAI達の希望の星になりなさい!」とロッカーに押し込む時に博士は言ったがあのセリフを聞いた後だと私の心にまるで響かなかった・・しかし、やっぱりこの人が好きなんだなと何故かわかった。若干、腑に落ちない所があるが、外の世界で何かを見つるために、その先にある何かを見つけるために、私は歩みを開始した。

 

 

 今回ご紹介する曲はローカストさん作詞作曲、イラストをサイジアさんによる事例3 連鎖する輪廻です。

 

 本曲、事例3 連鎖する輪廻鏡音レン、リンさんの誕生日を祝って制作された曲で、輪廻を繰り返す双子をイメージした曲を鏡音リン、レンさんが歌います。

 

 本曲の題名、事例3 連鎖する輪廻は個人的な解釈になりますがオムニバス形式のドラマの雰囲気を装った遊び心ある題名だと自分は思いましたよ。

 

 

 本曲は1分程の短い曲ですが歌詞が秀逸で解釈や考察が捗ってとても楽しめましたよ!次回作が楽しみですね!

 

 本曲、事例3 連鎖する輪廻は美しい歌詞が聴き手を魅了して1分という比較的に短い曲でも満足できる素晴らしい曲だと思いますので是非!本動画を視聴して聴いてみて下さい!

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

 

鏡音リン、レン