煮干しの一押しVOCALOID曲

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星が繋いだ愛が残した物語を歌うVOCALOID曲

 こんにちは こんばんは 煮干しです

 

 アメリカのアマゾンを始めとしたハイテク企業が大量リストラをしましたね。ハイテク企業はここまで不況知らずの右肩上がり成長を見せましたが、成長の鈍化が始まり陰りが見えてきた所に、インフレ抑制のための利上げによる景気の後退の影響を受けて、この度の大量リストラになりました。もともと、ハイテク企業は成長を見越して余剰に人員を確保していた余った人材とはいえ、万単位のリストラに平然と踏み切るアメリカ企業は恐ろしいですね・・それでは287曲目の紹介をしたいと思います。(物語というか怪文書は飛ばしても結構ですw)

 

 勤務時間が終わり家路に着くため私は車を走らせていた。帰宅した後に何をするか頭の中でシュミレートしていたらスマートフォンにSNSの着信があり、同時に着信内容をスマートフォンが読み上げ始めた。「突然ですが僕たち別れよう 改めて話したいので都合がいい日時を教えて下さい 連絡待ってます」無機質な機械音声が私と彼の終わりを宣告した。

 

 薄々わかっていた。ここ最近の一歩引いた彼の態度に予感の様なものを感じていて、ああ・・やっぱりなというのが素直な感想だ。覚悟はしていたので私の中ではあまり衝撃が無かったと思っていたが、サイドミラーに映った自分の顔は無表情で固まっていて血色も悪く自分が思っている以上ににショックを受けているのが分かる。本来ならここで左折して家に帰る道を私は直進した。それから一時間位だろうか?気が付いたら駐車場に止めて真っすぐ前をボーと見ていた。

 

 何処ををどう来たのか、わからないが駐車場の街灯と公衆トイレの明かりそして自販機の明かりで、かろうじて公園にいる事が分かった。状況を把握するために私は車を降りて辺りを見回すとあっさりとここが郊外の山頂付近にある馴染みの展望公園だと分かった。私は大学に入って星空を観察をする会というサークルに入っていた。もともと、星空を眺めるのが好きだったので軽い気持ちで入会したが実態は星を観察する事を口実にした、バーベキューやキャンプして遊ぶアウトドアサークルだった。ここの公園は24時間開放されていて、サークルが使う都合のいい場所だったので、ここで頻繁に活動をしていたのだ。

 

 私はスマートフォンのライトを頼りに辺りを展望できる東屋に続く小道を進んだ。2、3分小道を進むと東屋が見えてきた。東屋に着き辺りを見回すと多少の経年劣化以外、変化は無くあの頃と何も変わってなかった。私は東屋のベンチに腰を下ろして見上げると久しぶりに見る星の海に「わぁ・・」と軽く驚く。私は手を時折さすりながら星を見ていると「上から赤いのがペテルギウス、オリオン、リゲル、シリウスそして僕が好きなカノープスだよ」と彼が私にこの場所で話しかけた言葉を思い出した。サークルは冬になると活動の参加者が激減する。理由は真冬の夜に寒い思いをしてまで、バーベキューやキャンプをしたい人間はいないからだ。参加者は私のように純粋に星空を見る事が好きな人間だけになり、冬場だけサークルの名前に嘘偽りのない活動になる。そして純粋に星を愛するメンバーに同じ一回生(一年)の彼がいた。

 

 私は彼とはあまり話した事は無かったので、最初はぎこちなく「そうなんだ」と返事した。彼は構わずカノープスについて話し始めた。「カノープスはね、太陽を除外した星の中で二番目の明るさなんだ」続けて話し続ける「僕はね、この淡い優しい光を見ていると幸せな気持ちになるんだよ」とその後も彼はカノープスについて情熱的にあまりにも夢中に私に話すので思わず笑ってしまった。「ご、ごめん、カノープスを見るのは久しぶりだから思わず・・」とばつの悪そうな顔で謝ってきた。「別にいいよw」と私は彼の謝罪を受け入れ「私は赤いペテルギウスが好きだな」と返した。この夜が切っ掛けで私たちは話すようになり、半年後には付き合うことになった。

 

 あの時、彼と星について話し合った場所で私は一人で星空を見ている。そして、感情がようやく状況に追いついたのか瞳から大粒の涙が溢れ始めた。時折、嗚咽を漏らしながら泣いていると私のくるぶし辺りに何かが触れた。「あひゃーー!何?何?」とぐしゃぐしゃの顔で驚いて立ち上がり、足元をスマートフォンのライトで照らした。足元にいたのは三毛猫だった。この公園を縄張りにしている野良猫だろうか。「なーん」と鳴きながらこちらをジト目で見ている。結構な大声で叫んだにも関わらず全く驚いていない、何て太々しい猫なんだ。

 

 三毛猫は私が座っていた場所にぴょんとジャンプして着地して座り、私に向かって再び「なーん」と鳴いた。「もしかして私と星空を見るの?」と三毛猫に話しかけた。すると三毛猫は「なーん」と返してきたので私は隣に座り、ハンカチで涙を拭って星空を愛してる奇妙な三毛猫と星空を見上げた。一人と一匹の吐く息が白く染まり宙に舞っている・・私は視線を南天の地平線に戻して淡い光を放つカノープスを見ながら「さようなら、私の愛する人」と呟いた。

 

 

 今回ご紹介する曲は作詞作曲、動画をすげて一人で手掛けたナユタン星人さんによるカノープスです。

 

 本曲は、星で繋がった愛の終わりにお互いの心に残った淡いぬくもりと記憶、喪失の歌を初音ミクさんが歌います。

 

 本曲の題名カノープスは、太陽を除いた星の明るさが二番目で、冬の南天の空に地平線の少し上に観測できる星です。地平線に近いために大気の影響で淡い光を放ちます。カノープスが放つ淡い光が愛が終わった後に残る想いを表現した題名と自分は解釈しましたよ。

 


www.youtube.com

 

 本曲の星を題材にした切ない愛の物語は心に響きましたよ。本曲を紹介するにあたってカノープスの情報を集めましたがこんな神秘的な星があるんですね!二月辺りに観測しやすいので見晴らしが良い南の郊外に行けば見れるかもしれせんね!

 

 本曲、カノープスという神秘的な星を題材にした切ない曲が聴き手に哀愁と感動を感じさせて何度もリピートしたくなる素晴らしい曲ですので是非!本動画を視聴して聴いてみて下さい。

 

お借りしたMMD 

Tda様より

Tda初音ミクV4XVer1.00

 

ニコニコ大百科様より

初音ミク

 

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台様より

 

www.nao.ac.jp